goo blog サービス終了のお知らせ 

響けブログ

音楽コドモから「音楽コドナ」へちょっと進化。ドラムとバイオリンと小鼓を弾く、ヒビキの音楽遍歴。

蔓餃苑、地平線のようにどこまでもつづくパラダイス。

2009-09-06 | 粉もの屋コレクション


蔓餃苑へ初めて行った方は、そのべつにせまくもないスペースにぎっしりと蓄えられたパラダイス山元さんゆかりのアイテム──ラテンパーカッション、サンタクロース、マン盆栽、入浴剤その他もろもろ──のディスプレイに、次々と見入ってしまうに違いない。ちなみに車も一台いて、その中にいた雪だるまが、なんともどことはなしにパラダイスさんに似ている。

そのぎっしりと集積されたもてなしの装置のなかで、さ、いざ餃子を食べるのでありますが、その餃子を作るのが、パラダイス山元さんなのであります。客の目当ては餃子なのかパラダイス山元さんなのか、やや微妙なところなんだけれども、パラダイス山元さん目当てに来るのが、だんだん食べるほうに専念してしまうという感じだろうか。パラダイスさんも実は餃子作りに忙しいので、ふと奥の台所を見やると、黙々と餃子の餡を詰めていたりする。

しかしどういうわけか、私は家族で来ていたし、家が近所のこともあって、ここはあまり非日常という感じがしない。かえって今はもう滅多にお目にかかれないような「隣近所」とか「ふだんぎ」とか「網戸の立て付け」みたいな感じがして、店へ来るまでひどかったぜんそく系のせきまで収まってしまった。非常になごやかな時が流れているのは、ひとつには天井2箇所に備え付けられたスピーカーの解像度の高い音楽のせいでもあるだろう。それを含めたポスピタリティの微細な電波を、パラダイス山元さんが発している。


しめとなったモツアン餃子は、餡といっても、まさしくあずきの入った甘いお菓子。

いろいろ食べ歩いてみると、案外、家の餃子がいちばんおいしかったりするでしょう──

そんなことをパラダイスさんは言われていた。いやあ私は自分へのダメだしが甘いタイプなんで、そうでもないんだけどなあと思いつつ、ただ家で食べている餃子が世間的にはかなりいけるものだったんだ、と気づくきっかけになっていた。ちゃんと作りさえすればいいものなのに、というのはよくわかる。

蔓餃苑の空間は体験できなくとも、味にトライすることはできる。この本、私も持ってるけど、ほんとにオススメでございます。
餃子のスゝメ
パラダイス 山元
マガジンハウス
このアイテムの詳細を見る

暴飲暴食、蔓餃苑日和。

2009-09-05 | 粉もの屋コレクション


投稿遅くなりました。パラダイス山元さんの蔓餃苑、昨日食べたのは
・ゼナキング入りの餃子
・海鮮餃子
・わさび菜入りの餃子
・モツアン餃子(お菓子)

とほとんどフルコースでございました。

開苑告知が9時近くで、9時半頃からのスタート。そのころまでに、夕食として
・しまあじのさしみ
・北海道さんまのさしみ
・しめさば
・いくら醤油漬け
・野菜品目多めのサラダ
などをどっかり食べたあと出かけたとはあまりに無謀、われながらさすがでございます。(笑)

しかしやはりあまり食い過ぎていると舌がにぶるらしくて、味のこまかいところはあまりにわからなかったです。そういう点よりも、具材の刻みのサイズであるとか、海鮮の場合の海鮮部と、肉と野菜を練り込んだベース部とのバランスとか、餃子のひだのたたみ方とか、そういう具体的なところにおのづと目が、舌が、いってしまうのでありました。なにしろマン盆栽の家元の手作業ですから、こういう細部がほんとうは見どころいっぱいでありまして、デザインから攻めても、料理から攻めても、びしっといきつくところをもっているのであります。とはいえあんまりそういうところばっかり見ていてもなんでございますので、やっぱり味を楽しむのがいいと思います。

あ、そのセンでいうと、私はわさび菜のが、とてもおいしく、気に入りました。私も好きな材料なんだけれども、そのやはり刻み方としゃっきりさせるための種への混ぜ加減でしょうか。ショキショキとした味わいでした。こういう新作というか季節メニューというのは、パスタのソースにも似ていて、イタリアンのシェフが好きな物ならなんでも入れたりしないのと同じで、それでもって「パスタソースになるのか?」という点を問うのと同じように、「それで餃子になるのか?」という試金石であり、あるいは餃子の再定義なわけであり、まあそこにこそ料理がアートとして成立する契機があるといってよいでしょう(餃子を食べただけにしては言い過ぎかも。)

どうも話が終わらないので、続きます!

