あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
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ツボの話〜足三里その2〜

2019-12-05 20:56:00 | 健康・病気

こんにちは!スタッフの松本です。
木曜日は「ツボの話」です。

今日は、前回に引き続き、足三里(あしさんり)のお話です。
足三里は様々な効果があるツボですが、胃のツボとしても大変有名です。
下合穴といい、六腑が下肢の足三陽経に合する経穴とされています。
主に内府の病症に対応でき、古代刺法である九刺の遠道刺で用いるとされています。
下合穴 - Wikipedia

先日、某テレビ番組を見ていたところ、「足三里に鍼をすると胃が動き出す」という実験をやっていました。
どんな実験かといいますと…
まず、食後何時間も経ち胃に何も入っていない状態の人を患者役とします。エコーで患者役の胃を見てみますと、胃は全く動いていません。
そこで、足三里に鍼をします。
そしてまたエコー画像を見てみると、ご飯を食べた直後かのように胃が活発に動いている!
足に鍼をしたのに、離れた場所の胃が動くなんてびっくり!…そんな内容でした。

エコーで見れば確かに一目瞭然ですが、遥か昔、鍼灸が誕生した頃はそんな器械はありません。でも、今から約二千年前の中国最古の医学書には、足三里が胃を働かせるツボとしてしっかり記載されています。
まさに下合穴でいう胃に対応しているのが足三里!古代中国の人は本当に凄いですね!

ところで東洋医学では、脾胃がとても大切だと考えています。それをよく表しているのが「胃の気」という言葉です。
これは、飲食物(東洋医学では、これを水穀の精微と言います)がちゃんと体内で栄養として吸収され、五臓六腑を養っているかどうか、ということを表した言葉です。
この「胃の気」は、両手首の脈を診ることでわかります。当院では必ず脈を診させて頂きますが、心臓の拍動数だけではなく、この「胃の気」を診て、さらに五臓六腑のどこに病があるのかなども診ています。
「胃の気がある人」は回復力があり、少々の病はすぐ治ってしまいます。
逆に「胃の気が弱い人」は体力が落ちており、治療も長くかかります。
このように「胃の気」からは、その人の病の予後や治癒力がわかる訳です。

さて、年末年始は忘年会や新年会などで呑んだり食べたり…胃に負担をかけてしまいがちです。
飲食の不摂生や過労のことを「飲食労倦(いんしょくろうけん)」と言います。
過ぎたるは及ばざるが如し、適量を心がけて下さいね。
それでも、ちょっと食べ過ぎちゃったなという方は、足三里のツボを思い出して下さい!
気持ちの良い強さで押したり、お灸をするのがオススメです。

それでもスッキリしない方は、どうぞ当院へお越しください。
身体の不調をしっかり治して、清々しく新年を迎えましょう!

木曜日担当、松本でした。

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