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ep5初期推理その4・第一の晩
筆者-初出●Townmemory -(2009/08/24(Mon) 05:16:14)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=31512&no=0 (ミラー)
[Ep5当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
EP5を読み終えた、直後の考えを書き付けておくシリーズです。
ep5初期推理その1
ep5初期推理その2・ノックス十戒と赤字への疑問
ep5初期推理その3・新たな連続殺人者
以下が本文です。
☆
●第一の晩・ゲストハウス
首をパックリ切られるというのは、これまでにないパターンです。
従来の殺人は、「人体に穴があく」「顔面が破砕される」というパターンがほとんど。礼拝堂殺人は腹部が裂かれていましたが、あれは、腹部を裂いたことが死因とは思えません。
ep4までの、本来の殺人者が第一の晩を行ったのなら、銃なり槍なりといった便利な刺突系の凶器をあえて使わなかった(使えなかった)理由があると見るべき。
もうひとつ。魔法陣のヘブライ語が間違ってるという情報。これは、上層世界の疑わしい人物ベルンカステルがそう言ってるだけのことですが、本当だとすると、これを描いたのは従来の殺人者ではない可能性が高い。
よってep5の第一の晩の犯人は、ep4までの本来の殺人者ではない。これはOKだと思います。
ヱリカだったら、比較的簡単に犯行ができそうです。
いちばん簡単なのは、午前3時以降、そっといとこ部屋に忍び込み、そこに寝ている戦人以外を順番にスパスパやっていく。
こうでも良いです。24時きっかりに、譲治、朱志香、真里亞を殺す。楼座にはあらかじめ、「遺産相続に関して味方してあげるから、午前1時に私のところへ来なさい」とでも言っておく。1時に楼座が来るのを確認し、いとこ部屋に先回りし、暗がりで娘の寝顔を見ようと思った楼座をスッバリ。
どっちにしても、1時という刻限を切って楼座を呼び出す、という条件は必要そうです。なぜ楼座が選ばれたかといえば、彼女は「夫に相談しない」から。
●第一の晩・源次(使用人控え室)
わたしの説ですと、朱志香を殺せばマスターキーが入手できますが、もしできなくっても、屋敷玄関が施錠されたとは描写されてませんし、使用人控え室も鍵がかかってなかったみたいなので(発見時の描写より)、そこに行くぶんには問題ありません。
封印はヱリカが考案したものですので、ビッと剥がして侵入し、源次の首を切り、また新しい封印をすればOKです。
「全ての封印は如何なる方法でも、痕跡を残さずに剥がすことは不可能なり」という赤字があって、これを無視することにしても良いのですが、この赤は「扉側に」痕跡を残さないとは言っていません。
「剥がそうとしたらガムテが破れる」という意味かもしれません。よって、剥がして、新たな封印を貼り直すことは否定されません。
なぜ、殺しやすい郷田や熊沢や南條あたりではなく、わざわざ屋敷の源次が被害者に選ばれたのかといえば、それはもちろん、マスターキーを紛失させる……というより、マスターキーを1本、入手したかったからです。
ヱリカは、マスターキーが5本あって、5人が持っているなんていう情報を、知りません。そして、
「マスターキーが一般のキーよりたくさん存在し、屋敷の主すら1本も持っていないのに、下級使用人たちが1本ずつ所持している」
なんていう、常軌を逸した管理体制は、ふつう想像しません。この屋敷おかしいです。
(余談ですが、「使用人たちがマスターキーを1本ずつ持っている」という条件が、もうまるごと幻想描写なんじゃないのかという疑いも持っています)
順当な想像としては、「きっと執事ならマスターキーを持ってるのではないか」といったあたりです。だから源次にアタリをつけて、
「立派なお屋敷ですね。こんなに部屋が多いと、鍵の管理もさぞかし大変でしょう」
なんていう世間話をすれば、源次がマスターキーを携帯していることは聞き出せそうです。
「源次のマスターキーが紛失している」という情報を、みんなに与えたのは、ヱリカです。そして、それを調べたという描写はありません。
もちろん、バックグラウンドで、
「マスターキーが存在する。源次はそれを持っている。それは普段これこれの場所にあるはずだ。そこを探してみたが、それがない」
というこれだけの情報を他の使用人から聞き出し、チェックしたのかもしれません。けど、「自分が奪ったから、マスターキーは紛失されてるよ」という、なめた発言である可能性もあります。
「描写のあるなし」は、ep5以降、どうも細かく問われるものらしいので、このことは意識にとどめておくことにします。
●そもそも封印されてない可能性
幻想法廷でのヱリカの発言から。
「そして、朝。事件が発覚し大騒ぎになった時、私は真っ先に熊沢さんの控え室を確認し、そして封印が健在であることを確認しました。」
これ、おかしいかな、という感じがするんですが、どうでしょうか。
熊沢は、朝、自分で起き出して、厨房に現れました。それで源次が起き出してこないという話になるのですよね?
