厚労省国際保健ビジョンの循環型高齢者保健戦略は、日本が実施してきた介護の成果を通じて、日本の質の高い介護サービスや人材養成システムを国際間で共有を図ることを通して外国人介護人材を増やし、それぞれの国の介護人材を確保し、その介護人材が日本のシ介護を紹介するような循環を作るという戦略を描く。結果として外国人介護人材を日本国内で定着支援を行い、質の確保と量の確保の取り組むことを目指している。
厚労省が考える国際保健ビジョンにインド太平洋健康戦略として、我が国が中心となって、アジアを含むインド太平洋における協力関係を基盤としたインド太平洋健康戦略を構築していく必要があるとの認識に立ち、アジア諸国、インド太平洋諸国との間で、「医薬品・医療機器等開発エコシステム」、循環型高齢者保健戦略(介護分野等における外国人材の活用、介護事業者国際展開支援)、医療の国際展開等を進める。
循環型高齢者保健戦略は注目だ。
循環型高齢者保健戦略は注目だ。
厚労省国際保健ビジョンに国際創薬にも触れて
ⅰ)国際的な創薬エコシステムの一部となることを目指し、グローバルなア プローチを取り、国内のみならず世界中の一流の人材、施設、企業との連 携を図る。
ⅱ)日本の魅力を拠点として高めるため、専門家が交流可能なラボや病院の 機能を備えた拠点を設ける。
ⅲ)基礎研究から臨床試験までの間のギャップを埋めるために、初期の創薬 プロセスをサポートする人材と設備の確保を進め、バイオ技術者の育成や GMP1製造のための施設整備を進める。
ⅳ)創薬エコシステムの構築の観点から、基礎研究の段階から創薬を見据え た官民連携の事業に対する支援を行う。
の4点を内容とする。
厚労省国際保健ビジョンに掲げるUHCへの取組として低中所得国(LMICs:Lower Middle Income Countries)における UHC 達成のための知見収集や人材育成を行う世界的な拠点、「UHC ナレッジハブ」を日本に設置するという。
社会保障が安全保障につながるという方向が見え、これからの世界的高齢化から社会保障は医療だけに限らない。
厚労省が掲げる国際保健ビジョンで基本方針に基づく活動として3点を挙げる。
・ 厚生労働省は、各課題や、各国際会議等における獲得目標について、まず対応方針を策定し、内外の関係機関との調整を行い、ルール作りや国際標準化を含め、国際保健分野での我が国のリーダーシップの発揮を目指す。
・ また、日常的に国際人脈の維持、拡大を図り、情報収集や調整基盤づくりを行うとともに、国際保健人材について、戦略的に活用・育成・保護・支援 を図る。
・ 当面、重点的に取り組むテーマとして、UHC「日本版ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage:UHC)」、国際創薬、インド太平洋健康戦略、感染症等の健康危機対応とする。
として国際保健でリーダーシップを発揮し人材を育成するようだ、当面はUHC、創薬、インド太平洋健康戦略、感染症対策を挙げる。
・ 人間の安全保障、人類と地球の共存(プラネタリーヘルス)を含む、世界での安全、繁栄、価値の確保を念頭に、
・ 国際社会の健康、安全の確保が、(厚生労働省のミッションである)国民生活の保障や社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上につながるとの認識に立 ち、
・ 特に、健康安全保障のための GHA 強化及び UHC の達成に貢献するため、
・ 厚生労働省の保健・医療・福祉の豊富な知見・経験を海外にも共有、活用することで、世界の人々の生活や安全に貢献し、
・ 世界の安全、健康を日本の安全、健康に繋げ、海外への貢献、協働、交流 により生まれる、知見、洞察を日本国民の生活、健康確保に活かす好循環を確立する。
要はいままで超高齢社会の日本での施策をグローバル展開して世界の安全、繁栄に寄与しその活動を通じて日本の安全、健康をさらに促すという方針のようだ。
グローバルヘルス(国際保健)は、人々の健康に直接関わるだけでなく、国家の平和と繁栄に影響を及ぼし、さらには、人類社会と地球との共存という観点からも、国際社会の最重要課題の一つである。国際保健を推進することは、公衆衛生的な意義だけでなく、国際社会の安定をはじめ、外交、経済、安全保障の観点からも大きな意義があり、国民を守り、国益に大きく貢献するという観点から厚労省は内向きの視座を超えて国際保健に取り組むという趣旨らしい。