髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 2日目夜間~

2014-08-26 21:00:45 | 自転車旅行日記
前回のあらすじ
前日、チューブを新品に取り換えたがバーストタイヤで走り続け、またパンク。
もうボロボロでタイヤを変えるしか方法はない。
車屋を見つけて自転車屋の事を聞いたら親切にも
自転車のタイヤとチューブを買ってきてもらい
内心しぶしぶ5000円を払いつつ、調子が良くなった自転車で快走する。
そして、千葉の最南端に「白浜」に着こうとしていた…

タイトルは夜間だがまだ、昼過ぎ(苦笑)




しかし着いてみると目的地とは名ばかりの地だった…
岩がゴツゴツしているだけなのだ。

髭人「おいおい…どこが白い浜だよ…白浜なんて名前なんて返上して黒岩ってした方がいいんじゃないか?」

などと思った(全部が白い浜でおおわれていてたまるかいな)。
一応、俺はその岩場に立って

髭人「ここが房総半島最南端か…」

と海を見ると波は結構荒れていた。
それから俺は

髭人「浜って着く地名なのに浜辺に行かないでどうする!」

と是が非でも浜辺に行く決心をして動き出した。
海沿いを走り続ける。近くのホテルがあってそこに宿泊客らしい人がいるので

髭人「浜辺ってありますかねぇ?」
人「浜?海岸の事?前にせよ反対方向にせよ3kmぐらいはあるよ」

と言われてお礼を言って出発した。
灯台があってその脇を通って浜辺を目指す。10~20分くらいして漸く浜辺を発見した!!

髭人「着いた~!」

と海の家の脇に相棒を置く。周りを見ると、結構多くの客がいる。客は若い男女というよりは家族連れのほうが多かった。
一応泳ぐかもしれないと水着は持ってきていたのだが、これからまだ走らなければならないので泳ぐのは中止になった。

髭人「昨日今日のアクシデントが無ければ泳ぐ時間も合ったろうに…」

と悔しがる。(全部テメーのせいだろ)
だけど浜辺まで来て見るだけというのもアホらしいので靴と靴下だけ抜いで足だけちょっと波打ち際に行き海の気分だけ味わった。
海は温く濁っていた…
その後、帰りはどうしようかと悩んだ。前来た3ルートのいずれかのうちで帰るか?
それとも房総半島をほぼ一周するような道を通って、一昨年来た道にいくか?(帰り道をまるで考えてない出たとこ勝負っぷり。さすが俺!)
時間は14:00過ぎだった。まだ時間は結構ある。俺は決断した。

髭人「3泊4日なんだ!今日ちょい走って、明日はずっと走りつづければ何とか明後日で帰れる所まで行けるだろう」

と…
それで汚れた足を拭いて、靴下を履き、靴も履いて、一応何かオリジナルっぽいものを残したくてペットボトルに砂を入れた。(高校球児かお前は!)
そんで海の家に入って

髭人「この辺でお土産屋ってありますかね?」
店員「お土産屋?灯台の方に行かないとないねぇ~」

灯台…さっき走ったところである。出来れば戻りたくなかった。進むついでに立ち寄るって形にしたかった。
だが、

髭人「お土産は(思い出づくりとして)買った方がいいかなぁ?」

と思って戻る事にした。

髭人「ああ~、この走る分だけ前に使いたい…」

と、ねちねちと決めた事にガックリ気ながら走った。
灯台の横についてお土産を購入する。絵葉書とかちょっとした小さい置物みたいのを買った。
置物つっても大した事は無い。ガラスの中に何か入っているというだけのありきたりな代物だ。
俺からお土産を貰っている人なら「またそういうのかい…」と言うだろう。
名産品とか買えば良いんだけどね…でもかさばるんだよね。その土地の物って…

既にバッグはパンパンだった…
おばちゃん「どこから来たんだい?」

と聞かれる。どうしてそう聞くのだろうかとちょい思う。(当時は俺が絡まなきゃ放っておいてくれっていうタイプだったからなぁ…)
俺の雰囲気が「遠出してます」って言っているのかなぁ?(そりゃ見える)
そんでどこから来たか話しつつ

