ザ・シネマというチャンネルでブラッド・ピット主演の
「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」というおかしな
映画を見た。
ストーリーというより発想がまるで変っていて驚く。
まず第一に、生まれてきた赤ちゃんの顔が老人の
顔で生まれてくることである。普通の人間とは逆で
この赤ちゃんは成長するにつれて老人の顔が少し
づつ若くなってゆくのである。この発想がまず驚き
である。
いま話題の村上春樹でさえこんなストーリーは思い
つかないだろう。
悲劇なのは外見はだんだん若くなってゆくのに比べ
精神は老化してゆくことであろう。体は若いのに老人
になって認知症になったりするなどというのはつらい
状況である。
最後は赤ちゃんになって死んでゆくというエンディング
である。
ブラッド・ピットは一人でこの男の一生を演じわけている。
この数奇な一生を送る男が一番若くて輝いている時期
つまり青年時代のブラッド・ピットはいきいきとしていて
男から見ても美しく、素晴らしく見えたのである。