響庵通信:JAZZとサムシング

大きな好奇心と、わずかな観察力から、楽しいジャズを紹介します

気になる映画監督

2014-06-26 | 音楽

映画館で映画を観なくなって、久しい。
ブザーが鳴り、照明が暗くなり代わって銀幕に(懐かしみをこめて)クレジット・タイトルが投影される…期待でワクワクする瞬間だ。
昭和20年代の楽しみは、FENラジオと映画だったが、LPレコードとテレビの普及が〈聞き方・見かた〉を変えた。
好きな音楽をレコードと再生装置で好きな時に楽しめるように、映画館でしか見られないフィルムがVHS、DVDでコレクションできるとは、夢にも思えなかった。

『或る殺人』の監督:オットー・プレミンジャーは、
1906年生まれのユダヤ系オーストリア人で、大学で法律を専攻していたとき演劇にひかれドイツ第一の演出家:マックス・ラインハルトのもとで俳優になり、舞台監督を務めた。
ナチス・ドイツに迫害される前に渡米し、
ハリウッドで40年代から60年代にかけてヒット作・問題作・話題作を発表し続け、1986年79歳で亡くなった。
初期の[20世紀フォックス]では、監督・俳優・制作など多角な活動をしている。
日本で最初に公開された映画は6本目のミステリー『ローラ殺人事件』である。

【ローラ殺人事件】 (Laura)
1944年:米/20thフォックス (モノクロ 160mins )    
    劇場公開:47年
    監督・制作:オットー・プレミンジャー
    原作:ベラ・キャスパーの推理小説
    音楽:デイビッド・ラクシン
    出演:ジーン・ティアニー、ダナ・アンドリュース
        クリフトン・ウエッブ、ビンセント・プライス
        ジュディス・アンダーソン 

劇場公開が47年ということは、昭和22年にあたり、
いま最も関心を持たなくてはならない《日本国憲法》が施行された年である。 
いえね、憲法と殺人には何の脈絡もないけれど、
ずいぶん古い映画だな~と。
スタッフ・キャストなど知らない人だらけである。
ン?…知らないほうが好いこともある。
連日のように放映される和製ミステリー、サスペンスは、配役の段階で真犯人が解ってしまう。
推理小説の醍醐味は、フーダニット(who done it=犯人は誰か)、ハウダニット(犯行のトリック・手口)、ホワイダニット(犯行の動機)にある。
だらだらと“動機の解明・アリバイ崩し”に2時間もつき合わされるのは…別の意味で倒叙推理になるかもしれないけれど。

美人で人目を引くコピーライター:ローラ・ハントが惨殺され、彼女の後援者で著名なコラムニスト:ウオルド・ライデッカーに事情を訊きに来た刑事:マーク・マクファーソンのシーンから映画が始まる。
ウオルドのモノローグで事件の経緯が徐々に解ってくる。
ローラと最も深くかかわる人物は、後援者と婚約者。
婚約者には愛人がいるうえにローラの叔母とも関係がある。
後援者、婚約者、愛人、叔母に容疑がかかり、
確証がないまま捜査するマークも巻き込まれて…
真相は?
〈結末を知る者の守秘義務〉…★△●□?

脚本と制作を担当したプレミンジャーは、元々の監督の演出に不満でプロデューサーに交渉して、自分がメガホンを撮った.
尊大に振舞っているけど嫉妬深いウオルド役のクリフトン・ウエッブは、30年代のブロードウェイを代表する名優。
出演に乗り気ではなかったがプレミンジャーが特に指名した。
ローラに扮した40年代で最も美しい女優の一人と云われるジーン・ティアニーは、61年のプレミンジャー作品『野望の系列』(コロムビア)にも出演している。
敏腕ではないが有能な刑事像を演じたダナ・アンドリュースも、プレミンジャー監督『哀しみの恋』(1947年:20thフォックス)に出演。
舞台からハリウッドにスカウトされ西部劇・サスペンス映画で活躍している。
女性に〈もて男〉男シェルビー役:ビンセント・プライスはホラー映画の第一人者であり、
ローラの叔母アンのジュディス・アンダーソンはオーストラリア人で、ヒッチコックの『ベレッカ』、アガサ・クリスティ原作『そして誰もいなくなった』(ルネ・クレール監督)などサスペンス映画に縁がある。

