あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
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中村哲さまのご冥福を心よりお祈り申し上げます

2019-12-06 21:55:00 | 日記・エッセイ・コラム
こんにちは。

鍼灸治療のバイブルである古典医書にこんな事が述べられています。
「下工(レベルの低い医者)は病気を治す」、「中工(中程度の医者)は未病を
治す」、では上工(レベルの高い医者)は何を治すのか?の問いに
「上工は国を治す」との記述があります。

混乱が続くアフガンで長年にわたり人道支援に携わってきたNGO「ペ
シャワール会」の医師、中村哲さんが、現地で武装集団に銃撃されて亡くなりま
した。
中村医師は医師としてアフガンにわたり懸命に治療を行っていました。
しかし、国土の荒廃を立て直さなければ病を防ぐことが出来ないことに気付き、
井戸を掘り、用水路を造り田畑に作物が実る瑞々しい大地を築き、国民を病から救おうと尽力されました。
「100の診療所より1本の用水路を」と、病気を治す下工ではなく、国を治す上工の視点で活動なさっておられました。
当に古典医学が云うところの「上工」の医者そのものです。
このニュースを耳にした時、即座にこの上工だと思い、涙が溢れました。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

さて、この国土を豊かにすることを身体に当てはめると
皆さんご存じの「丹田」を充実させることになります。
丹田はご自身の身体にある製薬工場です。
大地、つまり丹田が滞りなくはたらくようにするのが鍼灸治療が最も得意とするところです。
自らが作り出す生気・原気という薬ですので絶対に副作用がありません。

漢方鍼治療では、生命力強化をその根本に求めています。
出てくる症状を治すことではなく、根っこをどっしりとさせる。
どんなに強い風や雨に曝されても、土台や根っこがしっかりしていれば
ブレることなく、病になることなく過ごすことができるのですね。

正に、この実践を人生をかけて取り組まれた中村哲先生に敬意を表するとともに、
心よりご冥福をお祈りする次第です。


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