ココット嬢(50)
Mademoiselle Cocotte
——————————【50】——————————————
« Il faillit devenir idiot; il fut malade pendant
un mois; et, chaque nuit, il rêvait de sa chienne;
il la sentait qui léchait ses mains; il l' entendait
aboyer.
.——————————(訳)————————————————
「彼は白痴になりかけました:一か月間寝込みました.
そして毎晩彼は自分の犬の夢をみました.(夢の中で)
彼は犬が自分の手を舐めていたのを感じていました.
彼は犬が吠えるのも聞こえました.
.——————————《語句》———————————————
faillit:[発音 ファイ-イ](単純過去3単) < faillir [ファイイール]
(過去分詞はfailli [ファイーイ])
現在活用なし;
不定詞、複合時制、単純過去がほとんど
faillir + 不定詞:危うく~しそうになる
もう少しで~するとこおろだ
idiot(e):(形) ばかな、白痴の
léchait:(半過去3単) < lécher (他) なめる
lécher une glace / アイスクリームをなめる
chien qui lèche la main de son maître /
飼い主の手をなめる犬
aboyer:(自) (犬が)ほえる、唸り声を上げる
——————————≪文法≫ —————————————————
🔶 感覚動詞
voir 「見る、見える」、entendre 「聞く、聞こえる」
sentir 「感じる」などは「感覚動詞」と呼ばれます.
こういう動詞のあとに不定詞がきて、「…が~する
のを見る(聞く、感じる)というような節になるとき、
不定詞とその不定詞の主語(同時に感覚動詞の直接補語
になっている)名詞または代名詞との語順は次のように
なります.
(1)不定詞が自動詞のとき:
(a) <感覚動詞—不定詞—名詞>
Je vois courir un chien. / 犬が走っているのが見える.
J'entends siffler le train. / 汽車が汽笛をならしている
のが聞こえます.
㊟ この場合、<感覚動詞—名詞—不定詞>
Je vois un chien courir. やJ'entends le train siffler .
の語順でも差し支えありません.ただし、不定詞に
副詞などがついていないときには、ふつう主語名詞
をあとに置く方が調子がいいとのことです.
(b) <代名詞—感覚動詞—不定詞>
Je le vois courir. / それが走っているのが見えます.
(2)不定詞が他動詞のとき:
(a) <感覚動詞—名詞—不定詞—不定詞の直接補語名詞>
Je vois mon frère danser une valse.
兄(弟)がワルツを踊っているのが見えます.
J'entends Marie chanter une chanson.
私はマリーが歌を歌っているのが聞こえます.
㊟ 感覚動詞の主語になっている名詞(例文では mon frère,
Marie)は不定詞のあとに à または par をそえておくことも
できます.
J'entends chanter une chanson à (par) Marie.
(b) <代名詞—感覚動詞—不定詞—不定詞の直接補語名詞>
Je le vois danser une valse.
彼がワルツを踊っているのが見えます.
㊟ この場合J'entends chanter une chanson par Marie.
という文で Marie を代名詞にするとla ではなく
lui になります.
Je lui entends chanter une chanson.