『ローラ殺人事件』の日本興行成績はたぶん芳しくなかったと思う。
昭和22年のヒット映画は、『スイング・ホテル』『荒野の決闘』『ガス燈』『アメリカ交響楽』『心の旅路』『断崖』などのアメリカ映画で、ソ連の『石の花』も話題だった。
このうち下線の作品については、映画と音楽の両方で満足できるものだった。
    【蛇足の注】
    『ガス燈』『断崖』は名作サスペンス映画である。
ヒット映画とポピュラー音楽は二卵性双生児として成長している。
『スイング・ホテル』ではアービング・バーリンの曲「ホワイト・クリスマス」をビング・クロスビーが歌い、『アメリカ交響楽』からはジョージ・ガーシュインの「スワニー」がヒットした。

美人肖像画に主役~タイトル~キャスト~スタッフ~監督名が映り進み、暗転、
「ローラが死んだ週末は忘れられない…」とナレーション、
由緒ありげな部屋をパンするファーストシーン。
バックに流れるラブ・ロマンスのクライマックスをほのめかすシンフォニックな曲が、『ローラ殺人事件』のテーマ・ミュージック「ローラ」である。(映画では2分強)
マーク(刑事)とウオルド(後援者)が現場検証(ローラの部屋)に来て、何気なくレコードをかけると♪「ローラ」が鳴りだす。
その後も、ストーリーに添って♪「ローラ」がプレミンジャーの演出を、最後まで補完する。

作曲者のデイビッド・ラクシンは、『ローラ殺人事件』のあともプレミンジャーの『永遠のアンバー』『哀しみの恋』『(ともに1947年作品:20thフォックス)の音楽を担当している。
1930年代後半から70年代にかけて[映画音楽の祖父]といわれ『虹を掴む男』『悪人と美女』『黄昏』(*1951年:原題  Carrie)『旅路』など多数の映画音楽・テレビ音楽に活躍した。(注:*同タイトル異作品、1981年:原題 On Golden Pond あり)
最大のヒット曲になった「ロ-ラ」が、
ジャズのスタンダード・ナンバーになって残った。
映画音楽がヒットすると、ポピュラー音楽として時代の話題曲になる。
ポップス・ヒット曲とスタンダード・ナンバーを響庵流に線引きすると、
前者は洋楽流行曲、
後者はジャズ課題曲になる。
ジャズ課題曲とは、多くのミュージシャンが競って演奏したくなる。あるいは、
ミュージシャンが知っていなくてはならない基準(スタンダード)となるもの。
という意味である。
♪「ローラ」は、映画が封切りされて数か月後、19ピースのウディ・ハーマン・オーケストラで大ヒットしている。
ストーリーとは関係ないものの、あとからジョニー・マーサーが詞をつけた“夢の中の美女ローラ”を、
ハーマンが甘く歌っていたから、器楽奏者、男女歌手の絶好の課題(*^。^*)になった。
Jazz Standard.com のランキング35位のこの曲は、
多様なアルバムに収録されている。
シンフォニックなムードの
『チャーリー・パーカー・ウイズ・ストリングス(バーブ)』
『クリフォード・ブラウン・ウイズ・ストリングス(エマーシー)』がお勧め。
変化球がお好きな方は『エルビン・ジョーンズ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード(エンヤ)』のジョージ・コールマン(ts)・ソロ…11分30秒を、どうぞ。
ボーカルは、
『フランク・シナトラ/ホェア・アー・アーユー(キャピトル)』
『ジュリー・ロンドン/彼女の名はジュリー(リバティ)』が好い(=酔い)。

