平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

痴漢えん罪にみる「やり方」を変えたがらない役所の体質

2007年11月30日 | 社会全般
親愛なるアッティクスへ

以前、平太郎独白録 : 映画、それでもボクはやってないに想うそれを生業にする女性以来、電車内での痴漢えん罪事件について書いおりましたが、先般、知人より、この件で以下のような記事をメールでもらいました。

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2007年11月16日付 毎日新聞中部夕刊
  
痴漢:男性無罪確定 愛知県警、物証収集怠る 警察庁通達に反し
 ◇担当部署に要請もせず


 満員電車で痴漢をしたとして愛知県迷惑防止条例違反の罪に問われた同県職員の男性(43)に対する名古屋簡裁の無罪判決が確定した問題で、男性を逮捕した県警鉄道警察隊警察庁の通達に反し、容疑者に付着する被害者の衣服の繊維片など物証の収集を怠っていたことが16日までに分かった。
 痴漢の無罪判決が全国で相次いだため、通達は客観的証拠に基づく捜査を促した。県警幹部は「通達を徹底したい」と話している。

 電車内での痴漢は、周囲の乗客や被害者が取り押さえて警察官に引き渡すケースが多く、明確な目撃証言や物証がないことが多い。
 このため警察庁は05年11月、全国各警察本部に▽目撃者の早期確保▽容疑者に付着した被害者の衣服の繊維片などの鑑定▽証言や供述を基にした実況見分--などを文書で要請。
 警視庁や大阪府警などは既に繊維鑑定による証拠固めを行っており、愛知県警も実施できる体制にある。しかし、鉄道警察隊は通達後の06年1月、電車内で下腹部を女性の右太ももに押し付け、手の甲で胸を触ったとして男性を現行犯逮捕した後、繊維片などの採取をせず、県警の担当部署に鑑定要請もしていなかった。

 男性は当初容疑を認め同年8月に名古屋簡裁に在宅起訴されたが、公判で否認に転じた。男性の弁護士は「被害者の衣服と類似の繊維が見つかれば有力な物証になるし、逆に見つからなければ冤罪(えんざい)の防止にもつながった。警察官が現認し男性も認めた事件で、男性が犯人でない物証が出たら困るため鑑定を怠ったのではないか」と指摘する。
 異例の16回に及ぶ公判では、男性と女性の股下に14センチの差があって下腹部を押しつけようがなかったことが判明するなど捜査のほころびも明るみに出た。県警幹部は「繊維片の採取は手間のかかることではない。改めて実施を呼びかける必要がある」と話している。

 県警によると、列車や駅構内での痴漢被害の受理件数は▽04年81件▽05年135件▽06年159件
 今年は10月末現在で134件増加傾向にある。【石原聖、岡崎大輔、米川直己】
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この問題は映画の公開と共に、犯罪を誘発する恐れがある・・・ことから、法整備を含めた対策の必要性を指摘していたのですが、今や案の定、社会問題にさえなっているようですね。
でもって、やはり、このような通達が出ていたんですね。
先日の平太郎独白録 : 野村高将氏の身に起きた大難に憤慨ひとかたならず 前編では、警察が何の手だてもとってなかったのにむしろ、驚いていたんですよ。
ちなみに、この通達の内容とは、
①目撃者の早期確保
②容疑者に付着した被害者の衣服の繊維片などの鑑定
③証言や供述を基にした実況見分
・・・となっているようですが、この野村高将氏の場合でも、警察は、②③以前に、①の目撃者という点で、「逮捕協力者」(黒幕?)とされる茶髪の若者に対して、公平という観点から、もっときちんと状況を聞いておけば、こういうことにはならなかったのではないかと思えてなりません。
結局、自動的に、ベルトコンベヤーに乗せられて送られてきた「容疑者」というものに、一律、同じような加工方法を施していたということであり、つまるところ警察に限らず、役所とは、長年やってきた自分たちの「やり方」を変えたがらないものなんでしょうね・・・。

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