松岡圭祐
これは👍
これだって、ありえない話だとは思うけど、
かけ離れた世界で考えられない戦いが繰り広げられるお話よりも、ずっと人間的。
『今までの入院生活で最も恐ろしい思いをしたのが、血液成分が分離装置と言う巨大な機械に、長時間にわたってかけられた時のことだった。身体の外へ血液を誘導し、その血液を機械の内部で回転させ遠心力で白血球を分離し、浄化された血液を体内に戻すと言う代物だ。
血が吸い取られていくことははっきりと感じた。
しぼんでいく水風船のようだった。
全身に締め付けられるような痛みと痺れが走った。
機械のうなり声は地獄からの呻きのような恐怖を伴った』
『手術に入る前段階、治療は以前よりも過酷なものとなった。
腰から抗がん剤を流し込むと言う髄注なる方法がとられ、
ベッドの上で身動きもできなくなる。
食事は菌のない真空パックを、さらに無菌室内の電子レンジで数分間温めてからでないと、摂取する許可が下りない。
来る日も来る日も検査ばかりだった。
レントゲンとMRI、胃カメラまであらゆる方法を駆使して、体内のすべてに菌が残らないよう監視された。虫歯、もしくはそうなる可能性のある歯は抜かれることになった。
駿一は災さいわい、奥歯の2本だけで済んだ。
それ以降は抗がん剤が粉薬に切り替えられた。
しかも粉ミルクにして20杯以上にあたる分量を1日で飲まねばならない。
それと並行して放射線照射が行われ、白血病細胞を完全にゼロにしていく』
と、そこら中にこんなふうに専門的な描写が続く。
彼の情報収集力、凄すぎる〜😱