木彫りの鳥の独り言

ちょい悪爺の懺悔録

Sirba Octet

2022年03月21日 | 独善偏見音楽鑑賞記
 "会者定離春の彼岸の昼下がり
 "にんげんはおバカさんよと鶯が

 今日はいかがお過ごしでしょうか、連日テレビに映し出されるウクライナの惨禍、、、
人間の度しがたい愚かさをこれでもかとばかりに突きつけてくる、まるで前世紀のような市街戦の映像は
ほんの少しばかり進歩したかに思えていたこの人の世を一挙に50年以上も前に引き戻したかのようです。

  "戦いは人の習いかいつの世も つましき人の滂沱の涙"
  "難民の少女涙し哀れなる ととせめぐりて今春ならん"

これは平成18年の春、旧ユーゴの内戦終結10年の節目に放送されたTVを見て私が詠んだつたないうたです
 、、、デジャブです、同じような風貌の人々、建物、風景。
領土を、宗教を、権力を巡って、人は暴力で解決しようとする、いつまでたっても戦争と平和の堂々巡りです
今回の事態もあらためて国連なんて“United Nation”ではなく“United Nothing” なんだと言う現実を我々に
見せつけてくれました、考えてみればそんななか我々は戦争が終わってからこの世に生を受け曲がりなりにも
ここまで平和を享受してきました、実に幸運な事です。
子や孫の世代そしてそれに続く世代も同じように平和に生きていけるようにとひたすら願うばかりです。

 最近、Sirba Octet(シルバ・オクテット)というパリ管弦楽団のメンバーを主体としたなかなかユニークな
八重奏団を知りました、弦楽器、ピアニスト、ツィンバロン奏者が奏でるクレズマー(東欧のユダヤ音楽)や
ロマ(ジプシー)の音楽、彼らが奏でる黒い土の香りのするスラブやユダヤなどの東欧のメロディはときとして
現下のウクライナ情勢に慟哭しているかのように聞こえます。
アルバムは以下の通り
 "AYiddish Mame
 "Du Shtetl a NewYork
 "イディッシュ・ラプソディ
 "TANTZ!(踊れ!)
 "The Spirit of the Yiddish

TANTZ!(踊れ!)に入っている作曲者不詳の「Fantaisie roumaine」や「Fantaisie hongroise」は特に哀愁を
帯びたもので、私だけかもしれませんがルーマニアやハンガリー等東欧の大地で繰り返されてきた名も無き抹消
された民衆や文化の泣き声のように聞こえました、、、
このバンド2019年には来日していたようで、神戸でも佐渡さんと共演とのこと知らなかった。
YouTubeに演奏がアップされてるのでアドレス張っときます、上質なセンスの音楽を味わってください。
https://www.youtube.com/watch?v=UcG6bESPbXs

 "子宝の微笑ましきや猫柳
 "陽だまりであーだこーだと百千鳥

ではこの辺で、失礼します。