家庭科１の主婦、○○をぶっ壊す。

　それは昨日のことでした。
　中学の頃の通信簿
「家庭科　１（５段階）」のわたしは
　寝ぼけ眼で朝食を食べ、そのまま
　シンクの中で器を洗っていたのです。
　すると。
　つるり！
　手が滑って、ガラス器がひとつ、ガチャーン。
　砕け散っていったのでした……。

　家族３人分の器で、３つしかないヤツでした。
　つまり、１つ壊れると揃わなくなるんです。
「あーあ。こりゃダイソーで器をチェックしなければ」
　叱らない義母の温かい声。
　情けなくてみじめで、穴があったら入りたい。
　ダイソーに器が揃っているかどうかもわからないし、
　そもそも、気に入るモノがあるかどうかも……。

「にゃんちゃんは、クラッシャーじゃけーね」
　義母はニコニコ。
　わたしは顔もまともに見られません。
　数年に一度は家の器を壊してるわたしなので、
　なおさらです。
　
　クラッシャーにゃんちゃん、と呼ばれて30年……。
　いつになったら一人前の主婦になれるのやら。
（だって非凡な才能はないもん……
　中途半端な自分が憎い）。