髭人「今日は鴨川か勝浦に行くつもりです」
おばちゃん「へぇ~車なら1時間ぐらいだけどね…自転車だと2時間ぐらいかね?」

車の半分の速度なんてとんでもないと思った。自転車なんてスピードを出している方でせいぜい20km/h行けばとても速い方だ。車が40km/hなんて考えにくいし、第一俺は疲れている。15km/h行けば立派だと思える状態である。

おばちゃん「頑張ってよ~」
髭人「ハイ!」

と元気よく答えて、一人自販機で買った缶コーラを思いっきり振って開けて祝杯としていた。(ショボ~)
コーラを半分ぐらい飲んで

髭人「いざ!鴨川or勝浦!」

力強くペダルを漕ぎ出した。
だが、海沿い…風があって、しかも向かい風

髭人「負けるかぁ…」

ペダルを強く踏み込んでいった。
にしても海周辺って花畑が多く、花摘みが出来るらしい、花が好きな人は是非…とか宣伝したりして、進む。
途中で食べたアイスが旨いこと旨いこと…コンビニがあれば休んで進み、コンビニがあればまた休む。
こう書いているのを見ると俺って何かやる気がないように見える。
一応、あまり疲れないようにって所なんだけど…
でも実際めっちゃ疲れていたんだよな~…
でもそんな発言する奴がいたら「ならお前やってみろ!」と言っている事だろう。(そうカッカしなさんな。)

海沿いを只管、進む。北東だったかな?だいたい…
と、ちょっとした住宅街(?)で、警察が集まって車をとめて現場検証みたいな事をしていた。野次馬っぽい人も多い。「なんだろ?」と思って、その野次馬の一人の主婦に

髭人「何があったんですか?」
主婦「事故よ~」
そりゃ見りゃ大体察しは付きますよ。(そりゃ、当然の答え方だ。不思議ではない)

髭人「どんな事故だったんです?」
主婦「ええ?幼い子とそのお姉ちゃんがいてね。ずっと手を繋いでいたんだけど幼い子が急に走り出すもんだから手が離れて…」

恐らく、その子は死んだだろうと思った。そこは国道である。裏道だからのろのろ走るというのとは訳が違う。
だけどすっごく見通しが悪い…飛び出されて気付いてブレーキをかけて止まるなんて不可能だろうと思った。
しかし、その事件…頭の中をぐるぐる回った…(辛い話。聞かなきゃ良かったかもしれない…)

坂道が有って相棒から降りて歩いていたんだけど、その事が頭から離れない。
しかも朝聞いた二人乗りで引っ掛けられて死んだ高校の事もダブって、意気消沈…
普通の道でも踏み込むペダルの力が自然に緩む…

髭人「こりゃ…勝浦までいけない…鴨川までだな…」

因みにその時の時間は16:30ぐらい…
因みに勝浦は鴨川から15kmぐらい離れている。
まだ鴨川まで5kmぐらいある…だから勝浦までとなると20kmである。
平らな道なら1時間でいけるだろうがアップダウンが激しい道である。2時間弱はかかるだろうと思った。
そんな道を進んでいると、トンネルがある。このトンネルは午前中のものとは違い、車道の脇にチャリが通れるような道がちょっと出っ張っている。しかし、壁とギリギリなので下手すりゃ壁にハンドルを擦る。壁から離れたい所だが、出っ張りはそんなに離れるだけの余裕は無い。しかも仮に離れてもトラックなどが走ってきたら危険である。その上、交通量が異様に多いというのもネックだった。それでいて長いトンネルなのだ。

危険。長い。そして煙い…

この3要素はとてもきつかった。
出来ればトンネルがない道をとおりたかったけどそうすると遠回りになるのでそこに行くしかなかった。
それか口にタオルを当てたい所だったが、片手運転などしていたら壁にハンドルを擦るだろうと思えたから出来なかった。
口にタオルを巻き付け、走る。まるでギャグっぽい漫画の銀行強盗。
何とかトンネルを抜けてやっと鴨川に到着である。
今日の宿泊場所探しの為に駅に行く事にした。駅は迷わず発見し、交番も見つける。しかし警官がいない。

