日々の寝言~Daily Nonsense~

J.M.クッツェー「恥辱」

ノーベル賞作家クッツェーの
ブッカー賞受賞作。

原題は"Disgrace"
家名を汚す、というような意味もあるようだ。

読後感は複雑。

シニカルな文体は、ちょっと
カート・ヴォネガットを思わせる。

しかし、この作品に関しては、
カート・ヴォネガットほど寓話的でもなければ、
(通常の意味で)ヒューマンでもない。

逆に言えば、もっとあけすけというか、
ぶっちゃけた感じ?

語り手である元大学教授の
キャラクターがつかみ難い。

頑なかと思うと、そうでもなかったり。

もっと情けないのかと思ったが
それほどでもなかった。

主人公はむしろ娘のルーシーや
その友人のベブ・ショウなのかもしれない。

ある意味「大人になること」
「非西洋的価値観」
に関する小説なのだが・・・

南アフリカという特殊な風土も
背景にあるのだと思う。
そのあたりも、わかりにくい要因かもしれない。
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