     Where are you ?                                                              Julie is her name

シナトラ「ローラ」(1957年録音)は、
謎のような緊張がひろがるゴードン・ジェンキンスのアレンジにのせ、まるで、ローラを愛する三人(後援者、婚約者、刑事)の想いを伝えるクルーナー・ボイス。
『ホェア・アー・ユー』には「枯葉」「アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー」も入っているので、
筆者の〈ぞっこん〉盤。
ジュリー「ローラ」(1955年録音)は、ファースト・アルバムの中に、居た。
“彼女の名はジュリー”…これほど正確なデビュー盤はない。
再婚の夫:ボビー・トゥループ(ピアニスト、歌手、ソングライター、俳優、「ルート66」の作曲者)がプロデュースした。
全12曲中「ローラ」だけ、無伴奏で唄いだして2コーラス目からレイ・レザーウッド(b)、バーニー・ケッセル(g)がサポートするハスキー・ボイスのアクセルが魅力。

余談だが、2013年にクリッツァ―ランド(Krizerland)というアメリカのコレクター向け映画音楽専用レーベルで、ラクシンのスコアに沿って『ローラ殺人事件サウンドトラック』盤を発売した。
現物を見たわけではないが、1曲目「メーン・タイトル」から16曲目「エンド・タイトル」までの曲名をたどると、そのまま映画のプロットになっている。
しかし、♪「ローラ」以外のBGMを組曲風にまとめただけで、
映画音楽ファンの目、耳に留まらかった…だろう。

反骨の監督:プレミンジャーとシナトラの演技力が、凄い映画を生んだ。
【黄金の腕】 (The Man With The Golden Arm)
1955年:米/ユナイテッド・アーティスツ (モノクロ 119mins)
     劇場公開56年
     監督・制作:オットー・プレミンジャー
     原作:ネルソン・オルグレン
     音楽:エルマー・バーンスタイン
     音楽監督:シェリー・マン
     タイトル・デザイン:ソール・バス
     出演:フランク・シナトラ
         エリノア・パーカー、キム・ノバク
     演奏:ショーティ・ロジャース(flh)、シェリー・マン(ds)
         ピート・カンドリ(tp)、バド・シャンク(as)
         ボブ・クーパー(ts)、ミルト・ベンハート(tb)
         ラルフ・ペナ(b)

◆フランク・シナトラ
腕利きのディラー(ポーカーのカード配り手):フランキー・マシーン役。
麻薬更生施設でヘロイン中毒から脱しドラムを練習したフランキーは、
ディーラーの足を洗いドラマーとして人生をやり直そうとする。
アパートには、事故で車椅子生活を負わせてしまった妻がいる。
◆エリノア・パーカー
妻:ザッシュ役。
先行き保証がないドラマーより[黄金の腕]を持つ男と云われるディラーで稼いでもらいたいので、しつっこく反対する。
◆キム・ノバク
クラブの女:モリー役。
フランキーの良き相談相手…ザッシュから[目の敵]にされる。
◆オットー・プレミンジャー
制作年順が後先になる『或る殺人』では、レイプ、パンティ、字幕に出せない卑語などの法廷シーンが問題になったけれども、この作品はフィルム・ノアール(破壊的・退廃的な犯罪映画)のヘイズ・コード(商業映画の検閲制度)でタブーとされていた[麻薬]に挑んだ。
◆エルマー・バーンスタイン
ピアニストを志望していたが、第二次世界大戦中グレン・ミラー空軍バンドのアレンジャーを手がけ50年代からハリウッドで映画音楽家になった。
♪「黄金の腕」は55年アカデミー賞映画音楽賞にノミネートされている。
(同年の受賞は、アルフレッド・ニューマンの「慕情」)
なお、61年ア:ミュージカル映画音楽賞受賞「ウエスト・サイド物語」のレナード・バーンスタインとは縁戚関係はない。
◆ソール・バス
映画界にタイトル・デザインを確立したアメリカのグラフィック・デザイナー。
50年代から70年代の数々のヒット映画に名が残っている。
プレミンジャーのミュージカル映画『カルメン』でデビューして以来『黄金の腕』『或る殺人』『栄光への脱出』『枢機卿』など、同監督作品の担当が一番多い。
因みに『ウエスト・サイド物語』も彼である。