髭人「そんなに忙しいのか?警官って…」

って警官の多忙さに頭を悩ませた。(駐在所なのかもしれない)
だが、だからと言っても警官が戻ってこない事には、宿が決まらない。

髭人「警官が戻ってくるまで待つか」

と、決めて周囲を見ると
観光案内所という小さな建物を見つけた。

髭人「あそこなら調べられるかもしれないな…」

と、そこに入ってあかりインに

髭人「この辺で素泊まりできる所ってありますかね?出来るだけ安くて…」
係員「そうだね…素泊まりできる所…最低でも6000円はかかるよ」

6000円高い…
昼前にタイヤ&チューブ代で5000円もかかっているのだ。
出来れば避けたいがその人の話によると他には6000円未満はないと言う。(無知なヤツだとナメられていたのかもしれない)
少しばかり思案した後

髭人「じゃぁそれのうちの1つにします」

と決定した。あんまり街中だと、野宿場を探すとなると大変だから…
名前などを書いて、教えて貰って、その決めた宿に向かった。5分もかからないでその宿に着くが、フロントに誰もいない。

髭人「すいませ~ん」

と2~3回呼ぶとやっと宿の主人らしき人が出てくる。
こう言っちゃ悪いが一目見て、生理的に嫌いな人だと思った。
何か小物の癖して欲深そうなそんな印象を受けたからだ。(当時、ヒデェ物言いだが事実)
手続きをしながら会話をする。お馴染みの質問を受けた。

主人「どこから来たのか?」

それに対しては何時も通りの回答をして、一つだけ変わった質問を受けた。

主人「自転車の魅力ってなんですかね?」
髭人「車だと、運転をするだけで動力はガソリンを使っているじゃないですか、それに比べて自転車は自分の力と自転車で走るっている何ていうか一体感という物ですかね?」

と、受け答える。(なかなか良い受け答え。当時の俺、ナイス!)

主人「へぇ…」

オッサンは、ただ聞いただけで興味はなさそうだった。
(というか、『何、熱く語っちゃってんの?(笑)』みたいな感じをうっすら感じた)
嫌いに見える人だからって悪人って訳ではないだがな…
そして料金を支払って、キーを貰ったんだけど、何か素泊まりの俺を馬鹿にしているのか色々な出来事が続発する。

主人「部屋には、お風呂が着いているんですが、水道管が壊れていて使用できないんですよ。お風呂は浴場の方にお越しください」

と…まぁ、部屋の狭い風呂など最初から利用するつもりは無いから別にこれはいい。

主人「お部屋は2階の階段を上がって右の奥です」

だが、次の階に上がって「201~205」は右、「206~210」は左という案内板があるのだが、俺の部屋は「200」
もう既に怪しさプンプンである。(○00号室なんてものは髭人生まれてこの方ここ以外で見たことがない)
201、202…と続いていって205の次に200があった。
しかも「201~205」の表札はきちんとプラスチックで印刷されたものなのに「200」は手書きマジック。そしてドアは他と違ってボロい。

髭人「おいおい…何なんだよ…」

部屋の中に入る。部屋は特に悪い所は見られない。

髭人「俺が勝手に悪いと思い込んでいるだけか?」

お茶があったので一杯飲んで落ち着いた。1日目の宿泊先と比べていい点と言えばこれぐらいである。

髭人「このお茶だけで1500円UP?」

と、苦笑しつつテレビを付ける。すると映像はかなり乱れている。更に俺は猜疑心を深めた。

髭人「何なんだ。ここは…」

と、まずは汗を流そうと浴場に向かった。服を脱いで鏡に向かうと腕がかなり日焼けしていた。

髭人「曇りでも焼けるんだなぁ~」

頷いて、風呂に入った。シャンプーが無かった。
俺は体を洗いながら思った。

髭人「明日早く出ないとな…」

そう考えてフロントに向かった。

髭人「すいません…明日早朝に出たいんですが…」
主人「何時です?」
髭人「5時ぐらいですね…」少しばかり考えた後、
主人「そうですか…では自動ドアを手動にしておきますので出る時に閉めていってもらえますか?」
髭人「お願いします」