「事件が発覚し大騒ぎになった」あとで、熊沢は厨房に現れ、郷田たちと楽しげに挨拶したり世間話をした?
熊沢の朝の描写が正しいとするなら、熊沢の部屋の封印は健在であってはならないのです。彼女が、窓から外に出たのでない限りは。
ということで、可能性はふたつ。厨房に現れた熊沢は幻想描写である、か、そもそも封印なんてなかった、か。
後者の場合、郷田、南條の部屋の封印、さらにゲストハウス全体の窓を封印したという話も、疑わしくなってきます。
水着を着て、ハシゴか何かを使って、1階も2階も、外から窓を全部封印したなんて、ウソッパチなのではないか。
どうやって、誰にも不審がられずにそうしたのか。
いつ、どうやって、それを剥がして処分したのか。ゲストハウスの全部の窓にガムテが貼ってあるなんてことを、確かめた人はいません。
●第一の晩・蔵臼と、死体消失
マスターキーさえあれば、蔵臼を殺すのは難しくありません。鍵を開け、蔵臼を縛り上げ、謎の男として夏妃に電話をかけ、蔵臼の声を聞かせ、それから首を切れば良い。
夏妃には、蔵臼が生きていると思わせなければならないので、死体を隠す必要があります。使われていない空き部屋のクローゼットにでも押し込めるくらいでOKと思います。
さて、それ以外の死体。
ヱリカは、これを隠す必要があります。なぜなら、他の5人の死体を消失させない場合、
「蔵臼は死体が確認できない。よって、彼は行方不明。蔵臼が犯人で、逃走したのである」
という可能性が非常に濃厚になってしまい、推理構築にさしつかえます。
でも、全部の死体がその後消えるのなら、
「蔵臼は最初に殺され、最初に死体を移動させられたのだろう」
という印象が、濃厚になります。
5つの死体を発見させ、その後に死体を隠すことにより、「蔵臼だけ死体がない」という不自然さを薄れさせることができます。
ヱリカは、夏妃が娘の死体を確かめたいといって飛び出していったとき、「さあさあみんなで一度ゲストハウスに戻りましょう、戻ったって事態が進展するわけじゃないですけどー」みたいなことを言います。
この推理では、ヱリカは、「死体が消えてる」ことをみんなに見てもらわなければ困るのです。そういう誘導だと見なすことも可能です。
5人の死体隠蔽ですけれど、これはヱリカにそのチャンスがあったのかどうか、難しいところです。描写を見ていくと、シーンは飛んでいますから、その間にやったんだと見なすほかないですね。
源次の死体は、蔵臼同様で良いとして、あとの4人ぶん。
やはり別室に移すか、そうでないのなら、窓から死体を放り捨てる。そして森の中にでもひきずりこんでおく。そんなところでしょうか。
続きます。
続き→ ep5初期推理その5・第二の晩
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
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ep5初期推理その4・第一の晩
筆者-初出●Townmemory -(2009/08/24(Mon) 05:16:14)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=31512&no=0 (ミラー)
[Ep5当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
EP5を読み終えた、直後の考えを書き付けておくシリーズです。
ep5初期推理その1
ep5初期推理その2・ノックス十戒と赤字への疑問
ep5初期推理その3・新たな連続殺人者
