(写真はアマゾンの蝶)
しばらくの間、サンパウロで惰眠をむさぼっていたが、ある日突然、
パラナ川上流のダム工事現場へ行商に行くことになってしまった。
飛行機は6人乗りのプロペラ機、座席は両サイド3人ずつのベンチシート。
まるで地下鉄の座席に座っているような気分。
シートベルトの金具は壊れていて、柔道帯のように結んで離陸した。
眼下はアマゾンのジャングル、アマゾン川の支流が蛇行して流れ
機はアマゾンの蝶のようにヒラヒラと揺れながら飛んでいる。
途中、田舎のガソリンスタンドのような空港で給油、
再び蝶のように飛び立った。
行商は1~2日で終わったが、帰途のフライトは1週間後
ホテルとは名ばかりのベッドとシャワーだけの木賃宿でボーと過ごす。
アマゾンの蝶のようなプロペラ機でサンパウロに帰り着いた夜は
理由もなくカイピリンヤを飲み酔いしれた。