ほんまにお客さんもわしも呆けとるのやら呆けてないのやら・・
ケイコさん(90歳)の仕事が終わって他にお客さんもいないから
「ひろ造さ、おまんじゅう好き?」
「ええ大好きですよ」
「いま、美味しいのを買ってくるから」
「セブンイレブンの草餅、美味しいですもんね」
店も目の前だし(ワクワク~♪)
「あら、セブンイレブンじゃ無いわよ、ほんとのおまんじゅう屋さんのおまんじゅう」
(へっ!この辺りにまんじゅう屋なんぞあったっけ?)
(そう言えば昔ここの並びにあったな)
「すぐそこだから買ってくるね」
「でもセブンイレブンの方が美味しいですよ」
(じっさいケイコさんにはセブンイレブンのまんじゅうをよく貰ってる)
「私ね手作りのおまんじゅうしか食べないのよ」
「あのおまんじゅう屋さんのおじさんは最近体調を崩してお店閉めたんですよ」
「あらそう残念ね、じゃあまた今度どこかで買ってくるから」
(結局、まんじゅう買うてくれんのか)
・・・と思っていたら
「ひろ造さん、おまんじゅうセブンイレブンで買ってきたから食べて」
「どうもごちそうさま」
買ってもらった
さっきのやり取りは何やったんだろう
ちなみに普段のケイコさんは驚くべく頭の回転が速い
2~3日前に亡くなった政治家の爺様が
浅野ゆう子さんのお父様だってネットで盛んに言ってるけど
嘘やな
わし前に浅野さん本人が書いた自伝を読んだけど
生まれて会った事の無いお父様の危篤時に初めて会った場面が赤裸々に描かれていた
あれが本当の事で
今、ネットでまことしやかに言われてる石井一娘説は嘘じゃ
だいいちわしは隠れ、ゆう子ファンじゃ!
今日は新緑が映えて
ほんまに初夏って感じやね
どこぞに行きたいけど仕事終いに缶酎ハイ一杯飲んだとたんに
外に出る気が失せるんだよな
それなら飲まないでいたら良いじゃないか・・
と思われるだろうけど(誰がじゃ?)
もう仕事が終わったら缶酎ハイを飲むというのが
パブロフの犬みたいに条件反射しとる
その為に常時職場の冷蔵庫に缶酎ハイを蓄えてあるんだ
やっぱりどっか行こうかな
半ドンの土曜日は昼前が一番うれしいんだよな
あっ!お客さんが来た
女房が昼にスーパーの駐輪場で買ったばかりの
まだ2回しか乗った事の無い自転車を盗まれた
女房が自転車を盗まれたのは初めたそうで油断して鍵を掛けなかったそうだ
すぐに出るつもりであっという間の出来事だ
何人かの方にこの話をすると一応に・・・
「残念だけど鍵を掛けなかった方が悪い・・」
と
そうだよな、きょうびの世の中うかうかしている方が悪いよな
やられる方が悪いとなると
国もうかうかしてるとどこかの国に領土を盗られちゃうよ
今日も雨・・・
でもこの時期の雨も新緑が映えて奇麗だな
どこぞの温泉旅館で山の緑と雨でも眺めながらボーとしていたい
それで窓の下に川でも流れていたら・・
ああ前に行ったことがあったな
また行ってみようかな
さて今日も暇だろうな
昨日、時代小説を読んでいたら三途の川の渡しに奪衣婆(だつえば)なるおばやんがいて
亡者の生前の罪を亡者から剥ぎ取った衣服を衣領樹の木の枝にかけて
枝のしなり具合を見て死後の処遇を決めるんだと
閻魔様が裁判官だとしたらおばやんは検察かな
この歳になって初めて奪衣婆なるおばやんがあの世の入り口にいるなんて知った
世間一般の人のほとんどは自分が地獄に落ちるとは思ってないだろう
わし自身思っていないが
(わからんでぇ~)
わしがあの世に行って奪衣婆のおばやんがわしの衣服を衣領樹の枝に掛けた時・・
わしの生前の悪行の重みで枝が折れたりして
何だか‘死,って遠いもんだと思っていたけど
知らんうちに身近に来てたりして
わしゃ長生きしたい
花の命は短くて苦しき事のみ多かりき・・・
桜吹雪にパチンコ台を連想するのはわしだけか・・
なんだかこの時期って情緒不安定になるね
ふと昔見た光景が頭をよぎる
19歳の頃、大阪阿倍野の辻調理師学校のクーラーの室外機の掃除のアルバイトをした
屋上で何十枚もフィルターの掃除をしたら手足も作業着も真っ黒になった
ふと手を止めて眼下を見たら大阪の街が茜色に染まっていた
(わしは何しよるんやろ?何したらええんやろ)と
ふと思うた
20歳の頃、虎の門病院の屋上から東京の街を見晴らした
東京には山が無かったけど街も世間も立派に見えた
(わしは存外小さいのう、この先どっかで朽ち果てるんやろな)と
ふと思うた
ふふふ
今日はちょっと寒いね
最近ちょっとだけ仕事が忙しくなって来たけど
それにしてもお客様はおじやん、おばやん、ばかりだな
おじやん、おじやん、おじやん、おばやん、おばやん、おっさん、おっさん、おばはん、若者・・
ってな感じやね
さっき江戸っ子のおばやんミツコさんの腰をもみもみしてたら
裏のアパートから赤ん坊の泣き声が聞こえた
ミツコさん・・・
「赤ん坊の泣き声ってめずらしいわね」
「年寄りのうめき声はよく聞くけど」
わはは!
「それに幼稚園の送迎バスは見かけないけど年寄りのデイサービスの車と
葬儀場の車はよく見かけるわね」
・・・と言う話で職場が盛り上がった
if・・・
人って誰しも過去を振り返って
あの時、ああしていれば
とか、ああしなければ
とか過去の出来事や出来なかった事を後悔する事があると思う
だけどそれって現在進行形の自分が思うことで
実際には別の自分がいて出来なかった事をやっていたり
やってしまった事をやらなかった自分がいたりするかもしれない
数年前にストリートビューであいりん地区を見ていたら
労務者の中に道端で立ちションをしてるおっさんが映っていて笑ってしまった
もちろん人物の顔はボカシてあるんだが
・・・
見てるとそんな中に一人だけ鮮明に顔が映ってる男がいた
背が高くて髪はボサボサ、前歯が1本だけで小汚い身なりに片手にワンカップ
もう片方の手はズボンの股間に入っていた
あっ!あれは
あれはわしやんか!
あそこにいるはずの無いわしがストリートビューに映っとる
はは~ん
あれは20歳の時に先輩の運転するレンタカーで東京に出なかったわしや
あのまま大阪に残ったわしがおる
あのなりはろくでもない人生を歩んでいるな
博奕と酒にあけくれ
仕事は怠けて
・・・
一緒やん
東京に出てきたわしの人生と変わらんな
ほほ~
どこにおっても
どんな事しとっても
人間の本質が変わらん限り
成れの果ては一緒や
怠けもんは怠けもん