ギョーザは続くよ、浜松餃子へ。

2009-08-17 | 粉もの屋コレクション
浜松餃子

今年もお盆ということで、浜松へ行った。最近すっかり鰻に次ぐ町おこしのツールとなっている「浜松餃子」の、しかも駅前百貨店のお持ち帰りものを義母が買ってくれた。

味はまったくどうということがないが、今回気づいたのは、どうもこれはブランドにしようということで、規格を統一したらしいことである。

それから焼き方についても説明書があり、これについてはひとこと触れたいこともある、クラシックイタチ(私のことです)なのであります。

何かというと、餃子はうまく焼けないから焼いてくれ、と義母がいうのだが、さすが10年や20年前の発言である。こういうリアクションが多いためにメーカーは腐心して、すでに「誰でもうまく焼ける」冷凍餃子を開発済みであり、それがヒットを生み終わってもいるのであります。

この手の餃子のレシピは、まず水で焼いてくれ、指定の分数焼き終わったら、油をひいて底面に焦げ目をつけてくれ、ということになっている(昔のレシピは、油をひいて焦げ目をつけてから、水を入れて蒸らすというものだった)。どうしてそれでフライパンにくっついたり焦げたりしないのかといえば、これは私の憶測でありますが、油を霧吹きのように吹き付けてあるからだ。だから焼き上がると、うっすらと表面に油がついている。



ね、これは打ち粉の表面とは違うのだ(写真ではちょっとわかりずらいですね)。これは気がつくと案外気になる。しかし焼き方がむずかしいとか言う家庭料理人が多いことには、メーカーとしてはどうしようもないどころかたいへんなイノベーションであろう。うまく焼けないなどと文句を言うから、こっちが主流になったのだ。逆ではない。

陳建一麻婆豆腐店@立川になぜギョーザ?

2009-08-16 | 粉もの屋コレクション
陳建一麻婆豆腐店

このところ餃子づいておりますが、まあ今日はおトーフでも食べに行きますか、ということで訪れたのが立川中華街こと、JR立川駅の駅ビル「グランディオ」内にある、陳建一麻婆豆腐店であります。

と、ところが、ときどきこの立川中華街でやっているフェアで、各レストランがちょっとした記念のメニューや特別価格を提示するわけなんですが、それがなんと、短期マイブームの餃子ではありませんか。

麻婆豆腐
というわけで、まずは定番のマーボーを頼み、

陳さんの水餃子
あまからだれで食べるという水餃子を注文。

まぜてたべる
よーく混ぜてくださいね、というコトバ通りに。(ちなみに写真は私ではありませんよ、夫です)うーんこれが、かなり濃厚なものでございました。餃子って点心だものね、と妙に納得する味わいでした。

なんとなく、餃子を皮から作ってしまいました。

2009-08-11 | 粉もの屋コレクション
うーん、ほんとうは外食で進もうと思ったのに、やっぱり作ってしまいました。ヒビキも帰ってきたもので。

餃子の皮をつくる
作るとなると、今度は皮から作ってしまうというこの熱意。これはやっぱり「粉もの屋コレクション」(当ブログのカテゴリー名です)に他なりません。
いやーい、いびつ! と思っても、いいんですよ、これくらいで。これくらいでまったく十分です。

買ってくる餃子の皮はあんまり伸び縮みしませんが、つくりたての餃子の皮はすごくよく伸びます。ガムか、というぐらいです。だからざっくり「円」のかたちをしている、というだけで大丈夫なのであります。

餃子の餡を包み終わった状態
そこで餃子の餡を包んだときも、皮を買ってきた時はひだを折るのですが、とにかくぴったり二枚の皮を合わせてから、にゅっと皺をつければOK。ぐにゅぐにゅに伸びますので。

餃子焼き上がり
焼くと、だいぶサイズが大きくなるのも特徴。満腹でございます。

新宿・随園別館の水餃子はタレ指定なしの10個組。

2009-08-10 | 粉もの屋コレクション


餃子三昧な夏休みになっておりますが、暑くなってきたかな、というところで、今度は台風接近中、なんだそうですね。季節や天候の移り変わりに驚いているだけで一生終わりそうな、日本の気象風土であります。

さて随園別館は新宿三丁目の交差点のすぐそばにある中華のお店で、特段きれいな店ではないですが、とても過ごしやすく、常連さんも多い店。池袋西武の地下のおそうざいやさんとして春巻きとしゅうまいの出店があるので、そちらをご存知の方もいるかもしれません。立川の中華街(駅ビル内)にもレストランがあります。

でもって水餃子はもちもちで、これもかなりのボリュームで、はてな、餃子ってこんなに「重い」ものだっけな? とまずは訝りました。味はしょうが利いて、野菜の具の切り刻みのサイズもちょうどよく、さすがな感じ。

