今年に入ってから、多少の遠征はあったものの、去年のあのツアーの感じと比べるとちょっと寂しいような感覚に囚われておりまして、そんな中で先日の沖縄ツアーはひさびさにがっつりとツアーを廻ったなという感覚があって、今なお心地よい疲れの余韻に浸っております。
山田ばさらさんと一緒に沖縄本島と宮古島で計6本。前回のツアーはちょうど新型コロナウィルスが日本でも発見され、世の中が急激に混乱していた頃でして、そんな中でも自分なりにとても有意義で、たくさんのご縁をいただいたツアーでした。あれから3年、ちゃんとご縁を繋げていかないとという想いと、コロナも5類に移行して、またここからちゃんと沖縄でもライブ活動を続けていきたいという想いで、サードアルバム「I'm a Songwriter」のリリースツアーの沖縄編という想いも込めて廻ってまいりました。
沖縄ツアーは行くたびに過去のトラウマがどうだったこうだったというような話をしてきましたが、前回で雪辱を晴らして、今回はいつも通りの気持ちでツアーを廻って来ることができて、ようやくそうしたストーリーからも解放されるのかなという気がしています。
その土地その土地で、そこだけの景色を見たり、繁華街などを歩いたりしながら、夜ごとお店で渾身のライブをして、いろんな人と繋がりながら、そんな夜を繰り返してゆく。そんなツアーミュージシャンの日常を、沖縄でも同じように重ねられたことが本当に嬉しいです。
ばさらさんともいろんな話をしました。ばさらさんと初めて出会ったのは10年以上前でして、その後はツアーミュージシャンの常、旅先のいろんなところでひょっこりと再会してみたりというのを繰り返し、その度に近況などを話し合ったりするという、でも言ってみればそれくらいの関係性であったのですが、ある時からばさらさんがfacebookで自身のことや音楽活動のこと、生活のこと、思想のことなどを赤裸々に熱心に投稿するようになり、その文章に僕は共感することが多く、ばさらさんのファンになっていたところがあります。やっている音楽も見てくれも全然違うけれども、きっと芯のところは似てるんじゃないかなあと、勝手にそんなことを思っておりました。
ツアーを通じて、昔の話や未来の話、自分の本心や後悔など、ずいぶん深い話をたくさんしました。一人の人間と、ここまでこっぱずかしいような話をたくさんしたのはずいぶん久しぶりなような気がします。この年になってこんな話ができる友人ができるのも嬉しいし、ソングライターとしても非常に刺激的な経験で、この気持ちをまた歌にして、また一緒にライブがしたいなあと思いました。
今年はそんなに遠征をしていないとはいえ、熊谷や前橋などはもう何度もライブさせていただいてますし、春には福島や大阪、名古屋などにも行きました。
本当にありがたいことに、どんな会場でもこれはすごいなという強力な対バンばかりで、本当にたくさんの刺激と勇気をもらっています。毎回、絶対に負けたくないと思ってやってますし、絶対に前回を超えたいと思ってますし、そのための努力もちゃんと重ねてきました。ですが、そうやって来られたのも、そういう機会をたくさんいただけて、たくさんの刺激と勇気をいただけたからで、本当に全国のお店で、全国で出会ったミュージシャンやスタッフさんやお客さんに育てていただいて、今があるんだなと思います。
そうして育ててくださって、仲間たちと一緒に笑ったり楽しんだりできている今が、本当にシアワセだなあという気がします。
夜な夜な語り合ったり笑いあったりした前橋きしんや熊谷モルタルレコードでの打ち上げの風景、ピストルをはじめいろんな歌うたいと再会した飯坂温泉の景色、何度も歩いた京橋や池下の景色、もちろん旅先だけでなく、ホームとして受け入れてくださる幡ヶ谷36°5や日野SoulKで、お気に入りの席から見るあの景色。新宿Azzitto1224でMUREさんから灰皿をもらうときのあの感じ。タイツキでカウンター越しにYajiさんにコーン茶割を注文するあの感じ。
そんな瞬間をいっぱい重ねながら、俺はもっともっと歌もピアノも楽曲も頑張って、もっと魅力的なミュージシャンになれるように、もっとたくさんのお客さんに見ていただけるように、もっともっと頑張らないとなあと、強く強く思います。