阪急バスの芦屋市内線が2024/4/1に再編されます。
https://www.hankyubus.co.jp/news/20240401.html
その中で、芦屋有馬線の有馬温泉発着便の運行を廃止する旨明記されています。芦有ドライブウェイ経由で芦屋市街地と有馬温泉を結んでいたこの路線は「4月~11月の間の土休日のみの運行」だったため、最終運行は2023/11/26の日曜日だったことになり、今度の土日に乗り納めというのは不可能です。2023年3月の六甲登山バスの廃止(2023/3/6付ブログ記事「 六甲登山バスは90年以上の歴史に終止符を打ちました」参照)とそっくりのパターンです。
芦有ドライブウェイの歴史についてはWikipediaに詳細に書かれていますが、もともとは阪急バスではなく芦有開発(芦有ドライブウェイの運営会社)の直営で1963年3月に運行を開始したもので、当初は利用が多かったものの1970年代初めには営業不振に陥り、1977年に阪急バスに譲渡されました。1980年代以降は昼間に「芦屋市街地と有馬温泉を結ぶ便」「芦屋市街地と奥池住宅地(芦有開発などが開発した住宅地で、芦有ドライブウェイ<自動車専用の有料道路>以外の交通手段は山道しかありません)を結ぶ便」が交互にそれぞれ1時間毎に運行されていましたが、2010年以降に西宮市内と有馬温泉を結ぶ「さくらやまなみバス」(西宮市が阪急バスに委託して運行)が増便されたのに伴い観光客の利用が減少の一途を辿り、奥池~有馬間は大幅に減便され、2023年時点では「4月~11月の間の土休日のみ1日4往復」にまで縮小されていました。
有馬温泉発着の一般路線については三宮線も2024/3/31限り終幕となり(2023/10/7付ブログ記事「有馬温泉と神戸三宮を結ぶ一般路線バスなど全面廃止の背景」参照)、2024/4以降は宝塚駅・西宮名塩駅・岡場駅方面のみ(他に一部区間便あり)が残ります。
ちなみに、芦有開発はもともと独立系の会社でしたが、有料道路事業は赤字続きで、2008年にオーストラリアの投資銀行であるマッコーリー銀行(世界各地で有料道路事業を展開しており日本への本格進出を考えていた=2024/2/14付ブログ記事参照)に売却する話が持ち上がりましたが、最終的に実現せず、NEXCO西日本と日本政策投資銀行が出資する新会社「芦有ドライブウェイ」に移管されて現在に至ります。