これだけ餃子ばかり食べていると、もう食べる時に「餃子とはなにか?」とは思わないんですよね。あったりまえだと思うかもしれないけど、案外、そうでもないんですよ。たとえば自分でつくる餃子は、食べる前からかなりの情報量があって、こういう味のはずと思っているし、いつもこういう味ということがかなりわかっている。ところが外で食べる餃子は、もともとどういう味か、見た目という情報量しかないわけです。香りとかね。すると確かに餃子を頼みはしたけれど、それがほんとうに餃子かどうかということは、そうらしい、としか言えない。そこで食べてみて……「ああ、これはほんとうに餃子だ」と思うしかないわけです。

湿度が高いのに、今日はやたらと理屈っぽい、クラシックイタチ(私のことです)でございますが。

ですが、もう少しおつきあいくだしませ。……まあそれがつまり「餃子とはなにか?」でありまして、ああこれがこの店の餃子なのか、ということで、自分が今まで食べてきた餃子との折り合いをつけて、餃子体験がまた一歩、リッチになるというわけでございます。

ところが複数餃子を食べつづけていると、もう餃子とは何かがはっきり輪郭を持っていて、新しい餃子を食べるときに、その概念枠組を参照する準備ができちゃう。でそこからの振れ幅という、「差分」だけでいけちゃうんですね。

ところでこの随園で水餃子を食べている時に、ちょうど地震があったんですよ。最初はとても細かい振動のようなのがあり、そのうちにぐわんぐわんと、結構揺れました。「地震があったとき、私は随園別館にいた」と思いましたよ。(笑)

白焼きとブラウン焼き

2008-08-24 | 粉もの屋コレクション
クラシックイタチはなまいきにも家庭料理よりもシェフの休日、台所よりも厨房、というわけだから家庭用よりも業務用、という志向(志向だけ)なのですが、以前はガスオーブンがあったんだけど、今はすっかり4000円ぐらいのトースターで、ピザもパンも焼くのである。

しかしこの単機能トースターというものは、料理を作る上でけっこう優秀なので、みんなもっと使ったほうがいいと思います。私も一人暮らしをして何年かは電子レンジにオーブンとトースター機能がついたものを使っていたが、これはあまりよろしくありません。トースターはトースターで買ったほうがいいです。(ちなみにホテルの厨房なんかでも端っこのほうに置いてあって、モーニングのトーストを焼いていたりします。一方電子レンジが置いてある場合は業務用で、これは価格にして家庭用の約10倍。)

でもって、まあ焼き上がりが簡単にのぞけるのもいいところ。村上祥子さんの本だときつね色になっているので、少し焼いてみました。全然印象が違います。

白く焼いた場合茶色く焼いた場合


余談ばっかり。なぜか、プチパン。

2008-08-23 | 粉もの屋コレクション
とにかく私が突然プチパン作りを始めたきっかけは以下のボウルであった。(残り2点とか書いてありました)
スケーター パン一次発酵ボウル RPM1



amazonの詳細へ


このボウルが提案するレシピのすごいところは、パン作りにつきものの発酵温度の管理が要らないことで、これはまさに画期的!である。そこが偉いなあと思って買ったわけだけれども、じゃあどうするかというと電子レンジを使うのである。しかしまあ、正直なところ、別段、このボウルでなければならないこともなくて、使ってみれば、電子レンジに入れられるボウルでさえあればいいということがわかる。

ここまでわかってからググれば、村上祥子さんという方の提唱しているメソッドであるようだ。(なんと料理のレシピには著作権が「ない」のである。だから誰がオリジナルで、とかいうことがとんと難しい)リンク先にレシピが載っていますが、手元のボウルに書いてあるのとほとんど同じです。ホームページによれば、村上さんが発明者であり、2001年にこのレシピを発表したのだそうだ。

というわけで発酵温度の管理が要らないような簡便な方法で、いったいどれだけのパンが作れるのよ、というところに挑戦するレシピを実地に試しているわけであります。

料理再現性の鉄則、プチパンの場合。

2008-08-22 | 粉もの屋コレクション

プチパン、これで4回目だろうか。なかなか順調である。いや、違うぞ、実は3回目に大失敗をして、途中頓挫で闇に葬られているので、これは5回目ということになるのだった。

レシピに沿って料理を作ると、たいがい1回目はうまくいく。忠実にレシピをなぞるからだ。そして2、3回目は鬼門である。その大失敗を超えて10回ぐらいまでがまんしていると、あとはかなり出来が安定してくる。(これ、鉄則)