                ソウル・バス・デザインの『或る殺人』と『黄金の腕』

映画がヒットすると主題歌・主題曲が、直ぐラジオの音楽番組に反映される。

1956年(昭和31年)のヒット・パレードは、
「エデンの東(エデンの東)」「マンボ・バカン(河の女)」「恋ははかなく(慕情)」「16トン」「ハーレム・ノクターン」「レッツ・ダンス(ベニー・グッドマン物語)」「黄金の腕(黄金の腕)」「トゥ・ラブ・アゲイン(愛情物語)」「バラの刺青(バラの刺青)」「カナダの夕陽」「ハート・ブレイク・ホテル」「誇り高き男(誇り高き男)」「ケ・セラ・セラ(知り過ぎていた男)」「暗いはしけ(過去を持つ男)」…順不同…である。
 『ポップス・ヒット・パレード/茂木幹弘(旺文社文庫)』より

圧倒的に映画音楽に依る、というのが解る。だが、
テネシー・アーニー・フォード「16トン」、サム・テイーラー「ハーレム・ノクターン」、エルビス・プレスリー「ハート・ブレイク・ホテル」のほうが断然、リクエスト多かった。
 【蛇足の注】「恋ははかなく=慕情」はジャズ・スタンダード・ナンバー。

映画『黄金の腕』は終幕のサプライズが見どころ──
主人公の経過を、ざっと…
元に戻ったら…ヤクに逆戻りすると警告されていたフランキーは、麻薬密売人:ルイの誘惑には乗らなかった。
看板ディラーが欲しい胴元シュリフカの策略で賭場に出る羽目になる。
自己中心でわがままなザッシュと些細なことで言い争ったフランキーは、いつでも止められると…ルイの世話になってしまう。
さんざん苦労してドラムのオーディションを目前にしたフランキーだが、
ザッシュ治療費のために最後の大勝負を任される。
徹夜明け近く形勢不利のシュリフカから「…絶対勝て、方法はわかってるな」
〈いかさま〉がバレ乱闘になると、シュリフカは逃げてしまう。
疲れ切って受けたドラム・テストに失敗したフランキーは、知らぬ間に[ルイ殺人容疑]が、かけられていた──

麻薬と賭博のダーク・サイドをリアルな演出に拘ったプレミンジャーは、
10数分に及ぶポーカー・シーンの撮影で、
3日間、103人のスタッフ、ラスベガスのサンズ(実際にシナトラ一家が出演したカジノ)の支配人、トランプ手品師のアドバイスを用意した。
電灯一個の下のテーブルに山積みされるドル紙幣は全て本物、そのため政府の特務機関の監視がついていた。
 (高沢暎一執筆『アメリカ映画200/キネマ旬報社』より要約)

ジャンキーのままだと犯人にされかねないフランキーは、自分で治そうと決心し、モリーに協力を頼む。
「…ナイフやハサミを隠すんだ…どんなに苦しんでも同情するな」
映画で最も重要な部分の禁断症状シーンを、プレミンジャーは1週間かけて撮影する予定だった。
シナトラは撮影初日朝、セットにやってくると、
「さあ、カメラをまわしてくれ。僕はこういう場面をどう演じればいいか、ちゃんと知っている。リハーサル抜きにしよう」
 (『ハリウッドをカバンにつめて/サミー・デイビス・ジュニア』ハヤカワ文庫より)

