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ep5狂言説あれこれ3・南條は誰の味方?
筆者-初出●Townmemory -(2009/09/19(Sat) 10:04:12)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=32771&no=0 (ミラー)
[Ep5当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
「ep5は夏妃を陥れるための狂言」、というメジャーな推理について、考えるシリーズです。
六軒島で何を計画するにしても、死体が出る限り、南條に焦点が当たることは避けられない、という感じです。
ep5狂言説あれこれ1・ノック狂言説
ep5狂言説あれこれ2・夏妃を陥れるつもりはなかった?
以下が本文です。
☆
ep5狂言説を検討中です。絵羽夫妻、留弗夫夫妻が、夏妃に金蔵死亡を認めさせるため、ウソの殺人事件を演出している、という推理について、ここでは扱います。
ちなみに、はっきりした結論は出ずに終わりますので、期待しないで下さい。
南條医師は、ゲストハウスいとこ部屋で殺された4人の検死をしています。
ということは、狂言側は、南條を抱き込んで味方につけない限り、狂言を成立させることができません。
ところが、南條という人は、夏妃に味方して、金蔵の死亡を隠蔽しようとしてくれている人です。
実際、書斎の攻防では、夏妃有利の証言を必死になって発言していました。
つまり、この推理では南條は、
「夏妃の味方をして、金蔵の死を必死で隠そうとしているが、同時に金蔵の死を暴く企みにも荷担している人」
ということになってしまいます。ちょっとヘンです。うーん。
たとえば、南條が、狂言側からカネを積まれて寝返ったとします。
その場合、わざわざ検死をいつわらなくても、「私は知っています。金蔵さんは死んでおりますぞ」で良いのです。
カドを立てたくないのなら、書斎での攻防のときに、「夏妃さん、もう無理だ、あきらめましょう」くらいで丸くおさまります。
でも、彼はそうしなかった。あくまで夏妃に協力したい心情があったように見える。
だけど、もしそういう心情があるのなら、夏妃に対して、
「これこれこのような要請が、霧江さんたちからありましてな」
くらいの報告はしてあげても良いはず。なのにそれもした形跡がない。
いちばんひっかかるのは、夏妃がヱリカに告発され、日記をあばかれているあたりで南條の言う、
「私には夏妃さんの気持ちもわかるのです」
みたいなセリフです。
もし彼が、狂言殺人だと認識している、これが死んだフリごっこだとわかっているのだとしたら、これは言うはずないと思うのです。
逆に「これはやりすぎです、いたずらの範囲を超えている!」くらい言いそうだ。
「気持ちがわかる」発言が出てくるためには、南條が、本当に殺人があったと認識しているか、もしくは本気で夏妃を陥れようとしているか、どっちかの場合しかありません。
後者の場合は、これまで彼には、金蔵の死亡を発表するチャンスがいくらでもあったのに、そうしなかったのだから、彼は「夏妃を犯人にしてしまいたい」という願望を持っているとしか思えなくなるのです(「金蔵の死亡を認めさせたい」という願望ではなくて)。
この矛盾は、なんとか解消しなければならないです。そこで、便利な「幻想描写」を想定するなどして、かわしていくほかなさそうです。
たとえば。
1.南條が夏妃に協力している、というのは幻想描写。
これは、「実は南條は金蔵が死んでることなんて知らなかった」というかわし方です。この場合、南條はつらっと、狂言に参加することができそうです。
「気持ちが分かる発言」の違和感はかわせませんが、そのくらいはまあ、いいことにします。その発言を幻想として消去してしまっても良いですね。
2.南條は実は死体を見ていない。見たというのは幻想描写。
これは、「南條はまったく狂言には荷担していない」という組み方。そのために、「南條は死体を見ていないのに、殺人があったことを鵜呑みにした」というかわし方をしています。
これで、彼は心情的には夏妃側に協力したまま、夏妃犯人説をうのみにすることができます。
3.南條はホンモノの死体を確認し、4人の死亡を確信した。
これは幻想描写とは関係ない組み方です。狂言計画はあったけれども、それと同時に誰かの殺人計画も発動していて、4人は実際に殺された。
朝方、南條は本物の死体を検死したのだから、殺人があったと確信しており、矛盾は生じない。そういうかわし方です。
ただ、これだと、あえて狂言があったことにする必然性も失われてしまいますね。
4.南條は検死でウソを言った(死んでない人を死んだことにした)が、それは狂言チームに頼まれたからではない。
狂言のあるなしに関わらず、これまでのエピソードで殺人を犯してきた「真犯人」はいるわけです。
南條が「真犯人」の協力者であり、もし「死んだフリの人間に対し、死亡認定をせよ」という命令を受けていた場合、狂言側の思惑と、たまたま行動が一致します。
南條は、霧江あたりから「子供たちが死んだふりをするので、死んだことにしてくれ」と頼まれる。
南條的には協力したくはなかったが、たまたま行動予定が「真犯人」側の命令と一致していたので、結果的に、狂言に与するようなかたちになってしまった。
それ以外には、南條には何かややこしい事情があって、
「彼は夏妃に同情し、金蔵の死亡を隠したいと思っているが、同時に狂言にも荷担している」
という、「んもう、なんか知らないけどそういう理由でもあったんでしょお!」みたいな強行突破の手もあります。
とにかく、「南條」をどう扱うかが、狂言説成立のひとつのキーポイントであるのは確かだと思います。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
■関連記事
●EP5推理
ep5初期推理その1
ep5初期推理その2・ノックス十戒と赤字への疑問
ep5初期推理その3・新たな連続殺人者
ep5初期推理その4・第一の晩
ep5初期推理その5・第二の晩
ep5初期推理その6・戦人の謎
ep5初期推理その7・ノック問題
ep5初期推理その8・赤で語るプレイヤーと赤い竜
【ヱリカ犯人説】Ep5第二の晩以降の展開は?
