全国交通ニュースブログ

国道169号下北山道路は「国の権限代行による災害復旧事業」となりました

2024/3/20付ブログ記事「国道169号下北山道路の事業がついに動き出すようです」の続報です。

上記記事で、

>「令和5年度第2回奈良県公共事業評価監視委員会」のコンテンツおよび資料は、2024/3/20時点では奈良県公式サイトから完全に削除されているようです。奈良県公式サイト内を「下北山道路」をキーワードに検索したところ、同委員会での説明資料類は確かに検索結果として表示されるものの、クリックするとことごとく「ページがみつかりません。」になってしまいます・・・ 2023/12/23に発生した土砂崩れにより内容の見直しが必須となったため、一旦公開を取りやめているのかもしれませんね。

と書きましたが、これはどうやらこの事業が「国の権限代行による災害復旧事業」となり、奈良県が中心として行う事業でなくなったからかと思われます。

2023/12/23に当該区間内の現道で発生した大規模な土砂崩れの復旧に関して、2024/3/27付で以下のリリースが奈良県と近畿地方整備局から出されました。

「一般国道169号下北山村上池原の崩土災害について国の権限代行による災害復旧事業として着手されます」

https://www.pref.nara.jp/secure/306683/houdou.pdf

「国道169号奈良県 下北山村上池原の崩土災害について国の権限代行による災害復旧事業に着手」 

https://www.kkr.mlit.go.jp/news/road/topics/2023/r9733f000002077o-att/kisyahappyou_240322.pdf

これは、2024/3/7に臨時開催された奈良県の「国道169号 下北山村上池原地区 防災対策検討委員会」での検討結果を踏まえてのものです。

委員会資料によれば、現地付近の地質は深層崩壊を誘発しやすくなっているにもかかわらず、昭和30年代に現国道がダムの付替道路として建設された際はまだ岩盤分類の確立前だったためそれを考慮しない旧来の工法で構築されており、法面勾配が非常に急勾配となっているとのこと。そのため、今般の被災個所および周辺部は大雨や地震などにより甚大な被害が引き起こされる可能性が極めて高く、さらに現段階で想定されるいずれの工法をもってしても深層崩壊のリスクがあるため、現道での本格復旧は困難と結論付けられました。付近の現道は最終的に廃道とし、現位置においてダム湖側に張り出す形で建設する仮橋は「緊急⾞両に限って通⾏可能」扱いとなるとのこと。

したがって、今後何年もの間一般車両は国道169号経由で下北山村と上北山村を行き来することはできず、大迂回を余儀なくされます。

この結果を踏まえると、当該区間の国道169号の災害復旧は必然的にダム湖沿いを通らない別ルートとなるわけで、これまで奈良県が検討してきた現場付近の背後の山を長大トンネルで抜ける「下北山道路」のルートが妥当と考えられます・・・このあたりは今後近畿地方整備局・奈良県・専門家による会合で固まっていくことでしょうけど。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「幹線道路(関西)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事