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MDS-PPS

2007-11-12 12:26:37 | ケアマネジメント
昨日、日本訪問歯科協会主催の第7回日本訪問歯科医学会に行ってきた。
その中からいくつか感想を交えて紹介をしたい。
介護保険制度に介護予防が設定されて、その中の1つに口腔ケアが取り上げられたこともあってかこの会に参加した歯科医以外の職種も多かった。
ケアマネジメントの主眼は「人間として生存を保証する」観点から「食」が重要であり、「人間は社会的存在」であることから「社会参加」を確保するケアマネジメントが重要だと考える。
全身の健康状態の悪化は歯に影響し、歯の状態は摂食に影響しその範囲は全身状態に及ぶことから、介護状態の者における摂食行為に関心を持たざるを得ないわけで、在宅ケアに携わるものとしては訪問歯科診療に関心を払う必要があるだろう。

今回の講演の最初にアメリカ・ロサンゼルスで日系人を中心にしたナーシングホームの看護師長・ワード・幸子氏の講演「MDSを使用したアセツメントとケアプラン」と題しての講演があった。
このナーシングホームの入居者の平均年齢は86歳、男性の割合は15%という日本でいう特養のような施設。
特に興味深いのはMDSとPPSとの関係。
MDSは日本でも施設向けアセツメントツールとして知られており、使用しているケアマネジャーも多いが、アメリカでは単にアセツメントツールではなくPPS(包括的支払い方法)と関連していることを始めて知った。

MDSによってアセツメントを行いケアプランを作成し、そのケアプランを支払い団体に送り、ケアの実行の結果とプランとの乖離を精査するという。
この支払いシステムが日本の介護保険と異なる点であろう。
特に今回の講演は歯科医に向けての内容であったので、アセツメントは口腔ケアに関する項目で説明され、その指標として体重の変化で評価するという内容であった。
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ケアプランで食事・栄養のケアを立てたにも関わらずケアプランに基づかない体重の変動が見られると評価が下がるという。
その評価は入居者1人1人に対して行なわれると同時に施設全体の評価につながり、その結果は公開される。

MDS導入以降、職員は根拠のあるケアを行なうように心がけるようになり、自信をもってケアをすることができるようになったという。反面、アセツメントを専門で行なう職種が必要となり、費用の増加要因となっているという。

また、施設の全体評価は公表されることによって経営者に意識の変化が生じたという。全体評価が公表されることからよい成績をとらない施設には入居の希望がなく、経営としてもケアの内容が重要だという意識が経営者に浸透したという。

以前のMDSの認識は施設向けのアセツメントツールと思っていたがPPSとの連動によって単にアセツメントに止まらない影響を及ぼしていること認識した次第である。


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