【ホテル日航プリンセス京都、午前8時50分】
きょうの、お客様は、メキシコからの父娘。
お父さんのカルロスさんと、
娘さんのクラウディアさん。
予定では、
7時間の貸切タクシー観光コースでしたが、
御所の見学に、1時間以上歩いて、
途中その疲れが出て来たみたいで、
6時間で、終了となりました。
タクシーは、我が南ヤサカ交通の先輩、保田氏。
保田さん : 山田ちゃん、久しぶりだな。
どうしてるんだい?
山田 : はい、とりあえず、生きています。
世間の荒波に揉まれて・・・。
保田さん : 元気なのが、なによりだ。
世間の荒波に、
どこを揉んでもらったのだ?
山田 : ああ、そこ、揉まないで・・・。
あほなこと、やらせんといて!
保田さん : バッカ・・・。
ああ、ところで、わしは、きょうは、
午後6時までしか、案内できないぞ。
山田 : じゅうぶんですよ。先輩。
お客様は、午後4時には、終了です。
よろしくお願いします。
保田さん : こちらこそ、お手柔らかに。
ヾ(@°▽°@)ノ
カルロスさんが登場。
コンシェルジュの西村さんと、ご一緒です。
西村さん : This is Mr.Yamada,
Your tour guide today.
こちらが山田はんです。
きょうのガイドさんです。
カルロスさん : Nice to meet you.
はじめまして。
山田 : Nice to meet you, Mr.Carlos Wolstein.
はじめまして、ウォルスタインさん。
クラウ
ディアさん : Klaudia.Pleased to see you.
クラウディアです。よろしく。
ヾ(@°▽°@)ノ
先輩のタクシーが、正面玄関、
やや過ぎたあたりで待っています。
先輩、降りてドアサービス。
正面玄関より、過ぎたところが、
いかにも、先輩らしい。
正面だと、ドアマンがドアの開け閉めを
するが、ここは、ドアマンの手が及ばない場所。
まあ、ホテルにしてみれば、
(真正面に止まりなさいよ。)
ぐらい思ってはったかも知れませんが。
ヾ(@^▽^@)ノ
【宮内庁事務所】
御所の見学は、日本人の場合は、
当日の申し込みでは、だめで、
一ヶ月前に、ハガキで
申し込むことになっています。
(ただし、春の一般公開がもうすぐあります。)
だけど、外国人の場合、
パスポートがあれば、当日申し込みでOKなのです。
ということで、烏丸一条の宮内庁事務所へ、出発。
【烏丸一条で】
保田先輩 : 山田ちゃん、一条門へは、
右折禁止だったはずだよ。
中立売門で、入ろうか?
山田 : 大丈夫ですよ。
私はいつも、一条門を右折横断で
入っていますから。
そばまで、来て見ると、
一条門への右折横断禁止の標識が出ていました。
【教訓】 先輩の意見には、耳を傾けよ。
仕方がないのね。ぐるりと廻り込んでの入場です。
10時からの、拝観許可が取れました。
一安心したところで、只今時刻は、9時10分。
山田 : We have 50 minutes to go until
the inner tour starts.
So how about taking a look
around the Gion area ?
時間が50分ありますので、
祇園をちょっと見て見ましょうか?
お客様 ; Sounds great !
いいねえ。
【祇園・白川】
巽橋で、お写真。
辰巳神社で、お写真。
山田 : this is a part registered
as a scenic zone.
ここらは、風致地区ですねん。
クラウディ
アさん : So ?
それで?
山田 : That means you cannot repair
the house as you like.
好き勝手には、修復でけしまへんのや。
クラウディ
アさん : Oh that's why they
look same each other.
なるほど、それで、
どこも同じようなんだ。
ヾ(@^▽^@)ノ
花見小路を素通りして、御所に戻ります。
時間は、5分前。ドンピシャで戻ります。
【御所、内部ツアー】
御所は専属の通訳ガイドさんが案内します。
しょっちゅう顔を合わせますので、顔なじみに
なりました。
ガイドさんのお嬢さんが、今、メキシコにいるのだとか。
何度も来ていると、先々わかるので、
つい、専属ガイドさんより、先回りしてしまいます。
そして、御常御殿のガイドが終わると、
先に帰ろうとして、
「あ、出口が締められている。」
そうなのです。宮内庁では、警備の都合上、
先に、自分だけ済ませて、帰る、
ということは出来ません。
困ったな。困ったな。
そのとき、さっきのガイドさんが、
「お急ぎでしたら、先にどうぞ。」
お墨付きをもらったので、
通行止めの竹を持ち上げて、通る。
【ランチタイム】
いつものように、
平野神社向かいのファミレス「さと」へ。
一応、和食レストランなので、
「お寿司が食べたい。」
とおっしゃっていたお客様のニーズに合うはず・・・
でも、食事がすんでから、気がついたことだけど、
「くら」 (回転寿司) の方がよかったか?
