演劇日記 加藤健一事務所「エキスポ」

2006年03月06日 | 演劇
 1970年、大阪にて日本万国博覧会(EXPO'70)が開幕。この史上最高の大イベントに日本中が大騒ぎしている頃のこと。舞台は九州・宮崎県、海と山に囲まれた静かな田舎町。この町のある家では、突然の母の死で残された家族たちが右往左往していた


 劇団道学先生版を観ていたのでどうしても比べてしまう。どうにもキャストが役に上手くはまらなかった。頼りにならない男達なんだが、その頼りなさが上手く出てなかったような。人は良いけど役立たずを地でいく従兄弟は意外と頼り甲斐がありそうに見えるし、しっかり者の長男の嫁はどうにも他の役者達に埋もれてしまった。長男役の加藤健一氏もその役柄からかいつもの強烈な存在感が薄れていたように感じる
 いや、内容は良いんだ。笑わせ感動させる良い演劇だった。ただ比べてしまうとそういう感想になってしまう
 

作:中島淳彦 
演出:久世龍之介
出演:加藤健一:加藤忍:畠中洋:富本牧子:新井康弘:高橋麻理:さとうこうじ:横山利彦:篠田剛:浅野雅博:石坂史朗:伊原農:有福正志:外波山文明

食堂と旅館を営んでいた母の通夜。頼りにならない男達。誰も知らない弔問客。旅行業者に長男の浮気相手の夫に出戻り娘の元夫、歳の離れた妹の本当の父親説まで飛び出て大混乱。笑いと感動のハートフルコメディ「エキスポ」は3月15日まで下北沢本多激情で絶賛上演中

演劇日記 12人の優しい日本人

2006年01月28日 | 演劇
 ある事件の審議を行う12人の陪審員。審議に入ってすぐに無罪で一致するが、一人の男が疑問を投げかけ有罪に1票投じる。仕方なく論議を重ねる陪審員達だが次第に有罪に意見を傾け始め、12人の意見は有罪無罪に二転三転していく

作・演出:三谷幸喜
出演:浅野和之、石田ゆり子、伊藤正之、江口洋介、小日向文世、鈴木砂羽、筒井道隆、生瀬勝久、温水洋一、堀内敬子、堀部圭亮、山寺宏一

WOWOWでやっていた生中継
 見に行きたかったがチケットは取れず。たぶんDVDになるかと待っていたら今日の生中継。さすが三谷幸喜、うまい。そして豪華な出演者達
 中盤ややだらけたあたりからの熱い議論は惹き込まれる。自分が陪審員だったら声の大きな奴のいう事に意見を傾けてしまうんだろうな。実際には早く終わらせたいと思うだろうしね

演劇日記 BIGGEST BIZ~最後の決戦!ハドソン川を越えろ~

2006年01月21日 | 演劇
 BIG BIZ・BIGGER BIZに続くBIZシリーズ三部作の最後を飾るBIGGEST BIZ

 あれから3年。神崎がを経営する雑貨屋に二人組の強盗が入る。神崎のいない隙を突いての犯行だったが其処へ健三が。騒動は膨れ上がり何故か役員同士が殺し合いをしているということに。さらに健三達へ復讐をすべく結城が姿を現した


まさに三部作の集大成。オールスター大集合
 チケットが取れず当日券で見ましたが座布団席はきつい。DVDで出ることは決まってはいてもやはり生で観たかったからしかたがないか。あの劇場の雰囲気はほんとに良いね。面白い演劇は観客の雰囲気も一味違う
 三部作の最後なので今までの設定がよくいかされていた。元看守とか、殺し屋の目とか、ウサギとかね。でも元看守なんてもう忘れてたよ。みんなあのあたりの内輪ネタわかるのかな
 健三はBIGの時が一番メチャクチャだった。今回はあんまり目立たない、というか出演者が増えすぎたのか
 とにかく三部作最後の一品。満足しました

「BIGGEST BIZ~最後の決戦!ハドソン川を越えろ~」
作:後藤ひろひと 演出:G2
出演:松尾貴史:三上市朗:八十田勇一:松永玲子:菅原永二:坂田聡:篠原ともえ:粟根まこと:後藤ひろひと
1月22日まで下北沢本多劇場で絶賛上演中。全国ツアーもあります。ぜひどうぞ

 

今年最後の演劇日記 クラクラ・プロデュース/劇団道学先生「兄妹どんぶり」

2005年12月15日 | 演劇
 さて、久しぶりの演劇日記。今回観たのは クラクラ・プロデュース/劇団道学先生「兄妹どんぶり」です。

 時は昭和後期。場所は東京下町の居酒屋。大阪から演歌歌手として一旗上げるため上京してきた兄 裕一郎と妹 咲子。商店街のコーラス隊。ム所帰り。怪しげなプロデューサー。裕一郎の妻 節子。落ち目の作曲家。居酒屋の店主とその妻。裕一郎の想いに引きずられる様にそれぞれの歌に賭ける想いが燃えあがる

