木彫りの鳥の独り言

ちょい悪爺の懺悔録

明日香石舞台

2019年05月10日 | 旅行
"樫の花はるか昭和は遠くなり"

17歳の5月頃、一人で電車に乗って橿原神宮 石舞台古墳を尋ねました。
当時の橿原神宮は鄙びた感じのたたずまいで人気もなく静寂そのもの、一体何を求めていったんでしょうな、、、
行きたかったのは石舞台古墳だったように思います、田舎道を歩いてようやくたどり着いたむき出しの石舞台
石組みに登って只ぼーっと座ってたら静寂のなかでかすかにひばりの声が聞こえるだけ、つくづくこの世で自分は
ひとりぼっちなんやなぁと感傷にふけっていた事を思い出します。(当時はみなしごハッチ状態、、、)

今回半世紀ぶりに訪れた橿原神宮、周辺の道路は立派、パーキングも整備され広い参道、圧倒されるような社殿
いやいや実にご繁盛の様子でした。
さぞかし石舞台も整備されてるんだろうなとは思っていたけど想像以上の変貌ぶり、周辺は花や緑に包まれた一大公園
遠足の小学生でにぎわう遊歩道、まさに浦島太郎の気分を味わいました。
昔は入れなかった棺室の部分にも入れ、足を延ばして高松塚古墳にもよってなかなかいいドライブでした。

"燕の巣ぐるりとよけて椅子置かれ"

ショパンノクターン20番とアワビ

2019年04月21日 | 旅行
先日、H交通社の伊豆半島周遊ツアーに連れ合いと二人で行って来ました。
飲みかつ喰うのがメインの熟年ロマン旅、体重1.5キロ増のおまけ付きツアーでした。

"桜花ひとひら浮かべ露天の湯"

二日目の南伊豆で泊まったホテルのダイニングでの夕食時、ショパンのピアノ曲が流れていて実にいい雰囲気
大体この手の観光ホテルのBGMは当たり障りのない万人向きの音楽を流してるんだけど、ここはチェックインから
ずっとショパンのピアノ曲、、、暮れ行く伊豆の海、暗がりの奥にかすかに見える伊豆七島を眺めながらビールを飲む
いやいや、ほんにショパンはこのシチュエーションにピッタリやねセンスいいわ、、、
目のクリクリした可愛らしい仲居さんにそのことを伝えるとにっこり会釈して次々とテーブルに置かれた窯の燃料に
点火、最後の窯に火をつけるとおもむろに蓋をとり「ごゆっくりお楽しみください」、、、中にはアワビがひとつ
熱さに苦しみくねくねと身もだえ、いつもそんなの気にせず食べてたけど、やっぱりショパンのノクターン、それも遺作を
聴きながらこんな残酷料理食べるというのはどうもなぁとつくづく思った次第、食べちゃったけど。

"ショパン聞き鮑喰いおり春の闇"