欧州最大級のキックボクシング大会「IT’S SHOWTIME」の現地時間5月14日フランス・リヨン大会の対戦カードが発表された。
注目はメーンに登場するバダ・ハリ。昨年は5月のヘスディ・カラケス戦で反則失格(転倒した相手に蹴りを放つ)、オランダで起きた暴行事件に関与したとして警察から取り調べを受けるなどのトラブルがあり、5月以降は試合から遠ざかっていた。約1年ぶりとなる復帰戦で、“ゴールデンボーイ”は再び強烈な輝きを放ってみせるか。
なお、対戦相手は地元フランスのトニー・グレゴリー。2002年、03年にはK-1フランス大会地区予選を連覇し、アレクセイ・イグナショフ、エロール・ジマーマン、ダニエル・ギタらK-1トップファイターからも勝利を挙げているベテランファイターだ。
また、メーン以外でも、第1試合からK-1MAX09&10の連覇王者ジョルジオ・ペトロシアンがいきなり登場。タイロン・スポーン、ダニエル・ギタら日本でもおなじみのトップ選手が勢ぞろいする豪華な対戦カードとなっている。
■IT’S SHOWTIME リヨン大会
現地時間5月14日(土)フランス・リヨン
<メーンイベント ヘビー級 3分3R>
バダ・ハリ(モロッコ)
トニー・グレゴリー(フランス)
<第5試合 ヘビー級 3分3R>
タイロン・スポーン(スリナム共和国)
イゴール・ミハイロビッチ(クロアチア)
<第4試合 IT’S SHOWTIME 73キロ級王座決定戦 3分5R>
マラット・グリゴリアン(アルメニア)
ヨハン・リドン(フランス)
<第3試合 ヘビー級 3分3R>
ダニエル・ギタ(ルーマニア)
アンデウソン・ブラドック・シウバ(ブラジル)
<第2試合 IT’S SHOWTIME 70キロ級タイトルマッチ 3分5R>
[王者]クリス・ナギンビ(コンゴ共和国)
[挑戦者]ウィリー・ボレル(フランス)
<第1試合 70キロ級 3分3R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
シャヒッド(モロッコ)
現地時間4月9日に米国カリフォルニア州サンディエゴのヴァレービューカジノ・センターで開催される総合格闘技「Strikeforce:Diaz vs. Daley」に、日本からDREAMフェザー級王者・高谷裕之の参戦が正式決定したと25日、株式会社FEGが発表した。
同じく4.9ストライクフォースに参戦するDREAMライト級王者・青木真也、同団体の世界ライト級王座に挑戦する川尻達也に続き、日本を代表する軽量級トップファイターが出場。高谷はFEG広報を通じて「この様な大変な状況の中、自分たちの試合で1ミリでもテンションが上がってくれる人がいれば嬉しいです。そしてこんな大変な状況でも格闘技をやらせて貰えることに本当に感謝しています。必ず勝って少しでも日本に元気をもって帰ってきます」と気合のコメントを残している。
対戦相手であるロバート・ペラルタは、07年3月にプロデビューした米国出身の22歳。主にメキシコやプエルトリコなどの大会でキャリアを積み、「Gladiator Challenge」という団体で、バンタム&フェザー級の2階級王者に君臨。これまでに挙げた13勝のうち実に11勝をKO・TKOで奪っているハードパンチャーだ。“番長”高谷との一戦は、ハイレベルな打撃戦になることが予想される。
総合格闘家のエメリヤーエンコ・ヒョードルと、同選手をマネジメントするM-1GLOBALのバディム・フィンケルシュタイン会長から16日、東北地方太平洋沖地震の被災者、またすべての日本国民に向けてメッセージが届けられた。
■ヒョードル「世界中が、日本の人々を支援するべき」
「今回、日本で起きた大惨事では、たくさんの命が失われ、そしてまた多くの人々が大変な思いをしていると知り、私は被災者の皆さんと同じように心を痛めています。
日本には、いつも連絡を取り合う友人がいて、彼らもとても心配です。
こういう苦しい時だからこそ、どうか皆さんには勇気を持って、お互いをいたわり助け合ってくださるよう、願っています。
世界中が、日本の人々を支援するべきだと思います。
今、私たちにできる事は、絶望することではなく、神を強く信じることでしょう」
■バディム会長「必ずや復興できることを、私たちは強く願っています」
「M-1 Global本部は、このたび、日本における未曽有の災害に触れ、深い痛みと悲しみを感じ、地震と津波によって、愛する人たちや慣れ親しんだ家を失った日本のみなさんすべてに、心から哀悼の意を申し上げます。
