海辺の町を歩いていると
かもめが防波堤の上に整列をしていた。
二列になるほどたくさんいた。
みな同じ方向を向いているのがおもしろい。
前でもうしろでもどちらを見ても海しか見えないはずなのに。
海辺の町では良く目にする光景である。
詩人の三好達治はかもめを自由を手にしたものと見た。
どこにでも好きなところへ飛んでゆけるからだろうか。
でも彼らは本当に自由なのだろうか。
現実はそうでもないようだ。
魚はいつでも取れるわけではないだろうし
魚はいつも海面近くを泳いでいるわけでもない。
海が荒れてどうにもならない時もあるだろうから。
ついに自由は彼らのものだ
朝やけを朝の歌とし
夕やけを夕べの歌とす
ついに自由は彼らのものだ
三好達治