ヽ(゚◇゚ )ノ
ご注文は、寿司和膳。うどんか、
そばが付くのだが、ゴタの説明が悪く、
ざるそばを正しく理解できていなかったようです。
cold soba (冷たいそば)
では、いかにも、手抜きガイドだったようです。
soba without hot broth
(熱い出汁の入っていないそば)
あるいは、
soba noodle eaten after dipped
in flavored soy sauce
(醤油だれに浸けて食べるそば)
これぐらいは、説明しておかないと、
JTBのウォーキングツアーなら、
「もうあんたいらんわ。」
ゆわれても、仕方がない。
大失敗である。
そばは、ガイドブックに
どう説明されているのだろう?
スパゲッティの類
なんて書かれていては、たまらない。
まるで、違うぜ。
ボンゴレそばなんて聞いたこともないし。
カルロ
スさん : Why don't you call the driver
to come and join us for lunch ?
ドライバーさんも
ここに呼んであげなさいよ。
山田 : Don't worry about him.
He said he ate a lot during
our visiting the palace
while ago.
大丈夫ですよ。あの人、さっき、
我々が御所の見学してたとき、
いっぱい、おなかに詰め込んだって
言ってましたから。
【金閣寺】
レストラン「さと」から、
金閣寺までは、わずか5分。
「 Kinkakuji temple was
originally a villa
that was enjoyed by
the 3rd shogun Yoshimitsu.」
( 金閣寺は、もと、山荘で、
義満がエンジョイしたところで・・・・)
わずか5分ということは、
(あ、説明しようかな。)
と、、思ったときには、もう、駐車場の中
ヾ(@^▽^@)ノ
鏡湖地から、少し離れたところに、
お守りを売っている売店があります。
おすすめのお守りですか?
キティちゃんのお守りはいかがでしょう?
何に効くかって?
ネコだから、ネズミ駆除に効くんじゃないの?
少し進んだところに、
コイン投げをしている人がいます。
石の受け皿と、金属の小さなツボがあります。
よその
お客さん : どっちの壺に入れればいいのですか?
山田 : (あなた、私のサイフに入れたほうが、
ご利益ありますよ。)
そうですね、どっちでもいいんですけど、
金属壺の方が、いい音がしますよ。
チャリ~~ン
そして、その人、コインを投げ入れたら、チャリ~~ン
(うっそ~~exclamation & question)
みんな拍手喝采。投げ入れた人も、
その場にいた人も、みんな大吉請け合いま~~す。
ヾ(@°▽°@)ノ
ここから、坂道です。よいしょ、
こらしょと登りますと、右手にお茶室。
山田 : This is a tea house. Until recently
we enjoyed tea ceremony in this house.
It was around 1980 when
using this tea house was prohibited.
Partly because they intended they enlist
this temple to the world heritage cite.
お茶室です。最近まで我々も中でお茶を飲めたのですが、
1980年頃、禁止されました。
多分、世界遺産登録の準備のためだったのでしょう。
ヾ(@°▽°@)ノ
【龍安寺へ】
金閣寺から、龍安寺までは、5分程度の乗車です。
道中の案内は、立命館大学と、
堂本美術館。あと、そうですね。
「衣掛の道」
が冬に、衣笠山に積もる雪をイメージして
命名されたとか・・・
それが、山田の場合は、
「 あ、しまった。あそこに回転寿司の
【くら】
があるぞ。えらいこっちゃ(゚_゚i)」
「 お客様、左手をご覧下さい。
あれが、
お客様の食べたかったお寿司屋さんです。」
そんなことゆうたら、ガイドはクビやで~。
死んでも言うたらあかんのやで。
龍安寺着くまでの辛抱やで。
と、何とか、龍安寺に到着。
【鏡容池】
金閣寺の池は「鏡湖地」。
こちら、龍安寺の池は、「鏡容池」。
どないちゃうねん。
まあ、どっちも鏡付きですなあ。
きれい、ゆうこってすなあ。
こちら、龍安寺の池は、睡蓮が・・・・
(季節はずれにつき、咲いてまへんで。)
睡蓮がなければ、鴛鴦で、勝負じゃ・・・
(おしどり、おらんで。)
もう、そういうときは、知らん振りして、
さっさと歩こう。
【石庭へ】
あ、ここを右に行けば、池ともおさらばじゃ・・・・・
そしたら、眼前に桜。
これが、せめて、もうちょっと、
咲いていてくれてたらなあ・・・
しだれ桜は、ほぼ散って、葉桜・・
というか、もう、枝だけですわ。
骨桜でっせ~。
お客様 : Look. There sit silent, a Buddha ?
ねえ、ほら。仏さまかしら?
山田 : Yes,he has been waiting for you
to come for many many years.
ああ、そうでっせ。ほとけはん、
お宅らが、来るのを
首長くして待ってはったんや。
ちょっと、言い過ぎて、
空振り三振。バッターアウト。
【庫裡】
入ったところに、漢文の書。
どうせ、よう読まへんのや。パス。
こういう日に限り、
カルロ
スさん : I wonder how these Chinese
characters read ・・・・
この漢字、どない読むんやろ?
山田 : (知らん、知らん・・・聞かんといて!)
