YASUKOの人生珍道中

2006年秋、新しく始まるYASUKOの人生はブリスベン!この先どうなることやら…珍道中

Curious(好奇心)

2011-12-14 20:31:03 | Weblog
今日も、グラハムの家に行きました。

また、道に迷いました(笑)

前回はサニーバンクからナビ無しで地図を見て、一番分かりやすい道で行けた。

今日のスタートはガーデンシティー!
そして、最終目標はサニーバンクヒルズのドクター。

ガーデンシティーを出る時にグラハムに電話。
前回と反対側から行く事になる。 のは分かる。

地図を見たけど…なかなか上手く頭の中に入ってこない…
多分、頭の中でイメージしてみて (行ける!!)って思っちゃったから、甘く見てたんだと思う。

で、右に曲がる所をまっすぐに走っちゃって…
戻ればいいのに、戻るのが悔しくて、もっと走っちゃって…

運転しながら英語の案内の標識を見るのは神業に近い 

道が空いてくると、車を端に寄せて地図を見るんだけど…自分のいる場所がどこなのかが分からない 
我ながら、自分の方向音痴に、あきれる 

でも、なんか…行けそうな気がする。
でも、なんか…帰れなくなるかも知れない 気もする。
でも、悔しいから、グラハムには電話をしない。
だって、今日は時間もガソリンもある 

(わずかに…臭う!)
(うん? なんか、この方向って、いい感じ!)
(あ、高速道路!)
(おお~!!、この景色!!)
って、思った瞬間に、 「ここだ 
と、突然グラハムの家の近くの大通りが現れた 

ガーデンシティーから15分か20分のところを35分かかって、
でも、やっと着いた!!

「あ~あ、やっと着いたよ~!!」
「買い物してた?」
「ううん、また道に迷ってた。」
「???この間は来れたじゃないか?」
「うん、私って、いつも好奇心がいっぱいなのね。で、今日は違う道を通ってみようって…」
「好奇心はいいけどさ~…」
「うん、どうしても好奇心が止められない!! でも、今日は35分も走っちゃったから…20分も時間を無駄にしちゃった。」
「僕はそうは思わない。時間に無駄な時間なんてないと思う。人生を楽しまなきゃ!」
「うん、そうだよね、私には今日のドライブは必要だったの!」
「そうだ、YASUKOはまだ生きてる!だからOKだ。さあ、レッスンを始めよう!」
「あのね、道に迷ってたからお腹がすいちゃった。パン買って来たから、食べながらレッスンしていい?12時40分にドクターの予約してあるの。」
「YASUKOは本当に忙しいんだね~。ドクターはサニーバンクヒルズだったよね?」
「うん、」
「じゃあ12時にここを出ないと!」
「? なんで?10分で行けるじゃん!?」
「だって、また道に迷うから…(笑)」
「大丈夫!ショッピングタウンの道を通れば迷わず10分で行ける!」
「近道通ると5分だよ。」
「へっ?」
「僕はこの後でシティーに行くから、道案内してあげるよ。で、ドクターの近くのバス停から僕はシティーに行く。」
「グラハムが?道案内?」
って、言いながら、先ずはレッスン。

今日はこっちの目の見えない人達の 『点字』について教えて貰った。
本当はもっと違う事が聞きたかったんだけど…
話の流れで、レッスン内容がコロコロ変わる 

上の写真で、彼が持っているのが 『点字マシン』(この写真を写す時に 「笑顔がいる?」って、私が「うん、いる!」って言ったら、こんな素敵な笑顔をくれた)
点字のことは英語で 『Braille(ブレイル)』って言うそうです。

この機械(道具かな?)に、ちょっと集めの紙を挟んで、セル(小さな四角のマス)の中に6個の点を組み合わせて作る。


「こうやって、右から左に打ち込んで、裏返して指先で触って読む。
読むときは左から右に。」
と、実演。

でもね、グラハムはこの点字は上手く読めないんだって。
点字を作るのも、読むのも、小さい時、手の指の皮膚が柔らかいうちに訓練をしないと駄目なんだって。
彼は生まれつきではなく、人生の途中で、視力を失った(なぜかはまだ聞いてない)ので、知ってはいるけど、使えないんだって。

でね、彼が言った 「生まれつき目の見えない人達は、ペンを持つことを知らないんだよ。だって、書いたって読めないんだから、必要ないんだよ。」
この言葉に…

息が詰まった。

彼と会うたびに、新しい世界がどんどん開けていく!


そして、12時15分。
「さあ、出かけよう!」

と、彼を車の助手席に乗せて…
「先ず右」
「もうすぐ左。○○が見えるだろう?」
「次のT字路は右。そこが△△通り」
 …… と、(えっ?この人、目、見えてるんじゃん?) って思うくらいに…

そして、ドクターの場所を確認したら、
「僕はここで降りてシティーに行くから!」
って、降りようとする。
「あ、ちゃんとバス停まで送っていくよ!」
「でも予約の時間だし。またYASUKOが迷うから…」←ホント、私って、信用ないんだよね~
「大丈夫、時間も、道も、絶対に大丈夫だから!!」
「そうかな~?僕はここからでも、バス停まで行って、バスに乗れるんだけど…」
って言うグラハムを、無理矢理バス停まで送って…

「ここが、…」
「□□のバス停だろ?」
  

とまあ、なんと、私の情ないこと…
この、私の好奇心、何とかならないのかな~?

なるわけないよね。
だから…私なんだよ ね