モリーが部屋に鍵をかける。
「始めるぞ」
ゆっくり上着を脱ぐフランキー…(不気味なミュージック)、
暴れ出す…
(ds激しく)、
針を探して二の腕に刺す…あえぎ/もがき/ころげまわる。
「開けろ!」椅子でドアを叩く…小窓をあけ飛び降りようとする。
遂に、失神・悪寒…6分。
“完全主義監督と“NGなし男”の修羅場になった。

『黄金の腕オリジナル・サウンドトラック』というCDがある


黒地に白い棒状の線が上から・下から・横から、伸びたり、交差したりしてクレジット・タイトルが続き最後に上から握り拳が〈ぬっと〉降りるソウル・バスのデザイン…
衝撃的な曲が、♪「黄金の腕」である。
画面では1分17秒のテーマ部分だけだったが、CDは「フランキー・マシーン」という曲名でショ―ティ・ロジャース(flh)ソロ入りの4分58秒を聴くことができる。
映画では、
①治療中のザッシュが医者に余計なことを話すのに腹を立て、フランキーは禁を破ってヤクを…打つシーン(隠してあるブツを取り出すところ~ネクタイを二の腕にきつくまくところ~)が進むにつれ♪「黄金の腕」はフォルティッシモ(きわめて強く)になる。
②シュリフカとルイから大金が賭けられる賭場のディーラーを口説かれる場面は、12分を越す♪「黄金の腕」がフランキーの逡巡を映画音楽でも感じさせた。
BGMの♪「ザッシュ」「モリー」という曲も、4分以上のシンフォニー・オーケストラで収録されている
♪「オーディション」
指揮者のショ―ティ・ロジャースが、
「チャーリー、替わってやれ」
リハの途中でフランキーに叩かせる。
チャーリーと呼ばれた男はシェリー・マンが演じている。
(シェリー・マンはこの映画のためにシナトラをコーチした)
徹夜ポーカーの上にヤク切れフランキーが、僅か40秒そこそこで惨めな失敗をする。
このシーンのショ―ティは台詞を伴う役者さんである。
再びドラム・ソロからのリハのやり直し…(映像は1分強)
CDには、
シェリー・マン(ds)~ミルト・ベンハート(tb)~ショーティ・ロジャース(flh)がフィーチャリングされたジャズ・オーケストラ・フルバージョンのテイク(2分44秒)が入っている。
なお、ジャズ・オーケストラにピート・カンドリ(tp)バド・シャンク(as)ボブ・クーパー(ts)ラルフ・ペナ(b)も参加している。
一部の資料にフランク・ロソリーノ(tb)が記載されているが、確認できない。
♪「治療/禁断~寒気~朝」
自ら荒療治で麻薬依存を絶つシーン…11曲中最も長いトラック。
バーンスタイン:不安・恐怖・閃光のシンフォニック・ジャズと、
錯乱・凶暴・凄惨:シナトラの体当たりが、
不朽の印象になった。
♪「フィナーレ」
映画の内容は差し控える…曲想から、衝撃的な〈結末〉が予感される。
 

煙草も吸わない筆者が提言しても説得力ないけれど、
日本でも、いまだに、ミュージシャンばかりか一般人までが、
どうして、
覚せい剤とか脱法ハーブを、常用してしまうのだろう。

“最初のときもそうだ、初めは面白半分、ルイが只でくれた。いつでもやめられると…ところがずるずると…気が付けば完全中毒だ。
1回打ったが、これが最後で2度とは…”
 (モリーの部屋でドラムの練習をさせてもらったフランキー)
“話があるんだ、金が要るんだ…なんでもするよ、どうしても打ちたいんだ。1回だけだ、約束だ、2度とやらない。今度こそ必ずやめるよ、貸してくれ”
 (オーディションに失敗、金がなく、モリーに頼み込むフランキー)

60年も前に、プレミンジャーが、シナトラが、
麻薬禍を警鐘しているのに。

                 つづく