Well, their meaning is 困った・・・
Anyway, let's go and see the garden.
まあ、とにかく、庭を見ましょう。
みなさん、これは、一種の職場放棄かも知れません。
ガイドは、漢文も読めるように
しましょう。(ホンマかいな)
【石庭】
ベランダは超満員。
修学旅行の学生さんたちで、いっぱい。
Secure your position.場所取りしなんしょ。
と言ったが、 お客様は遠慮気味。
(えーい、もう、高貴なお方。どないしょ?)
【教訓】
まてしばし 待てば海路の日和あり
私たちは、待ちました。二度目の春が過ぎ・・・
白髪三千丈となった頃、(あほな)
ようやく、3人の座るスペースが出来ました。
山田 : As this temple belongs to a Zen sect
of Buddhism, let's start
with 3- minute-meditation.
ここは禅寺でっさかい、まず瞑想しまひょ。
( ゚ ▽ ゚ ;)
瞑想とは、心の瞑想である。
山田の如き、凡人は心の迷走をする。
「 目をつぶると、うまいもんが浮かぶ。
ワイキキビーチが浮かぶ。
ビキニのボインのお嬢さんが浮かぶ。
そのボインがこっちに飛んでくる・・・
あ~、あぶない、ぶつかる!」
こうして、凡人の3分は過ぎてゆく。
山田 : Okay. Let's open eyes.
See? We are Gods flouting in the air・・・
These are mountain tops
ejecting from clouds.
Oh I can see on the top of the mountain,
there's a man wavering his hand・・・
オッケー。そしたら目をお開け下さい。
我々は神になりました。
空中を飛んでいるのです。
おお、山の頂が、雲間から出て
あ、山頂で、おっちゃんが手を振ってるで・・・
クラウディ
アさん : What ? What did you say ?
何?何だって?
山田 : Sorry, it's a lie.
うそです。すんません。
ヾ(@^▽^@)ノ
【裏庭で】
山田 : While the garden facing south
had no water no moss,
this one is abundant with moss
with water・・・
さっきの庭は、水もなかったし、
苔もなかったけど、
裏庭は、水も苔もありまっせ。
クラウディ
アさん : Why ?
なんで?
山田 : It's because wavering things
like water make often obstacles
against meditation.
Buddhist monks usually practice
meditation facing south.
それはね。水などの揺れるものがあると、
禅修行の妨げになるからですよ。
お坊さんたちは、禅をするときは、
南に向いてするんです。
クラウディ
アさん : I know. You said the same thing
at the Kinkakuji temple.
わかっているわ。あなた、金閣寺でも、
同じ事を言っていたもの。
But don't you think the moss around
here never wave in the wind ?
あなた、でも、この苔ね、
風で揺れるとでも思うの?
【つくばい】
山田 : This is a famous stone basin
this temple features.
これはこの寺自慢のつくばいです。
クラウ
ディアさん : What did they use this basin for ?
何に使ってたのかしら?
山田 : They washed hands before tea ceremony.
お茶の前に手を洗ってたのです。
クラウ
ディアさん : Oh yes, I understand.
This basin was new in old times
as well as water.
ええ、そうね。
昔は、中の水もつくばいも、
きれいだったのでしょうね。
かしこいお客様には、ゴタ、すぐに、
無知の正体をさらけ出します。
庫裡を出て、ほっとしたところへ、
カルロ
スさん : Yamada san, I feel a little tired.
We walked long today at
the Imperial Palace.
We call it a day. So would you send us
to the Kyoto station where maybe
we will buy some souvenirs ?
山田はん、私は歩き疲れたようです。
御所でかなり歩いたもので。
もうこれで、ツアーを終わりにしたいのです。
おみやげが買える京都駅まで、
送って下さいませんか?
山田: Vamos al Kyoto estacion.
(バモス アル キョト エスタシオン)
京都駅に行きましょう。
このスペイン語に、みなさん、おおはしゃぎ。
発音がいいから、もっと勉強すれば、
ものになる、と
お墨付きをいただきました。
( 単純な山田に
そんなこと言うたら調子に乗りよるぞ)
【京都駅へ】
保田先輩 : 京都駅は、正面かね?それとも八条口?
山田 : 正面口にお願いします。
京都駅は、南口と北口とでは、
かなり、様子が違います。
普通、新幹線側といえば、八条口に着けます。
在来線側は、正面口です。
ただし、近年では、伊勢丹側、
という人も、あります。
この場合は、駅の西側の西洞院
(にしのとおいん)通りから、入って、
伊勢丹前に着けます
きょうのお客様の場合、
おみやげを買われるので、
京都タワーが簡単に行ける正面
にお着けしました。
【京都駅到着】
山田 : Thank you.
It's been wonderful
spending with you.
おつきあいいただき、
ありがとうございました。
カルロ
スさん : Thank you. We enjoyed a
ありがとう。よかったよ。
クラウ
ディアさん: See you again next time in Mexico !
今度はメキシコでお会いしましょう。
おふたりと握手で別れました。
It's a nice and wonderful day !
ええ一日やったなあ!
おしまい
山田 錦