ヒビキの小学校卒業に関連しては、ながながと連載におつきあいいただき、
ありがとうございました。
その連載を通じて、私自身に残った教訓がいくつかあったので、
併せて書き留めておきたいと思います。
まず今回改めて、心底了解したのは、
先生というのは、勇気を教える存在なのだということです。
小学生相手にこのことをいったいどうやって教えるのか、
教職もとっていない私には文字通り途方に暮れるばかりだが、
自分には自分のこころのありかがあり、
他人には他人のこころがあって、
それらは別々であり、しかもふれあうことができる。
そのような立ち位置で生き続ける勇気
……それをそのように生きることで示すこと。
そんなふうに私は小学校の先生方から教わった。
しかしながらこれは小学校の先生に限らなくて、
たとえば私が仕事でお会いするたくさんの大学の先生方にしても
まったく同じことだ。
研究というのはチャレンジであって、
まだ誰もやったことのないこと、誰にも皆目わからないこと、
その未知、場合によっては危険、また大失敗かもしれないもの
へ向かって一歩を踏み出すことに他ならないからだ。
その勇気を持つこと──伝うべきことはそれしかない。
それから小学校のPTAのお母様のおひとりからうかがった
忍耐と寛容という教育方針にも、とても動かされた。
まずは自分が程遠いからなのだが、よくよく振り返ってみればわかるように、
先生というのは、コドモに矢継ぎ早に指示を出したりはしない。
それは会社でジョーシが部下に言うことで、
こどもたちはそんなルーチンを生きてはいないのである。
彼らの、そのひとりひとりの「今」を大切にしてやること。
その時間が特別である必要はまるでない。ラッセルも言ってることだ。
逆にいうと──
この勇気と忍耐と寛容こそ、いま教育の現場で
稀少になっているものなのかもしれない。
これからますます親は親で、子は子で、
がんばらなくてはならないんだなあ~。
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