昨日は金曜日なのでシティーはショッピングナイト。
お店は夜遅くまで営業します。
それもクリスマス前なのでとても賑やかです。
グラハムも頑張ってクイーンストリートモールで夜9時半までバスキングをしていました。
終わって、片づけて、バスに乗って、、、
夜は渋滞がないしお客さんも少ないので遅くても10時半には家に着きます。
それが11時近くなっても帰ってこない
何度も携帯をチェックするんだけどメールも入らない
おかしいな~?
何か起きてないといいけど、、、

って思ってると、
携帯が鳴った!
グラハムからだったので、急いで出ると、
「I'm Lost」と一言、その後は何も言わない。
「そうなんだ、今どこら辺?」
って聞くと、元気のない声で
「公園の近くだと思う」
明るい声で、
「OK すぐに行くね!」
急いで戸締りして、携帯だけ持って外に出て、
公園に向けて歩き始める。
携帯を懐中電灯に設定して、公園の木の中を照らしながら気を付けて進む。
公園を抜けたところで止まって、あたりを見回す

グラハムの携帯に電話をかけてみる。
携帯の鳴ってる音が小さく聞こえる。
音の方向に進みながら、その方向を照らしてみると、、、
いたいた、道路に止めてある車の陰に!!
思いっきり明るく、
「I got you!!」
わりと簡単に見つかって、一安心
「ここはどこら辺?」
「公園の手前の2軒目のうちの前」
「どっちを向いてる?」
「う~ん、、90度ずれてる」
「道に止めてある車をよけて歩いたら、方向がくるって、
どれだけ歩いても公園にたどり着けなくなったんだ、
もう、30分近く歩いた。
どこかの家のガレージのシャッターにぶつかったんだけど、
誰も出てきてくれなかった」
と機嫌が悪い
目の見えない人には動き始める時の自分の体の向きがすっごく重要で、
杖で目印にさわれると一安心。
それからは記憶を頼りに点字ブロックがあればそれに従えばいいんだけど、
街の中以外は点字ブロックなんてないので、歩数を数えて、ところどころにある自分なりの目印(歩道のブロック、マンホールの蓋、コンクリートと芝生の境目、、、等々)から目印へと移動する。
その時に路上駐車の車はとても厄介なんです。
杖は地面を探りながらなので、地面にくっついてないものは見つけられない。
なので車が止まってると、杖がうまくタイヤに当たればわかるんだけど、
そうじゃないと車体の下に入り込んでしまって、杖は車にあたってなくても本人は出っ張ってる荷台とかバンパー、ボンネットにぶつかっちゃうのです。
そして、車に左手で触りながら右手の杖で前を確かめながら止めてある車を通り越すんだけど、
ここでまた問題が!
道路に平行に止めてあればいいんだけど、もしその車が斜めに止めてあった場合、
通り越し終わった時点での体の向きが道と平行じゃないから、、、
次のランドマークがつかめなくなる。
そこで、ちょっと動いちゃうと、体の角度はどんどん変わるから、下手すると真逆に歩いてしまうことになる。
私も、グラハムと暮らし始めるまで、いえ、暮らし始めても、一緒に歩いててこういう場面に出会うまでこういうことには気が付かなかった。
だから、街で歩いている彼に会うと普通に声かけて、止まって、一言二言話して、何も考えずに
「じゃあね、バイバイ

」
って去ってたんだけど、、、
もしその時に彼が歩数を数えていたら、、、
話してる時に彼が私の声のほうに体の向きを変えてたら、、、
その後で、彼、めちゃくちゃ苦労して自分の道を探してたんだな~?
って、いまさらながら、自分の考えの浅さに、恥ずかしく、申し訳なく思います。
そして昨夜、
人を助けることは大好きだけど、同情されること、助けられることが大っ嫌いな彼が私に
「I'm lost」の電話をかけるときのくやしさ、
そして私が行くまで動くことのできないもどかしさを思うと、、、
ちょっと な み だ

な出来事でした。
写真は、今日ガーデンシティーで見かけた、子供たちのクリスマスクッキングスクール。