祖母が亡くなった後、箪笥の整理をしているといろいろなものが出てきたものでした。その中の一つがこのがま口。既製品だと思っていたので、母の箪笥にある単衣と同じ生地でできているのに気づいたときは、驚きました。初夏に一時帰国したときに初めてお揃いで使い、殆ど目に触れることはないにしても、楽しい気持ちで一日を過ごしたことでした。母によると、細長いクラッチのようなかばんも誂えてあったようです。残念ながら、そちらは母がどなたかにお譲りしたということで、これもまたご縁なのでしょう。どこかで大切に使われているとよいなあ、と思います。