「にいちゃん、なんでうちこぶしが回るのやろ…」

たくさん笑わせ、チョット感動。今人気の作家 中島 淳彦の真骨頂! 
途中、岸さんがニュー演歌と称したフォーク風の演歌を歌った時はキター。ああ、カクスコみてぇー
しかし、さすがは年末の平日。観客が少ない。この調子ならまだチケットは手に入る。年末の忙しい中、チョット一休みで観てはいかがでしょうか

脚本 中島淳彦・演出 井上思
出演 福本伸一・宮地雅子・谷本知美・福島勝美・岸博之・朝倉伸二・土屋裕一・かんのひとみ・辻親八・海堂亙・東海林寿剛・前田こうしん・塩塚晃平
笑いと感動の「兄妹どんぶり」は紀伊国屋サザンシアターで18日まで絶賛公演中

演劇日記 加藤健一事務所25周年記念公演第3弾 「審判」

2005年10月07日 | 演劇
 ドイツ軍に囚われたロシア軍将校7人。彼らは修道院の地下室に水も食料も衣服すら剥ぎ取られ置き去りにされてしまう。
 監禁から11日目。彼らはある決断をする

 「生存のための作戦」順番に自らの身体を食料として提供する

 60日後。ロシア軍の同胞により発見された時、生残っていたのはヴァホフとルーベンの二人だけだった

 唯一正気を保っていたヴァホフは法廷の証言台に立ち、狂気と苦痛に満ちた60日間を語る
 

 いや、なんと言っていいか解からないがとにかくすごい。出演は加藤健一ただ1人。証言台に立った男の2時間半に及ぶ独白。狂気の60日を語る姿は観客を黙らせる迫力に満ちている
 毎日5時起きで仕事をして寝不足で、中途半端な気温のせいで劇場は暑く、休憩無しの長い上演時間。この悪条件の中で見た今回の公演ですが文句なしにオススメ

加藤健一事務所25周年記念公演第三弾「審判」
2005年9月27日(火)~10月12日(水) 下北沢・本多劇場 他地方公演で絶賛上演中

演劇日記 姫が愛したダニ小僧~Princess and Danny Boy~

2005年07月27日 | 演劇
 亡くなった祖母の遺品を取りに老人ホームを訪れた祐一とエリ。其処で虐待を見たエリは1人の老婆を連れ出してしまう。老婆はスミレ姫と名乗り、二人のことを船長・洗濯女と呼ぶ。老婆は会えなくなったダニ小僧を探しているといい、話しを合わす二人。しかし、老婆の言う通り剣士や剣豪が現れ、現実世界とかけ離れた物語が突き進んでいく。すっかり影響されたエリ。1人祐一はおかしいと感じながら皆に振り回される事に

 いや、相変らずメチャクチャな話だった。さすが後藤ひろひと。ユースケ・サンタマリアはそのまんま、あーあー悲鳴をあげたりしていた。所々で挿入される意味が無さそうな後藤ひろひととラサール石井の話は最後に意外な接点が。あと、あの馬
 今回はアートスフィアの三階席で観賞したがやっぱり観ずらい。役者の頭頂部が良く見えた

作・演出・出演 後藤ひろひと
出演 ユースケ・サンタマリア・富田靖子・高杉亘・佐藤康恵・大路恵美・松永玲子・
松村武・PIPER(川下大洋・山内圭哉・竹下宏太郎・腹筋善之介)・ラサール石井

 笑いと感動のファンタジー「姫が愛したダニ小僧~Princess and Danny Boy~ 」
東京 アートスフィア7月22日~31日
北海道 道新ホール 8月7日
仙台 仙台市民会館大ホール 8月11日 
名古屋 愛知厚生年金会館 8月14日
大阪 梅田芸術劇場シアタードラマシティ 8月20日~21
広島 アステールプラザ大ホール 8月26日
で絶賛上演。夏休みどうぞ


演劇日記 加藤健一事務所25周年記念公演第2弾 「ヒーロー」

2005年07月18日 | 演劇
 今回観たのは 加藤健一事務所25周年記念公演第2弾 「ヒーロー」 です

 ある事件で人生が交差したヴィックとダグラス。テレビスターとかつての国民的英雄。ふたりはレポーターのジルの企画で17年ぶりに再会を果たす。事件をきっかけに変わった二人の生活。銀行強盗と銀行員。加害者と被害者。その対比と思惑と本音を出そうとするジル、だがなかなか上手くいかない。わがままなヴィック、テレビの素人のダグラス。企画に反対なヴィックの妻トゥルーディ。何とか仲を取り持つマネージャーのケニー。進まない収録も後少し。しかし其処で起きたある事件が…

