あなろぐ

ここは私の巣穴です。自閉症の息子のことや、好きな作品のことなどを書きます。
最近のハマリものはイ・ジュンギ。愛だぜ。

Kouの障害~1~3歳のころ(1)

2004-10-13 21:34:33 | 障害の軌跡
~漠然とした不安から明確な不安へ、そして確信へ~

赤ちゃん芸ができない。
1歳くらいになると、「おつむてんてん」や「ちょちちょち(拍手)」や「ばいばい(手を振る)」など、いかにも乳幼児らしいしぐさで、大人の微笑を誘うのが普通だ。kouはしなかった。鍋のフタがお気に入りのおもちゃで、くるくる回してもらってはそれを執拗に見た。

1歳3ヶ月ごろ歩けるようになり、毎日散歩するようになると、決まったコースでないとかんしゃくをおこし、理髪店の「くるくる」に張り付いて凝視した。あやしにくいのは相変わらずで、かんしゃくを起こすと、下手になだめれば逆効果だし、食べ物でごまかす等、いわゆる「子どもだまし」な手も一切通用しない。哺乳瓶へのこだわりも強く、なかなか哺乳瓶が離せなかった。

言葉が出ない。「まんま」を言わない。母親が仕事から帰って来ても、うれしそうな顔をしない。

私の不安は、何かあるという確信に変わっていった。

1歳半健診では、「言葉の遅れ」を指摘されて、「総合健診」を勧められた。「言葉の遅れ」のある子ども向けの教室にも通ったが、それは月2回で、Kouはうまくなじめず、効果はなかった。「総合健診」のときに診察してくれたのがS医師で、これがS医師の勤務するA病院受診のきっかけとなった。障害者が多く受診していることで地元では知られるA病院で、聴覚検査、脳波検査、知能検査などを受けた。S医師の診断は「自閉傾向があります」。
「やっぱり」という気持ちだった。
でも「傾向」って何だろう。頭も胸もいっぱいだった私は、それを医師にうまく質問できなかった。

そして私は、思いもかけず自分の感情にも悪戦苦闘することになる。一人になると涙がとまらない。頭がいっぱいでほかのことが考えられない。生きていくのが辛かったが、自分がいなくなったらこの子はどうなるのかと思うと死ねない。死ねないと思うとさらに涙があふれた。世界中で自分ほど値打ちのない人間はいない気分で、だれにもその苦しさを相談できなかった。仕事もやめようと思ったが慰留されて、慰留を振り切る力もない自分にさらに落ち込んだ。

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1 コメント

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初めて読ませていただきました (ayano)
2004-11-09 19:30:00
再び、こちらにもコメントをつけさせていただければと思います。



Kouくんの症状を読んでいて、漫画もしくはドラマの「光とともに」を思い出しました。

春花さんも、この話はご存知かもしれません。



私もこの漫画やドラマを見るまで、自閉症のことをよく知りませんでした。



でも、実際に原作を手にとった時、泣きながら読みました。

ドラマよりももっとリアルに描かれている分、本当に勉強になる作品だと思います。



私にはまだ子供がいませんが、もし私と子供が、あの話の幸子と光くんの立場だったら、やっぱり幸子と同じように苦悩と戸惑いを抱えると思います。



春花さんは幸子と同じ立場であるだけに、本当に沢山の苦悩や葛藤を抱え、偏見や心無い言葉に傷ついたり、数えきれない程涙を流されたのではないでしょうか。



でも、「自閉くんとの暮らし」も併せて読んで、春花さんがKouくんにたっぷりの愛情を持って接している様や、時には教えられながら明るく頑張っている様子が本当に伝わってきます。



まだまだ誤解や偏見が多いのは本当に残念だけれど、春花さんのブログは私にとって、理解を深めることができるし、とてもタメになるもので、興味深く読ませていただいています。



どうかこれからも頑張ってほしいと心から願うと共に、Kouくん日記も楽しみにしています。



今後も遊びに来させて下さいね
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