「バリなんてたいしたことないよ~ジャカルタの方が良いよ~。」
とメイドに話すのには、こんな訳がある。
小学3年生の時、学級新聞に友達の日記が載っていた。
遠足の感想がテーマ。
「行けなかったお友達が悲しくならないような話し方で、遠足のことを伝えたい」
9歳児にしてこの気配り!
「どうしたらこんな素晴らしいお子さんに育つのか」
と父兄間で話題になったし、うちの母もいまだにこの話をよく持ち出す。
私の頭の中にも絶えずこの1文があって、人に何か話してる時
「ホラホラ、あのこと思い出して!」と私に注意してくれるように感じてた。
レバランなどの旅行の話を友達とするのは楽しい。
自分も行ったような気分を味わえるし。
だけどメイドにバリの話って、しちゃいけないように思ってた。
バリはインドネシア
メイドはインドネシア人
そして私は、外国人。
飛行機にすら一度も乗ったことのないメイドに向かって、
KITAS RATEで何度も遊びに行ってるバリの話をするのは
申し訳なさ過ぎて躊躇ってしまう。
そういう訳で、この数年間「バリどうだった?」と聞かれても
「まあまあだねー」と答え、お茶を濁して来たのだった。
なのに、今日
「ウブドって所はsawahがあってキレイなんでしょ」
とメイドに聞かれ、思わず
「sawah!そーなの。段々畑がものすごくキレイで日本を思い出すし
バリはホントにいい所なんだよ~」
と口走ってしまった。。
sawah=田んぼ
この単語に日本への「郷愁」の念が一気に高まって、我を忘れてしまったのでしょうか。
「ふーん」と普通のリアクションしてるメイドに
「ごめんごめんごめん!!!」と心の中で謝った。
でも、「外国から来てる私が、メイドの行けないバリに何度も行って申し訳ない」と思うこと自体が傲慢なんじゃないか、という考えもある。
「旅行の洗濯物をメイドにしてもらってるくせに、エラソーなこと考えてるよねー」
そんな風にツッコむ声が頭の中で聞こえる。
たしかに。その通り。
後ろめたいって感じること自体、ものすごく「上から目線」なんだなー。
別に自分が偉くなった訳じゃないのに、ジャカルタでメイドや運転手を雇ったり、
外国人というだけでお店やホテルで大事に扱われる暮らしは、何年たっても違和感が消えない。
そういうのが当たり前っていう風になりたくない!と抵抗してるけど、
きっとエラソーな所もあるんだろうな。
なんか・・
やだなー。カッコ悪ーい。