『Land of the golden witch』の大ネタって何?
ep5狂言説あれこれ3・南條は誰の味方?
筆者-初出●Townmemory -(2009/09/19(Sat) 10:04:12)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=32771&no=0 (ミラー)
[Ep5当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
「ep5は夏妃を陥れるための狂言」、というメジャーな推理について、考えるシリーズです。
六軒島で何を計画するにしても、死体が出る限り、南條に焦点が当たることは避けられない、という感じです。
ep5狂言説あれこれ1・ノック狂言説
ep5狂言説あれこれ2・夏妃を陥れるつもりはなかった?
以下が本文です。
☆
ep5狂言説を検討中です。絵羽夫妻、留弗夫夫妻が、夏妃に金蔵死亡を認めさせるため、ウソの殺人事件を演出している、という推理について、ここでは扱います。
ちなみに、はっきりした結論は出ずに終わりますので、期待しないで下さい。
南條医師は、ゲストハウスいとこ部屋で殺された4人の検死をしています。
ということは、狂言側は、南條を抱き込んで味方につけない限り、狂言を成立させることができません。
ところが、南條という人は、夏妃に味方して、金蔵の死亡を隠蔽しようとしてくれている人です。
実際、書斎の攻防では、夏妃有利の証言を必死になって発言していました。
つまり、この推理では南條は、
「夏妃の味方をして、金蔵の死を必死で隠そうとしているが、同時に金蔵の死を暴く企みにも荷担している人」
ということになってしまいます。ちょっとヘンです。うーん。
たとえば、南條が、狂言側からカネを積まれて寝返ったとします。
その場合、わざわざ検死をいつわらなくても、「私は知っています。金蔵さんは死んでおりますぞ」で良いのです。
カドを立てたくないのなら、書斎での攻防のときに、「夏妃さん、もう無理だ、あきらめましょう」くらいで丸くおさまります。
でも、彼はそうしなかった。あくまで夏妃に協力したい心情があったように見える。
だけど、もしそういう心情があるのなら、夏妃に対して、
「これこれこのような要請が、霧江さんたちからありましてな」
くらいの報告はしてあげても良いはず。なのにそれもした形跡がない。
いちばんひっかかるのは、夏妃がヱリカに告発され、日記をあばかれているあたりで南條の言う、
「私には夏妃さんの気持ちもわかるのです」
みたいなセリフです。
もし彼が、狂言殺人だと認識している、これが死んだフリごっこだとわかっているのだとしたら、これは言うはずないと思うのです。
逆に「これはやりすぎです、いたずらの範囲を超えている!」くらい言いそうだ。
「気持ちがわかる」発言が出てくるためには、南條が、本当に殺人があったと認識しているか、もしくは本気で夏妃を陥れようとしているか、どっちかの場合しかありません。
後者の場合は、これまで彼には、金蔵の死亡を発表するチャンスがいくらでもあったのに、そうしなかったのだから、彼は「夏妃を犯人にしてしまいたい」という願望を持っているとしか思えなくなるのです(「金蔵の死亡を認めさせたい」という願望ではなくて)。
この矛盾は、なんとか解消しなければならないです。そこで、便利な「幻想描写」を想定するなどして、かわしていくほかなさそうです。
たとえば。
1.南條が夏妃に協力している、というのは幻想描写。
これは、「実は南條は金蔵が死んでることなんて知らなかった」というかわし方です。この場合、南條はつらっと、狂言に参加することができそうです。
「気持ちが分かる発言」の違和感はかわせませんが、そのくらいはまあ、いいことにします。その発言を幻想として消去してしまっても良いですね。
2.南條は実は死体を見ていない。見たというのは幻想描写。
これは、「南條はまったく狂言には荷担していない」という組み方。そのために、「南條は死体を見ていないのに、殺人があったことを鵜呑みにした」というかわし方をしています。
これで、彼は心情的には夏妃側に協力したまま、夏妃犯人説をうのみにすることができます。
3.南條はホンモノの死体を確認し、4人の死亡を確信した。
これは幻想描写とは関係ない組み方です。狂言計画はあったけれども、それと同時に誰かの殺人計画も発動していて、4人は実際に殺された。
朝方、南條は本物の死体を検死したのだから、殺人があったと確信しており、矛盾は生じない。そういうかわし方です。
ただ、これだと、あえて狂言があったことにする必然性も失われてしまいますね。
4.南條は検死でウソを言った(死んでない人を死んだことにした)が、それは狂言チームに頼まれたからではない。
狂言のあるなしに関わらず、これまでのエピソードで殺人を犯してきた「真犯人」はいるわけです。
南條が「真犯人」の協力者であり、もし「死んだフリの人間に対し、死亡認定をせよ」という命令を受けていた場合、狂言側の思惑と、たまたま行動が一致します。
南條は、霧江あたりから「子供たちが死んだふりをするので、死んだことにしてくれ」と頼まれる。
南條的には協力したくはなかったが、たまたま行動予定が「真犯人」側の命令と一致していたので、結果的に、狂言に与するようなかたちになってしまった。
それ以外には、南條には何かややこしい事情があって、
「彼は夏妃に同情し、金蔵の死亡を隠したいと思っているが、同時に狂言にも荷担している」
という、「んもう、なんか知らないけどそういう理由でもあったんでしょお!」みたいな強行突破の手もあります。
とにかく、「南條」をどう扱うかが、狂言説成立のひとつのキーポイントであるのは確かだと思います。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
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