ところがふだんの暮らしでは、短期間に同じものを10回作るということはたぶんあまり多くないんだと思う。しかし集中して作ることによって、そのメニューへの分解能が上がり、原因と結果の因果関係にも気づきやすくなる。で、ざっくり言って「ココさえ押さえておけば、たいがい出来る」という理解が降りてくれば、こっちのものというわけなのだ。(ここから先は、また別の道ですね)

プチパンはこんなふうに焼けます。

2008-08-20 | 粉もの屋コレクション

おはようございます。
前回、プチパンの写真を掲載しましたが、他人事として見ると、くやしいことに、さしておいしそうじゃない。だいたい固いパンに見えます。

実際は、外側にごく薄い皮があって、中は素朴なもっちり感(市販の食パンみたいな感じの「もっちり」ではなくて、乾きすぎず水分も含みすぎずという感じ)です。表面の処理は、最初は卵を塗ってみたのですが、粉をふりかけたほうが、粉ものの味が楽しめるようです。

焼き上がりは、上の写真のような感じ。ピザと同じで実に普通のオーブントースターで焼いています。1回で焼けるのが何とこれだけ!

粉ものの次なるターゲット、プチパンの魅惑。

2008-08-19 | 粉もの屋コレクション


今度はパンを作りまして。
きっかけはやはりピザで、ピザを白焼きにすると、パンまたはクラッカーみたいな風味になります。(含有水分量の違い)

ああ、家で焼いたら、パンもおいしそうだなあ。

というわけで、やっぱりおいしいですねえ。秋ともなれば恋しくなるコーヒーと一緒に。

※作り方は簡単で、一次発酵ボウルという市販品を買って、書いてある通りに作っただけ。まだまだ実験中です。

ピッツァ、みたび。

2008-06-25 | 粉もの屋コレクション
白焼きといえばうなぎ、じゃなくてピザにもあるんですね。ちょうどピタパンみたいな感じで。トッピングがないと生地の中にある水分がどんどん抜けて、トースターから蒸気が吹き上がってきます。

これ、何かのヒント?

というわけで、まず白焼きで水分を飛ばしてから一度トースターから出し、トッピングを載せて、もう一度トースターへ。

これでカリカリの生地が完成しました。


トースターで、ここまで焦げた! というより、焦げすぎですが、まあ実験ってことで。


念願のマルゲリータ。今度こそカピトリーノ・吉川敏明氏のピザと比べてください。
(実際比べてみると──またしても全く違うんですが。)

しかしまあ、これでやっと枕を高くして「ピッツァはトースターでも焼ける」って言えそう。ふー。

というわけで、まだまだピッツァを作る。

2008-06-21 | 粉もの屋コレクション

作りすぎました。


宿題のマルゲリータ。


アスパラでごろごろしてしまった。本当は今はちょうどホワイトアスパラの季節。


「SPAM」にそっくりな沖縄のわしたポークを使用。
塩味が強いので、カマンベールと両方では、やや強すぎ。

しかしどうしてもトースターだとカリッとした焼き上がりに欠ける。
温度をこれ以上あげることはできないが、水分を飛ばせば……。

粉もの屋は粉だらけ。

2008-06-19 | 粉もの屋コレクション
先日ヒビキに「プロまであといっぽぉ~」とからかわれた!? ピッツァに、リベンジ。このようにある時期、ある料理を、かなり集中的に作るというのは、なかなか貴重な体験でもありまして、いろいろイノベーションがあって楽しいのである。というわけで今回のできばえは、こんな感じ。



味がいまいちと思ったら、とりあえず塩味・甘味を投入せよ、と私の料理事典は命ずるので、チーズをカマンベールに、マリナーラソースをケチャップにしてやったのだ。なんたる邪道!

でもですね、これでわかったことは、なにかが足りなかったのではなくて、おそらくバランスだろうということ。特にトッピングに塩味のバランスをうまくもちこめば、だいぶ改善しそうである。

音楽だとあんなに弱いのに、料理だと“一家言”ふうなクラシックイタチ。曰く、

料理は失敗と成功の両方の経験の数。

そうなんですよ。料理本もよいが、因果関係の明かな響けブログの失敗談も、ぜひ参考にしてくださいね。

でもって粉もの屋と言えば、大ブレーク中の公認会計士・経済評論家の勝間和代さんの本、『勝間式「利益の方程式」──商売は粉もの屋に学べ!(東洋経済新報社)1,500円』。例によって夫が読んでいるのだが(私も読みました)、とりあえずピッツァを作るとなると、台所は粉だらけ。そう、粉もの屋の現場は粉だらけ、なのである。たとえば洗いカゴのグラスなんかもかなり粉にまみれますので、ご用心。

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン

絶好調勝間和代さんのこちらが最新刊。一触即発のミリオンヒット、決定的一冊。