アメ横を守る4人のガーディアンたちの物語。
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<あらすじ>
フリーターのアポロ、区役所勤めのヤクショ、
古着屋のサモハンは中学時代からの同級生。
ひょんなことから知り合った老人との出会いをきっかけに、
行きつけの定食屋「福屋」で知り合った支援施設の天才を加え、
4人は夜のアメ横をパトロールするガーディアンになる。
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実際にこういう風なガーディアンとして活動している方々も
いるということをどこかで耳にしたことがあります。
完全なボランティアで毎晩街の見回りをする――。
強い信念がないとできないのではないか?と思われますが、
このストーリーに出てくる4人は
特に自分たちがすごいことをしているという意識もなく、
毎日淡々と任務をこなしていきます。
任務、といっても、街の人に挨拶をしたり、
街のゴミを拾ったり、
放置自転車を整理したり、
酔っ払いの介抱をしたり
とにかくやることは地味で地道。
きっかけはささいなことでしたが、
いつしかこういったガーディアン活動が
代わり映えのない彼らの昼の顔のバランスを保つ
調整弁へと変化していきます。
月並みだけれど、小さくても誰かの役に立つことをするって
何かしらその人の心に変化をもたらすんですね。
作者の代表作「IWGP」シリーズのマコトみたいに
人脈と知識をフル活用して派手に事件を解決するのではなく、
毎日のパトロールの中、
各々できる範囲で困った人に手を差し伸べる姿には
心がほんのり温かくなりました。
特に、天才の場の和ませっぷりは天下一品です。
邪念がなさすぎて自分が恥ずかしくなるぐらい。
みんな将来に希望を持てないけれど、
少しずつもがきながら何かを見つけていく、
そんな若者たちの姿を軽快に描いています。
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天才がいい子すぎて困る度:★★★★★