新緑と清流が美しい阿寺渓谷から、さらに北上しました。
「ここでランチにするかな」
上松町の越前屋。創業400年、日本で2番目に古い蕎麦屋とか。
■越前屋
店内には、まだストーブ。さっそく注文。
「盛天そば 1つ」
待っている間に、箸袋の裏を見たら文字。「そばは白く やくみは青く 入物は赤いせいろに 黄なる黒文字」。なんと、十返舎一九が立ち寄った際に詠んだものでした。
出てきました。一九が言っているように、白い蕎麦。
美味しくいただきました。
■寝覚の床
越前屋の前の道を渡り、下の木曽川をのぞき込みました。
「絶景だ!」
大きな箱を並べたように、巨石がいくつも横たわっています。寝覚の床です。
中腹まで下りてきました。
下の公園にはまだ、桜が咲いていました。
左に大きな四角い岩、屏風岩です。その右の大きな岩は床岩。
床岩の後ろに、松が生えていて祠(ほこら)があります。この祠、浦島堂といいます。
じつはここ、浦島太郎と関係があるそうです。言い伝えによると、竜宮から帰った浦島は、諸国をめぐる旅に出て、この地で玉手箱を開け、一瞬にして老人に。つまり浦島がここで、“眠り”から覚めて我に返ったということで、「寝覚の床」というのだそうです。
下流の光景です。
白い丸い石がごろごろしていました。
この日行った木曽路、もうすぐ5月だというのに、ストーブを使っていたり、桜が咲いていたり。東海地方より、季節がひと月遅れているようでした。おかげで新緑を2度も楽しむことができました。