セ・リーグは28日、東京電力、東北電力管内でのナイター自粛などによる4月の日程変更を発表した。東京ドームで行われる予定だった15~17日の巨人―広島は、マツダスタジアムで広島主催試合として行う。また、22~24日の巨人―中日は代替球場のめどがつかなかったため、中止としてシーズン後半に組み入れることになった。
12~14日、19~21日、29~5月1日の横浜スタジアムでの試合は全て午後1時開始。28日ナゴヤドームの中日―横浜は横浜の移動を考慮し、午後6時から同5時に変更された。
神宮球場を本拠地とするヤクルトの主催試合は未定。同球団では29日、同球場をともに使用している東京六大学、東都大学両連盟に球場のデーゲーム使用で協力を求めることにしている。
同リーグでは、ヤクルトの主催試合を含めた全日程を4月上旬に発表する予定。
社会人野球を統括する日本野球連盟は25日、東京都内で臨時理事会を開き、東日本大震災の影響を考慮し、都市対抗大会の延期とそれに伴う日本選手権の中止を決めた。
都市対抗は8月26日から12日間、東京ドームで行う予定だったが、夏季の電力不足を考えて日程を先送りし、会場も東北、関東以外の球場とする方針。都市対抗の実施がずれ込むため、10月末から11月にかけて予定していた日本選手権を取りやめ、都市対抗の優勝チームを日本選手権優勝とみなすことにした。
同連盟によると、都市対抗の東京以外での開催と日本選手権の中止は初めて。市野紀生会長は「甚大な被災状況、国民挙げての救援活動が展開されている現状、原発事故の対応が厳しい局面の中で、事業を予定通り行うのは困難という意見で一致した」としている。
静岡大会など10大会の中止、9月の全日本クラブ選手権(西武ドーム)で夜間試合を行わないことも決まった。
プロ野球の臨時オーナー会議が26日、東京都内で開かれ、東日本大震災の影響を考慮してセ、パ両リーグの公式戦開幕日を4月12日に延期することを承認し、日本シリーズは2週間遅らせて11月12日に始めることを決めた。セ・リーグが3月開幕を主張して批判を受けた開幕日問題は両リーグで足並みがそろい、12球団が開幕に備える。
両リーグとも公式戦全144試合を消化するため、クライマックスシリーズの開始も2週間遅らせて10月29日ごろとなる。被災地の復興支援策として4月2、3日に12球団が慈善試合を行う。
4月中は東北電力、東京電力両管内でのナイター開催を自粛し、シーズンを通して3時間半を超えて新しい延長回に入らない、との節電策も承認した。12球団は日程消化の全面協力で一致。両管内の6球団は停電対策、観客の安全対策を作る。
セは当初、25日に予定通り開幕することを決めたが、文部科学省からナイター自粛を要請され、29日に延期。しかし高木義明文科相らから再度、東北電力と東京電力管内での4月中のナイター自粛などを強く求められた。日本プロ野球選手会の要望もあり、24日の緊急理事会でセ、パ同時開幕を決定した。
プロ野球セ・リーグは24日、東京都内で緊急理事会を開き、東日本大震災の影響で29日に延期していた公式戦開幕の再延期を決め、4月12日にパ・リーグと同時開幕することになった。節電策でもパと足並みをそろえ、東京電力管内での4月中のナイターを自粛し、3時間半を超えて新しい延長回に入らないことも決めた。東京ドームではデーゲームでも4月中は開催しない。
26日に12球団によるオーナー会議を開き、正式決定する。
開幕日が再延期されたことで新たに36試合が延期となった。10月29日に開幕する予定の日本シリーズの日程を遅らせることをセ、パで確認し、公式戦全144試合とクライマックスシリーズ、日本シリーズを開催する方針。
開幕戦は、巨人-ヤクルトが山口県宇部市のユーピーアールスタジアム、横浜-中日が横浜スタジアム、阪神-広島が甲子園球場で行われる。横浜の試合はナイターからデーゲームに変更される。
セはオーナー会議後、速やかに日程の作成に着手する。パの日程は4月4日までに決める予定。
当初は予定通り25日開幕の方針だったセは、文部科学省から東京電力と東北電力管内のナイター自粛要請を受けて19日に、29日への延期と4月5日から節電策を講じた上でナイターを行うことを決めた。しかし、高木義明文科相から22日に再度、両管内での4月中のナイター自粛や、日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)が求めるセ、パ同時開幕を検討するように要請されていた。
ヤクルトの鈴木正球団社長は23日、文部科学省などから22日に改めてナイター自粛を要請されたことを受け、4月中は本拠地・神宮球場でのナイター開催を行わない考えを示した。
「(関係省庁から)指導を受けたことを覆すことはできない。それを前提に作業をしている」と話した。
神宮球場では4月から六大学と東都大学のリーグ戦が始まるため、日中開催に制約がある。鈴木社長はすでに両大学連盟と試合開始時間の変更などについて折衝を始めたことを明かした上で、「(神宮で開催できない場合の)地方球場のあたりもつけている」と話した。ロッテの本拠地・QVCマリンフィールドなどパ・リーグの球場も選択肢に入れるという。
セは29日開幕と4月5日以降について節電しながらのナイター実施を決めたが、文科省の再要請により24日に2度目の緊急理事会を開く事態となっている。ヤクルトは以前から開幕延期を希望しており、鈴木社長は「(セ・パ同時開幕を)英断する最後のチャンス」と主張した。
東日本大震災で被害を受けた仙台市にある、プロ野球楽天の本拠地、日本製紙クリネックススタジアム宮城の復旧工事が22日、始まった。完了までは約5週間かかる見込みで、4月29日の試合開催を目指す。
損傷部分は47カ所あり、照明灯の補修などから着手した。照明灯のほかに貯水タンク1個が全壊し、球場の外壁にある38本の柱に40カ所のひび割れが確認された。グラウンドの一部には約1センチのくぼみができ、人工芝の約20センチ下にあるコンクリートにまで損傷が及んでいないかチェックする。
楽天は島田亨球団オーナーが4月29日から本拠地で試合を開催したいとの目標を掲げている。間に合わせるには、修理を進めるのと同時に人員や機器の確保も必要になる。池田敦司球団副社長は「直し始めて新たな損傷が見つかるケースもゼロではない。順調にいけば29日に間に合う」との見通しを口にした。
プロ野球セ・リーグは22日、文部科学省からナイター自粛などの要請を受け、開幕の再延期も含めた日程の変更について協議することを決めた。24日に両リーグが緊急の理事会を開き、26日には12球団によるオーナー会議が開催される。
高木義明文科相は22日、同省を訪問したプロ野球の加藤良三コミッショナーとセ、パ両リーグの理事長、日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)と会談。東京電力と東北電力管内での4月中のナイター開催を自粛するよう要請した。関係者によると、文科省は3月29日に決まったセの開幕を延期し、4月12日のパ・リーグと同時開幕することについても、選手会の要望に配慮して協議を進めるよう求めた。
会談で高木文科相はセが両管内での4月5日以降の開催を決めたナイターについて「国民の理解は得られないと思っている」と語った。
報道陣に加藤コミッショナーは「野球を超える問題になっている。どうすればいいか総合的に考える責務がある」と述べ、新井会長は「各大臣、副大臣の方が全員、選手会の意見がファンの声と言っていた。必ず(セの開幕日が)変わると思っている」と期待した。