近々、通勤に自転車を使うことになるかも知れず、実家から折り畳み自転車を持ってきた。約15年ほど前に買ったブリヂストンのハンディバイク6(HANDYBIKE6)である。
2007年にパンクして上手く修理できず、2015年に久しぶりに出して空気を入れたら漏れなかったのだが、今回前後輪に空気を充填したら前輪の空気がゆっくりと四、五日かけてなくなるようだ。何度も空気を入れ、中性洗剤を溶かした水をスプレーしてみたが、三度目くらいでバルブの付け根のリム孔からわずかに漏れていることを突き止めた。しかも高圧(5~6kg)の時しか目視では確認できないほどだった。
さて、修理にかかるわけだが、この自転車のタイヤは6インチでしかも細く、普通のパッチを貼ると空気を入れた時にかなり形がいびつになる記憶があったので、薄型小型のパッチを取り寄せる。またおそらく前回はバイク用のタイヤレバーを使ったのだろうが、パナレーサーの短いプラスチック製レバーも注文。チューブは、すでに何年も前に廃盤になっているハンディバイク6用が市販されているわけはなく、A-Bike用にわずかに通販されているチューブを試しに1本取り寄せてみる。写真で見るとバルブの曲がり方が微妙に違い、ただでさえ空気が入れにくいのにさらに入れにくくなりそうだ。
前輪を車体から外し、注意深くタイヤを外す。タイヤは小さく硬いので、両側のビードをそれぞれの側のリムの外側に起こしてやる。タイヤの中でリムがグラグラ自由に動くようになるので、チューブのバルブを中に押し込みチューブを引き出す。以前パンク修理をしたのは後輪だと記憶していたが、実際は前輪であった。しかもバルブの付け根のすぐそば、リム側にパッチが貼られていた。さっそく空気を入れて水に浸けるとこのパッチの縁からごくわずかに空気が漏れている。どうしてチューブのリム側に孔が開いたのかは不明で記憶にもないが、とりあえずリム表面に問題はない。パッチをライターの火で炙り、剥がしてやる。バルブ付け根に無理がかかって開いたような孔ではないが、肉眼でわかるような結構大きな孔であった。なお下の写真の左奥に見えるのが、今回買った新品チューブである。
孔周囲のチューブ表面を入念にヤスリがけ。チューブ表面に製造時にできるであろう線状の突起もなくなるまで擦る。オートバイ用携帯工具入れに二十年眠っていた未開封のチューブ入りゴム糊はまだ使えた。直径20mmの超薄型パッチを貼り付け、オートバイ用タイヤレバーの先で入念に押し付けて接着終了。一晩置いて空気漏れ確認。組む時は外す時と逆の要領で行い、オートバイ用携帯用のチタン製薄型タイヤレバーも併用する。
最後は足ではなく、指でビードを入れることができた。なお、今回は念のためビードワックスを塗った。
翌日、自動車のシガーソケット電源のポンプで空気を入れると「ブシュー」と音がして抜けた。やれやれ。その晩、チューブを引き出してみると、バルブが付け根からもげていた。経年劣化と空気入れの際のバルブの横ひねりが原因だろう。バッチのほうは完璧に接着されていた。そこでA-Bike用の新品チューブを入れ、注意深く組んだ。バルブの曲がり方が弱く空気が入れにくそうだが、リムの孔に対するバルブの出る微妙な位置加減で、いくらか空気が入れやすくなる。ホイールを自転車に取り付けるまえに行きつけの自動車整備工場に出向き、直線的なエアーチャックで空気を入れる事ができた。
後日、念のため後輪用にもと、予備チューブを2本買い足したのは言うまでもない。6インチのチューブはまだ探せば購入できるが、タイヤの入手が困難になっている。我がハンディバイク6は見た目、後輪がやや減っているので、次回のタイヤ・リム脱着の機会には、前後のタイヤを入れ替えてやりたい。
ある眠れない夜中、ハンディバイクを整備。ドライブチェーンとブレーキワイヤーに注油。チェーンは強い雨にさらされたり長時間走ったりはしないので、ワイヤーと同じくサラサラの潤滑スプレーを吹いて、念入りに拭き取る。ワイヤーには、オートバイに使用していたケーブルインジェクターを使ってたっぷり入れてやり、下から出た物をウェスでしばらく吸い取る。ところでこの自転車のリアブレーキのワイヤーは、メインフレームの下側を伝ってくるため、ブレーキ部分でワイヤーがホースから上向きに出てレバーを引くようになっている。つまりワイヤーの出口は上を向いていて、雨などが入りやすそうだ。そこで、ずっと以前に除雪機も扱う自転車屋さんで教わったように、ワイヤーの出口に爪楊枝や綿棒でグリースを押し込んだ。手近にシリコングリースがあったのでそれを使う。
この自転車はタイヤ径が小さいから全体に短く、部屋の中でも簡単に整備できる。いつもはキャリングバッグを床に広げた状態で行っている。キャリングバッグに納めれば、肩に掛けて電車にも乗れるし、キャリングバッグは丸めてベルクロでフレームに固定できる。実際、北海道増毛町に住んでいた頃、特急列車に積んで遠く離れた函館市に運び、風情ある街を散策したこともある。自転車はもちろんデッキに置き、自分も横にしゃがんでいた。
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