国同士という立場を超えて、末永いパートナーそして友人としての日本のみなさんに、私たちの気持ちを伝えたいと思いました。
この困難な時期にあっても、日本の友人たちが強さと勇気を持ち、必ずや復興できることを、私たちは強く願っています」
総合格闘技「SRC」を運営する株式会社ワールドビクトリーロードは11日、SRC公式ホームページにて、同社の親会社でスポンサー企業でもあるドン・キホーテがSRC事業から正式に撤退する旨の表明がなされたと発表した。
公式ページに記載されたリリースによると、ドン・キホーテは「格闘技界そのものからの全面撤退ではなく、修斗やパンクラス、或いはアマチュアレスリングなど現状応援している団体のスポンサード活動は継続する方針で、その他の団体等も、『今後請われれば、(支援を)検討するにやぶさかではない』としています。ただし弊社(ワールドビクトリーロード)が主催する、SRC戦極のようなビッグイベント事業からは手を引くとの企業決定は頑として変わらないようです」とのこと。
ワールドビクトリーロードならびにSRC戦極は、「自力で独自興業ができるわけもなく、もはや現状はいかんともし難いお手上げ的事態と言わざるを得ません」と内情を吐露するとともに、ドン・キホーテに代わるスポンサー企業の出現の可能性を見出したいとしているが、それがかなわない場合は解散も覚悟しなければならない、と伝えている。
総合格闘技「DREAM」のライト級王者・青木真也が、米国時間4月9日にカリフォルニア州サンディエゴのヴァレービューカジノ・センターで開催される「Strikeforce:Diaz vs. Daley」に参戦することが正式発表された。
青木の対戦相手は、ライル・ビアーボム。日本での知名度は高くはないが、2007年6月のデビュー以降、破竹の15連勝をマークし、日本でもなじみの深い強豪選手のドゥエイン・ラドウィック、ビトー“シャオリン”ヒベイロからも勝利。今年2月にパット・ヒーリーに敗れプロ初黒星がついたものの、青木にとって知名度以上の難敵となりそうだ。
また、今大会では川尻達也がストライクフォース第4代ライト級王者ギルバート・メレンデスに挑戦することがすでに発表されており、日本を代表するライト級トップファイター二人が同時に出場することとなった。
男女6階級・65人が参加した中、最大の注目を集めたのは77kg未満級に出場した五味隆典。PRIDEのレジェンドにして現役UFCファイターの参戦とあり、対戦相手の当たりも軒並み厳しい戦いとなったが、五味は初戦で額をカットするアクシデント(※偶然のバッティングによるもの)に見舞われながらも4試合を勝ち抜き優勝。
その内容も2回戦でZSTの元“スーパー高校生”山田哲也、準決勝では09年の修斗ウェルター級新人王・松本光史を下してという申し分のないもの(山田戦はポイント7-0、松本戦はポイント6-0での勝利)。決勝でも各種大会で活躍する中倉三四郎(パラエストラ川越)を相手に本戦・延長合わせて15分のロングバトルとなったが、愚直なまでにタックルで向かうとこれでテークダウンを奪い、獲得した2ポイントを守り切り優勝を決めた(本戦0-0の後、延長戦でポイント2-0により五味の勝利)。
大会後はさすがに「いや、疲れましたよ」と感想を漏らした五味だが、苦闘を制しての優勝だけに表情は満足気。「車のローンが残ってるからまだ頑張らないと」と笑わせつつも、黒星で始まった今年の戦いの巻き返しを誓っていた。


今大会では55キロ、60キロ、63キロ級の初代王者決定戦のほかにも、スーパーファイトが2試合マッチメークされ、09年K-1MAX世界トーナメントベスト4・山本優弥の対戦相手が、総合格闘家の郷野聡寛に決定。会見には優弥、郷野ともに出席し、お互い静かな口調ながらも激しく火花を散らし合った。
まず“先制打”を見舞ったのは、外敵である郷野だ。「去年8月の試合から70キロ級に階級を下げたんですが、散々な出来でした(ジャダンバ・ナラントンガラグに判定負け)」と振り返ると、今回のキック戦はあくまで調整試合であると強調。
「70キロにうまくアジャストさせるため、総合よりもだいぶ楽だと感じるキック、K-1ルールでの調整試合を探していたときに、ちょうどこの話をいただいた。この試合は、次の総合の試合に向けて、しっかりといいコンディションを作るための調整試合だと思っています」
