ハマノヒロチカブログ

ピアノ弾き、ハマノヒロチカの雑記的ブログです。

札幌LOGワンマンありがとうございました

2019年03月18日 23時19分29秒 | 日記

 週末は札幌LOGにてワンマンライブでした。
 長津さんは「前にもやったこと無かったんだっけ?」なんて言ってましたが、LOGでは初めてでした。
 ホームグラウンドとは言え、年に1、2回しか帰らない札幌でのワンマン、果たしてどれだけ集まってくれるんだろうとドキドキしておりましたが、たくさんの方にお越しいただいて本当に嬉しかったです。

 竹原ピストルと組むことになって、転がり込むように住み始めた街が札幌でした。
 それから初ライブをやったのも、10年近いバンド活動のピリオドを打ったのも、札幌でした。思えば、ギターとキーボードを担いでLOGに乗り込んだときも、メジャーデビューが決まって東京に行ってからも、長津さんは普通にライブをやらせてくれたし、ライブに誘ってくれてました。
 そして、一人になってからも、長津さんは本当にフラットに、普通のこととしてライブをやらせてくれたし、普通に一緒にツアーもあちこち廻ってくれました。なんというか、その「普通に」受け入れたことがとても嬉しくて、僕のソロ活動を始める心の拠り所として、ずっとLOGはあったと思います。

 その札幌LOGでの初ワンマン。
 節目節目を過ごした大切な街で、僕の音楽を常にフラットに見守り続けてくれたLOGで、という思い入れがちょっと強く気持ちを支配しすぎたのかな。やっぱり、19年前、ピストルと音楽を始めたことから考えると、今ここで一人で歌っているというのが、なんとも感慨深く思える瞬間がたくさんありました。
 ちょっと気持ちが出すぎちゃったような気もしていますが、それだけに、一曲一曲、新しいものから古い野狐禅時代の曲まで、丁寧に、大切に歌えたように思います。

 ライブは、良いものだったと思います!
 皆さんのお褒めの言葉も嬉しかったし、最近のお客さんも、古くから応援してくださっているお客さんも、みな楽しそうに聴いてくださったのが嬉しかった。
 これを節目とせず、どんどんまた自分を磨いていって、近いうちにもっと良いワンマンができるように、これからも頑張っていきます!
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「Wonderful World」全曲レビュー#3 わらべうた

2019年03月11日 22時52分21秒 | レビュー

 ミュージシャンの人と作曲の話をするときなんかに、よく「曲先」「詞先」という話になったりします。
 これは、要は「曲を先に作るのか(できた曲に後から詞をつける)」「詞を先に書くのか(書いた詞に後から曲をつける)」という違いなのですが、この曲は、僕の中では非常に珍しい、「曲先」で出来た歌なのであります。
 いつもは「こういうことを書きたい」というのが先にあって、書けた詞にメロディをつけて、コードやいろんな楽器を肉付けしていくわけですが、この曲は、先にサビのメロディとか、全体的な雰囲気があって、そこから詞をだんだん固めて行ったように記憶しています。

 世の中の大半の人たちは、曲先で作ることがほとんどらしい。僕は詞先で作るという話をすると、びっくりされることが多い。特に、僕はどちらかと言うと(最後の青春みたいな曲は別にして)メロディアスな曲の印象が強いらしく、それが詞先で作られているとはあんまり思わないらしい。
 でも、曲の運命を左右するのは詞だと思うのだ。世の中には、メロディや響きだけで、ときに言葉よりも雄弁に物事を語る曲というのもあるとは思うけど、シンガーソングライターという生業をしていると、やはり詞によって、曲の運命は変わると思う。
 それだけに、曲を先に作ってしまうと、その曲の持って生まれた運命と、そこに載る詞がもたらす運命とのギャップに、つい違和感を覚えてしまい、どうにも居心地が悪くなってしまう。その違和感がどうしても拭い去れないので、つい僕は詞先で曲を書くようになってしまった。
 そんな中、僕には珍しく曲先で書いた曲。ということは、曲のもって生まれた運命と、そこに載った詞の運命が、違和感なく邂逅することができた、ということになりますね。

 なんだか前置きが長くなりましたが、そんなわけで「わらべうた」の詞のテーマは、故郷です。
 日本は相変わらず地震が多くて、各地で大きな地震が起こると、避難とか、移住とか、そういうことにもスポットが当てられることが多い昨今となりました。
 幸いなことに、僕の故郷・旭川は自信が少ない地域で、帰る場所がなくなるという辛い思いは今のところしないで済んでいますが、例えば東北だったり、神戸だったり、広島だったり、熊本だったり、そんな街で生まれ育った人たちの話を訊くと、考えさせられることが多いです。
 例えば原発にしても、もちろんメルトダウンによって人が住めなくなるようなことは避けなければいけないけれども、だから無くせば全部解決するのかというわけじゃなく、雇用の問題とか、代替エネルギーの問題とかもあったりして、頭ごなしになんでもかんでも反対というのも無責任すぎる。
 そんなことも踏まえて、故郷というものを考えたとき、ひとつ思うのは、例えばダムとかでも、山奥の集落とかがまるごとダムの底に沈んでしまって、一部の人たちの故郷が、建物や、景色や、文化や、そういったものを丸ごとひっくるめて奪われてしまったりしているけれど、故郷を奪われるということの壮絶さって、もう少し大変なことだと思った方がいいんじゃないか、と思ったのです。「帰る場所がある」って、人間にとって本当に大事なことだと思うのです。
 「わらべうた」の主人公は、何らかの理由で故郷を離れている子供。帰るべき場所に帰りたい想い、無垢や健気さの中に垣間見える居心地の悪さ、そういったものが感じられるでしょうか。


 曲としては、どこか懐かしい、フォークとか、ニューミュージックのようなテイストがほのかに漂っているような気がします。こういった曲が書けて、自分の中にまだまだ引き出しがあったことに気づけて良かった。メロディや間奏のピアノなども、とても大好きで、弾いていても楽しい曲です。
 サウンド的には、パーカッションの郡司顕吾とのデュオで、最初はクリック使ってやる予定だったけど、リハーサルしてみて、これは一発録りのほうが良いよね、ということに相成りました。
 明確に原発をどうこう、というメッセージソングではないけれども、かといって明確に切り離せるわけでもなく、そんな微妙な距離感の曲ですが、この曲を福島出身のグンジと一緒にやれて良かった。あえて抑揚をつけず、まるで童歌のように淡々となり続けるパーカッションが、より味わい深いものにしてくれていると思っています。


 そういえば、今日はあの震災から8年が経った日ですね。
 8年が経ったことの意味、現地のさまざまな立場の人のさまざまな想い、いろんなものが今年も報道されています。
 そして、それを巡る全国のさまざまな人たちの、さまざまなメッセージも。
 良くも悪くも、まだ災害は終わっていないんだなと思ったりします。
 今年も、義援金として「朝がまた来る」「最後の青春」の売り上げから1万円をSTAND UP! JAPAN中央共同募金に寄付させていただきます。
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