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2023/4/1から、六地蔵~山科間のJRと地下鉄の運賃が逆転します

JR西日本は2023/3/18にダイヤ改正を行いますが、その目玉の1つが「奈良線複線化に伴う増発とスピードアップ」です。同時に、京都市営地下鉄との接続駅である六地蔵駅が西側(京都方面)に移転し、安全性向上と乗り換え時間短縮を図ります。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220623_04_rokujizou_2.pdf(駅移転のリリース文)

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221216_00_press_daiyakintou.pdf(ダイヤ改正のリリース文)

上記ダイヤ改正のリリース文の10ページ目に以下の文言があります。 <カギカッコ内引用>

「六地蔵駅の新駅舎は今回のダイヤ改正日に合わせて供用開始いたします。なお、新駅舎移転に伴う運賃の改定は 2023 年 4 月 1 日に実施いたします。」

JR各社の幹線の運賃は、「10kmを超えて50kmまでは5km刻みで運賃アップ、50kmを超えて100kmまでは10km刻みで運賃アップ」となっており、100m距離が違うだけで大きく運賃が変わってきます。今回の六地蔵駅の場合は京都方面への移転なので、JR京都線・嵯峨野線や滋賀県方面の駅との間の距離が全般的に100m短くなるため、自動的に運賃が大幅値下げになる区間が出てきます。

このブログを書いている時点のJR西日本公式サイトにはこの件は未掲載ですが、「乗換案内」サービスを提供するジョルダン社のサイトには2月末の時点で情報が掲載されています。

https://biz.jorudan.co.jp/file/230228_1.pdf

https://biz.jorudan.co.jp/file/230228_2.pdf

変更例として、「JR六地蔵駅からJR尼崎駅までの運賃が、3月31日までは1170円なのが、4月1日からは990円に値下げになる」例が挙げられています。これは、移転前の六地蔵~尼崎間の距離が60.1kmで「61~70kmの運賃」が適用されるのが、移転後は60kmちょうどになり、1ランク下の「51~60kmの運賃」が適用されるようになるからです。普通運賃が一気に15%以上も値下げになるわけで、利用者にとっては嬉しい限りですね。JR西日本の関西圏では4月1日からバリアフリー料金を導入して10円アップする区間が多いのですが、JR奈良線はその対象外です。

他に、「JR六地蔵駅からJR山科駅までの運賃」も値下げになります。こちらの値下げ幅は90円、値下げ率は27.3%です。

 移転前・・・両駅間の距離が15.1kmのため、「16~20kmの運賃」が適用されて330円

 移転後・・・両駅間の距離が100m短い15kmちょうどになるため、「11~15kmの運賃」が適用されて240円

六地蔵駅~山科駅は京都市営地下鉄も利用できますが、この区間の運賃は260円です。

https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000240757.html

つまり、3月31日までは地下鉄の方が70円安いのですが、4月1日からはJRのほうが20円安くなり、運賃が逆転することになります。

地下鉄での距離はJRの半分以下の7kmちょうどで、所要時間も13分と短く乗り換えもいらないのですが、JRと地下鉄で運賃制度の考え方が異なる(JRは15km以下がかなり割安感がある一方、公営地下鉄は全国的に近距離を割高にしている)故の現象です。まあ、この逆転現象により、地下鉄の利用客が乗り換えが必要で所要時間も余計にかかるJRに大きく流れるとも思えませんが・・・

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