明日「青空世界」をお休みする前に、雲が体験した実話を記すことにしました。
ずいぶん前の、中央アルプス駒ケ岳への旅のお話です。
諏訪湖のレストランで昼食に食べた冷やし中華のチャーシューにあたり、
腸は出血するまで破壊され、発熱し悪寒がして、
うっかりすれば命の危険がある状態になりました。
まぎれもない、食中毒です。
バスツアーなので、脂汗をかきながら、駒ケ岳の手前で待とうと思っていましたが、
「ここまで来て上に行かなければ、あまりにもったいないですよ。
がんばって行きましょうよ。」
との添乗員さんの言葉に、とにかく山のふもとまで行って待つことにしたのでした。
激痛と悪寒とひどい吐き気で、生きた心地もしなかったその時、
小さな鳥居が目にはいり、鳥居のある小さな山に呼び寄せられるように向かいました。
鳥居をくぐると、そこには陽に暖められた腰掛けるのにちょうど良い岩があったので
山に向かって座っていることにしたのでした。
山は雲が湧き上がる場所でした。
ぼんやりした意識で、雲が生まれてくる様を眺めていました。
雲は何も見えない空間から、白く立ち現れてくるのでした。
岩は私の危険な状態の身体を、ぽかぽかと温めてくれるのでした。
気持ちの良い場所でした。 穏やかな気持になってきました。
そして・・・・えっ??・・・・・
激痛がだんだんおさまってきたではないですか!!
ぽかぽか ぽかぽか 岩は私の心も身体も文字どおり癒してくれているのでした。
今も忘れない、その場所の名は「
宝剣岳」。 本物のイヤシロチです。
ちいさなちいさな鳥居と山。
こんなことがあると、昔の人はきっと神様がいらっしゃると素直に感じたのでしょう。
だから、この山にはちいさな鳥居がある・・・・・・
神域の結界がある・・・・・・・
神域の岩の上の私は、1時間半ほどそこに座っていました。
座っていることしかできなかったからです。
たったそれだけの間に、腸の痛みも出血も悪寒も熱も吐き気も
すべてこの山に癒されていたのでした。
やっぱり、山には神様がいらっしゃるのでしょう・・・・・・・
涙の出るほど有難い優しい、山の神様がいらっしゃるのでしょう・・・・・・・