現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第125回:フィクション

2017-03-05 04:16:17 | 日記

「もう石原慎太郎氏の発言にこだわってもどうしようもない。小池百合子都知事は世界の東京づくりに励んで欲しい」

 Nは自分に言い聞かすようにこう言った。

「百事陽委員会に任せるんだ」

 こうも。

「地方の衰退が止まらない日本の国で東京だけは輝いていて欲しいからなあ」

 仲間のひとりがこう言う。

「それでは困るよ」

 Nは仲間を見た。

「どうすればいいんだ」

「東京が太陽で地方は東京を中心に回ればいい」

「どうすればそうなるんだ」

 Nとその仲間は激しく言い争いをした。

「おれには策があるんだ、聞いてくれ」

 Nはその策を語り始めた。