記者から優弥の印象を問われても、自分がコンディションを作れるかどうか、70キロにきっちりアジャストできれば全く問題ない試合、と一蹴。K-1MAX世界ベスト4などまるで格下。まるでそう断言せんばかりの自信を漂わせた。
それもそのはず、生粋の総合格闘家としてPRIDEなどを舞台に世界の強豪と渡り合ってきた郷野だが、05年にはKrushの前身である全日本キックボクシング連盟でヘビー級王座を戴冠。立ち技のみの勝負でも、郷野には不安要素などない。
口の達者な郷野に一方的にやり込まれそうになった優弥だったが、こちらも弁の立つ格闘家。誰が相手でも、舞台がどこでもやることは同じと冷静に語ると、「郷野選手は相手の光を消す戦い方をするタイプですが、僕を相手に果たしてそれができるのか。調整試合と言っていますが、僕と試合をすることで必ずケガをすると思いますし、また長期欠場になると覚悟してほしい」と、“病院送り”を突きつきた。
メーンテーマである3階級初代王座決定トーナメント以上のインパクトとなった、K-1vs.MMAのスーパーファイト。優弥がホームの底力を発揮するのか、それともアウェーの郷野が立ち技のリングをも支配してしまうのか。


日本から山本“KID”徳郁がUFCに初参戦、07-08年にライト級で2試合を経験している小見川道大は約3年振りにフェザー級でオクタゴンにカムバックを果たすなど、日本国内からの注目度も一際高い今大会だが、KIDはデミトリウス・ジョンソンに、小見川はチャド・メンデスにそれぞれ判定で敗れるという厳しい結果が待ち受けていた。
また、大会メーンは、昨年8月のチェール・ソネン戦で、奇跡的な大逆転勝利を収めている“絶対王者”アンデウソン・シウバが、UFC復帰2戦目のヴィトー・ベウフォートを相手に、ミドル級王座防衛戦を行った。試合は序盤にハイキックをかわされ、テークダウンを奪われる場面もあったアンデウソンだったが、すぐに立ち上がると、スタンドで前蹴り。この一撃がヴィトーの顎を捉えると、ヒザから崩れ落ちる挑戦者に対して2発のパウンドを落としたところでレフェリーが試合をストップした。
さらに、ライトヘビー級の新鋭対決となったジョン・ジョーンズ×ライアン・ベイダーの一戦は、初回からノースサウスチョークで追い込んだジョーンズが、 2Rにギロチンを極め快勝した。その試合後に、ヒザを負傷したラシャド・エヴァンスに代わって、マウリシオ・ショーグンへの挑戦権が与えられたことが告げられると、3月19日にニューアークで開催されるUFC128の大会タイトルも「Shogun vs Jones」へ変更となった。
その他にも、元世界王者フォレスト・グリフィンと元ミドル級王者リッチ・フランクリンの一戦は、体格に勝るグリフィンが判定勝ち。元WECバンタム級王者ミゲール・トーレスは、両者手数が少なく、場内にはブーイングが起こるも、アントニオ・バヌエロスを判定で退け、元WECライト級トップコンテンダー=ドナルド・セラーニは、ポール・ケリーからリアネイキドチョークで一本勝ち。ウェルター級でその存在感を増しているジェイク・エレンバーガーは、カルロス・エデュアルド・ホシャとの接戦をものにした。


ダブルメーンイベントが設けられた今大会には、谷山ジムが誇る2大エース、08年K-1 MAX日本王者の城戸康裕とWMAF世界フェザー級王者の駿太がそろい踏み。城戸は前WMAF世界ウェルター級王者にして関西の強豪・北山高与志を、駿太は大韓ムエタイ連盟フェザー級王者のキム・ジンヒョックをそれぞれ迎え撃った。
格上の城戸に対し、番狂わせを狙う北山は開始からパンチを振るい積極的に前へ出る。しかし城戸はロープ・コーナーに追い込まれこそするが、そこで足を止めることなく回り込み、決定打は許さない。そしてカウンターのヒザ、重い音を立てて打ち込むローキックで応戦する。
北山は2R、前蹴りを突き刺しこれでダメージを与えて前に出るが、城戸はここで生まれた一瞬の隙を逃さず左ハイキック。北山の側頭部を刈り取るようにダウンを奪う。
フィニッシュへ向かった城戸はヒザ蹴りで2度目のダウンを追加するが、この試合はK-1ルールで行われており、このヒザをつかみながら放ったことで減点1に。
だが、挽回に向かった北山に城戸は追加のローで足を効かせ、最後も強烈な左ミドルを連打してシャットアウト。さすがと思わせるダウン奪取と攻め込ませない巧みさを見せ、判定勝ちで「Bigbang」3連勝とした。

