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ミツバチを守れ!ネオニコ系農薬使用を自粛した長崎の取り組み

2013年09月14日 | 消えたミツバチ



足に花粉団子をつけて、がんばるミツバチさん


12日のNHKクローズアップ現代。
謎のミツバチ大量死 EU農薬規制の波紋」と題して、ミツバチ失踪のその後を追っていました。



●EUの予防原則

今年5月、EUがミツバチがいなくなる原因であると考えられるネオニコ系農薬の規制を決定しました。
しかし、日本では、まだ科学的な実証が確立されていないなどの理由から、規制はされていません。
また、安価で効果的なネオニコ系農薬の使用を規制することで、コストがかかり大規模農業の経営が難しくなる、農園の雇用が維持できなくなる、などのリスクもあります。
2年間の期限付きとはいえ、これらのリスクを承知でEUは、なぜあえて規制に踏み切ったか。
それは、EUの基本理念でもある「予防原則」が根底にありました。




予防原則とは
環境に対して甚大な影響を及ぼすおそれがある場合、因果関係が十分証明されない状況でも、予防的な措置を取るというものです。
これまで、オゾン層の破壊や地球温暖化という問題に対しても、予防原則にのっとった規制がなされてきました。
今回も、農薬とミツバチの因果関係のデータが、すべてそろうのを待つことなく、農薬の規制を決断したのです。


いいなあ、予防原則って。

すべての農産物の7割は、ミツバチの受粉に頼っている現状である。
疑わしきは罰せずで、すべての科学的実証を待っている間に、万が一ミツバチがいなくなってしまったら、農業自体が立ちゆかなくなり、食糧問題も危機的状況に追い込まれてしまうだろう。
だから、予防原則なんですね。

原発も、最初にこの発電方法を考えた時点で「事故が起こったら、未来にわたって取り返しがつかない」という予防原則の発想があれば、最初から作らなかったのにね。



●北海道のミツバチ大量死

はじめて、ミツバチが大量に消えてしまう出来事が2007年、アメリカやヨーロッパの各地で起こりました。日本では当初欧米のようなことはなかったのですが、2009年になると日本でも同様の事件が次々と起こり始めました。

番組冒頭で、先月(8月)北海道で撮影されたミツバチの大量死の映像が映っていたのだけれど。たくさんのミツバチの死体を見ながら、養蜂家の方は悲しそうでした。
今、温暖化で、コメの生産地が北上しています。特に北海道産のお米が以前に比べてずいぶん出まわるようになりました。
稲作ではたいていネオニコ系の農薬が使われているということなので、やはりミツバチ大量死と関係があるのかなあと思いました。

実は、最近、気になったニュースが、これ。

ミツバチ5000匹襲来!札幌地区予選が順延(スポーツ報知) - goo ニュース

高校野球の札幌地区予選、試合の最中に5000匹のミツバチが来襲した。
今はちょうど、ハチが「巣分かれ」する時期だというのだけれど、私には、なんだかハチたちが、農薬のないところへ逃げてきたような気がしたんですね。
でも、結局、野球場にいた5000匹のミツバチたちは、すべて殺虫剤で駆除されてしまいました。ミツバチの死を嘆く、養蜂業者たちには、皮肉なニュースだったことでしょう・・



●ミツバチを守るために始まった長崎の取り組み

しかし、最後のほうで紹介された、長崎県の取り組みは、これからの方向性を示すものとして、とても示唆に富んでいました。




つまり今まで、ばらばらでつながりのなかった、稲作農家と、養蜂家、果樹・野菜農家、農協が、一同に介して情報を共有する「ミツバチ連絡協議会」を立ち上げ、ミツバチを守るために何度も話し合いをもったのです。ミツバチは農業にとって無くてはならないパートナーだから。
その結果、農協が稲作農家に、ネオニコ系農薬使用の自粛を要請することになりました。

養蜂家は、協力してくれた稲作農家へお礼にレンゲの種をプレゼントしました。
レンゲは、田んぼの良質な肥料になり、根っこの菌(根粒バクテリア)が、病害虫を寄せにくくするということです。そして、花は、ミツバチによってレンゲ蜂蜜になる。

取材を受けた稲作農家は、レンゲの種をまき、これによって、これまで虫の被害はほとんど出ていないといいます。
・・・なんという、三方良し、いや四方良し、さらには、五方良し。(農家、養蜂家、消費者、ミツバチ、そして地域の環境全体に優しい、ウィンウィンの関係)

番組ラストで、科学ジャーナリストの小出五郎氏が
「決めていく主役は地域社会であって、政府や企業じゃないんだ」
と言われていたのが、とても印象に残りました。

これぞ、「里山資本主義」ですね。


詳しくは、こちらで番組全部のテキストあります。
 謎のミツバチ大量死 EU農薬規制の波紋



●余談

ただし、これは余談ですが、キネシオロジーテストでは、失踪には他の要因もあり、それらの複合的な理由によるものという答えでした。ですから、ネオニコ系農薬だけを排除しても、結果につながるかどうかは、わからないかもしれません。(この点は、信じる信じないは、ご自由といつものように書きますが)
でも、リスクは一つでも減らしたほうがいいし、農家と養蜂家が一つになってタッグを組み、結果的に農薬全体を減らす事ができる長崎の取り組みはとてもいいことだと思います。


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