そう言ってもう一つ思いついたことがあったので聞いた。

髭人「ここら辺に安くて旨い料理屋ってありますかね?」
主人「そうですね…」と、2件教えて貰った。
一つはちょっと行くのが複雑でやめようと思った。後一軒は駅の裏だそうなのですぐに行けるなと思った。
部屋に戻って、財布を携え、キーをフロントに預け宿を出た。
するとまた俺の疑心を煽るような事が有った。

髭人「俺の部屋だけ窓が小さい」

他の部屋は全て同じ大きさで俺の部屋より大きいのだ。何かコケにされているとしか思えない状況だった。

髭人「これは故意なのか?それとも俺の考えすぎなのか?」(いや、もう確定的だろ)

と、歩いて、駅の裏に出てその言われた店を探すがない…
ちょっと探して何とか見つけ出した物の、店内は暗く入り口に

「誠に勝手ながら10日まで(その日は8月8日)休ませて頂きます」

そう書かれた張り紙があった。

髭人「これは偶然なのか?」

もう、その腹黒そうなおじさんを信じたくなくなった。
それから他の店を見つけて入った。そこはお好み焼き店
しかし、そこのお好み焼き店はとても放任的であった。水を持ってきて

おばさん「決まったら、ブザーを押して」

と、店員のおばさんは去っていった。部屋の壁にはブザーがあった。
用意してもらった水入りのポットから何度か水を注いで飲んで、食べる物も決まったのでブザーを押した。

おばさん「はい?何を食べるんです?」
髭人「たこのお好み焼きを…」
おばさん「ハイ…」

鉄板の温度を上げるようにして、また去っていく。少しして材料と皿を持ってきてまた去る。

髭人「他のお好み焼き屋もこんなんなのかなぁ?」

と、呆然としながら作り方を悩む。(無知な髭人です)

髭人「材料を混ぜて焼くんだろ?」

と、お好み焼きは作ったりした事はあるがこういう所で作るのは始めてなので作り方を迷った。
そういう時に壁に作り方が書かれた張り紙があったのでそれを参考にして作った。
すると焦げた…張り紙がいけないんじゃなくて俺がちょっと間違ったのだ。
張り紙に「裏表15分かけて焼く」と書いているのに

髭人「片面15分?それは焼きすぎなんじゃないか?」

そう思い違いをして片面9分も焼いた時に気付いた。裏は6分にしたのだがかなり焦げていた。

髭人「ぐむぅ…これで800円だろ?食うしかない…」

と、焦げの酷い所は削って食べた。ちゃんと焼けている所は旨かった。
食べてから、ブザーを鳴らして店員を呼び出してお金を払って、外に出た。

髭人「あまり満腹した気がしない…」

焦がした部分を食べなかった点、緊張しながらお好み焼きを焼いたのであまり食べた気がしなかったのだろう。
おとなしくおばさん呼んで焼かせればよかったかもしれない。
と、コンビニで1個のおにぎりを買って、うちに電話して、宿に戻った。
例のおじさんに

髭人「休みでしたよ」
主人「そうでしたか!すみませんねぇ~」

と、かなりの疑いを抱いている俺には態とらしいと思えた。というか言い方が軽い。
部屋に戻って、映りが悪いテレビなんか見たくないので足を揉んで歯磨きをして、サッサと寝てしまった。




現在の髭人からのまとめ

この宿は今まですべての自転車旅行の中で最低の宿だった。

完全に主人に舐められていたな。
この扱いで正規料金だったんだろうか?急きょ、泊まることになったからって
あんな急ごしらえの部屋に押し込められ、部屋のテレビも風呂も使えん不備が目立つ部屋である。
とても6000円の部屋ではない。(他の部屋の価格はいくらだったんだろうか?同じ値段ならまけさせる)
今、こんな仕打ちを受けたらネットで晒す!!なんて陰湿な事はしないが本人に

「アンタ、客である俺をなめてんだろ?」
「どういうことだよ。説明しろ」

ぐらいの事は言うだろう。
初対面で見受けられた守銭奴な感じは見事に的中という所だろうか?
まぁ、世の中、いい人ばかりじゃないわな。


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