viento y sol

過ぎ去りし日々の物語を、そして尾張の国から吹く”風”を・・

黄砂降る日本海

2005年04月30日 | Weblog
花も散り果て、祭りの後のような静寂な日々
気だるい気持ちの身を、誰かが旅に駆り立てる。

突然の寒冷前線、横殴りの雨の朝、出雲路から伯耆へ辿る旅に出た
中国山地の峠を越えると遙かに日本海、おぼろに霞む海
黄砂降る日本海、静まりかえる波

 未だいくつかの花びらが散り惜しむ木の下
 墓石に香を焚く
 
伯耆大山の麓、三朝の湯に黙して浸る
帰路、吉備路をのぞむ人形峠は名残りの山桜
今日も海に黄砂が降っているのだろうか。



カラカスのおでん

2005年04月20日 | Weblog
南米、ベネズエラの首都カラカス
赤道に近いが、標高1000m近い高地の街
空気が乾燥して快適、 街角にブーゲンビリアが咲き乱れる。

サンパウロからカラカスに向かおうと思っていた時
カラカスの知人が、おでん の材料をとの無理難題
コンニャク、厚揚げ、ごぼてん、チクワ、に はんぺん 
ついでに羊羹、梅干し等々、カラカス空港に降り立つ。

空港のチェックは厳しく、あわや没収 知人とその家族が待っていると云うのに、
粘りに粘って、これがなければ生きて行けない等と云い、やっと持ち込みOK。

その夜、知人宅での おでんパーティーの味は格別。
オリノコ川流域の鉄鉱山に向かう事をしばし忘れる。

アントファガスタの銅の花瓶

2005年04月17日 | latinoame'rica
南米チリ北部の街 アントファガスタ
アタカマ砂漠が太平洋と接する港町 アントファガスタ

チリ北部の男、ノルティーノと呼ばれる男達 決してネクタイをしない男達
一人のノルティーノと共に灼熱の砂漠からアンデスの高地を、
銅鉱山から硝石鉱山を訪ねながら南下する旅から旅

砂まみれになりながら辿り着く街は霧に沈むラセレナ
軍事革命か内戦が迫り来る日々、ノルティーノはつぶやく 
   本当のアミーゴは命をかけて互いの身を守ると、 
   なにがあろうと、お前は生きて日本に帰すと、

ノルティーノを想い出す素朴な花瓶、赤黒い銅の花瓶
磨けば黄金の輝き
アントファガスタの太平洋の波音は今も耳に残り忘れることはない。

散り行く桜に

2005年04月16日 | Weblog
尾張に移り住んで 
 何度目かの行く春に 散りゆく桜に
 うとろ うとろ と眠気を誘う

初めての尾張は伊吹おろしが満開の花をゆらし
花冷えの夜は暗く
都落ちの身などと嘆いたことも、西行の桜の三十一文字を口ずさみつつ

昨日、養老谷に散る花びらを眺めながら
春の終わりを惜しむ。