 やはり加藤健一事務所の公演は面白い。単純な復讐劇にでもなるかと思ったら意外な展開、意外なラスト。でもチョットわかりずらいか? しかし夜勤明けで昼間の公演に行った為、眠かった。もう歳だな、無理はやめよう
  
 作・アラン・エイクボーン 訳・小田島恒志 演出/主演・加藤健一 出演・上杉祥三・加藤忍・大久保了・はざまみゆき・高須誠・増田あゆみ・北原琴美・有馬自由・大西多摩恵 他
 加藤健一事務所25周年記念公演第2弾「ヒーロー」は本日7月18日が千秋楽でした

 次回作は加藤健一事務所25周年記念公演第3弾「審判」 2005年 9月27日から下北沢本多劇場で。8月21日前売り開始


演劇日記 クラクラ・プロデュース 「相談にのってる場合か!?~夢見る頃を過ぎても~」

2005年07月05日 | 演劇
 今回観たのは クラクラ・プロデュース 相談にのってる場合か!?~夢見る頃を過ぎても~ です。会場は我等劇団カクスコファンの聖地 新宿シアタートップス。
 
 結婚相談所に結婚相手を求めて集まる男女。みんないろいろな事情を抱えてなかなか上手くは行かない。しかも相談所所長は永遠の愛を称えていながら密かに離婚をしていた。茨城に土地を持つ男、なぜか結婚相手が早死にする女、生徒と関係を持った教師、ゲームにしか興味のない男、女性とコミュニケーションの取れない男、自分をさらけ出せない男(カツラ)。変な人達の集まる相談所へ所長の元夫がやって来た事で巻き起こる騒動。やっぱり今回も中島淳彦の脚本は面白い!! そして俺はカクスコファン。井之上さんサイコー 

 脚本 中島淳彦・演出 井上思・出演 あめくみちこ・近江谷太郎・井之上隆志・那須佐代子・かんのひとみ・蒲田哲・田子裕史・海堂瓦・東海林寿剛・山口森広・加藤麻奈・すまけい。 結婚相談所を舞台に繰り広げられる、濃厚な?ロマンティックコメディ!男と女と、恋、愛、結婚…。クラクラ・プロデュース 相談にのってる場合か!? は新宿シアタートップスで7月10日まで絶賛上演中

 チケットはまだ間に合う! 井之上隆志氏がギターを弾く姿をみんな見に行こう


演劇日記 笑の大学

2005年06月27日 | 演劇
 思えばもう6月も終わり。今月は一度も演劇を観に行っていないので、足りなくなった演劇分を補給する為、昔録画したビデオで観賞。お題目は「笑の大学」。映画にもなった有名な劇です

 時は昭和15年、戦時中において検閲される演劇。劇団「笑の大学」座付き作家の椿一は新作を検閲官向坂の検閲を受けることに。今までの検閲官と違い手強い向坂に手を焼く椿。あの手この手でご機嫌を取りながら向坂の無茶な要求に応えていく。しかしその無茶を反映させるたびにより面白くなって行く台本。「これは検閲じゃない!台本直しだ!!」

作 三谷幸喜・演出 山田和也・出演 西村雅彦(向坂) 近藤芳正(椿) 笑わない男と笑わせる男のぶつかり合い 笑いと感動の傑作 「笑の大学」 はパルコ劇場オンラインで好評発売中

ちなみに昔テレビでやったのは青山円形劇場収録版。DVDはパルコ劇場収録版です

演劇日記 Dotooo!ni POOL5 「LOW BUDGET」

2005年05月23日 | 演劇
五月演劇強化月間最期の作品

低予算、わがままな女優、頑固な監督に苦労しながら撮影を続ける映画クルー。其処に更に予算削減、制作費として借りた借金の返済、スタッフの辞職、次々襲いかかる困難に立ち向かうプロディーサー。しかし更に襲いかかるスポンサーの撤退。金がなければ映画が撮れない。払うギャラも制作費も無くなった。この苦難にクルーは一致団結、女優やマネージャー果ては弁当屋まで巻き込んで有り金集めて一発勝負に出る

おなじみのDotoo!とPOOL5がタッグを組んだ映画作りのバックステージコメディ。相変わらずのドタバタ劇、笑いとちょっとの感動、いつ見ても面白い劇団Dotoo! やっぱりこの劇団は良いね

抱腹絶倒 Dotooo!niPOOL5の「LOW BUDGET」は22日まで下北沢駅前劇場で絶賛上演でした