以下が本文です。
☆
●第一の晩・ゲストハウス
首をパックリ切られるというのは、これまでにないパターンです。
従来の殺人は、「人体に穴があく」「顔面が破砕される」というパターンがほとんど。礼拝堂殺人は腹部が裂かれていましたが、あれは、腹部を裂いたことが死因とは思えません。
ep4までの、本来の殺人者が第一の晩を行ったのなら、銃なり槍なりといった便利な刺突系の凶器をあえて使わなかった(使えなかった)理由があると見るべき。
もうひとつ。魔法陣のヘブライ語が間違ってるという情報。これは、上層世界の疑わしい人物ベルンカステルがそう言ってるだけのことですが、本当だとすると、これを描いたのは従来の殺人者ではない可能性が高い。
よってep5の第一の晩の犯人は、ep4までの本来の殺人者ではない。これはOKだと思います。
ヱリカだったら、比較的簡単に犯行ができそうです。
いちばん簡単なのは、午前3時以降、そっといとこ部屋に忍び込み、そこに寝ている戦人以外を順番にスパスパやっていく。
こうでも良いです。24時きっかりに、譲治、朱志香、真里亞を殺す。楼座にはあらかじめ、「遺産相続に関して味方してあげるから、午前1時に私のところへ来なさい」とでも言っておく。1時に楼座が来るのを確認し、いとこ部屋に先回りし、暗がりで娘の寝顔を見ようと思った楼座をスッバリ。
どっちにしても、1時という刻限を切って楼座を呼び出す、という条件は必要そうです。なぜ楼座が選ばれたかといえば、彼女は「夫に相談しない」から。
●第一の晩・源次(使用人控え室)
わたしの説ですと、朱志香を殺せばマスターキーが入手できますが、もしできなくっても、屋敷玄関が施錠されたとは描写されてませんし、使用人控え室も鍵がかかってなかったみたいなので(発見時の描写より)、そこに行くぶんには問題ありません。
封印はヱリカが考案したものですので、ビッと剥がして侵入し、源次の首を切り、また新しい封印をすればOKです。
「全ての封印は如何なる方法でも、痕跡を残さずに剥がすことは不可能なり」という赤字があって、これを無視することにしても良いのですが、この赤は「扉側に」痕跡を残さないとは言っていません。
「剥がそうとしたらガムテが破れる」という意味かもしれません。よって、剥がして、新たな封印を貼り直すことは否定されません。
なぜ、殺しやすい郷田や熊沢や南條あたりではなく、わざわざ屋敷の源次が被害者に選ばれたのかといえば、それはもちろん、マスターキーを紛失させる……というより、マスターキーを1本、入手したかったからです。
ヱリカは、マスターキーが5本あって、5人が持っているなんていう情報を、知りません。そして、
「マスターキーが一般のキーよりたくさん存在し、屋敷の主すら1本も持っていないのに、下級使用人たちが1本ずつ所持している」
なんていう、常軌を逸した管理体制は、ふつう想像しません。この屋敷おかしいです。
(余談ですが、「使用人たちがマスターキーを1本ずつ持っている」という条件が、もうまるごと幻想描写なんじゃないのかという疑いも持っています)
順当な想像としては、「きっと執事ならマスターキーを持ってるのではないか」といったあたりです。だから源次にアタリをつけて、
「立派なお屋敷ですね。こんなに部屋が多いと、鍵の管理もさぞかし大変でしょう」
なんていう世間話をすれば、源次がマスターキーを携帯していることは聞き出せそうです。
「源次のマスターキーが紛失している」という情報を、みんなに与えたのは、ヱリカです。そして、それを調べたという描写はありません。
もちろん、バックグラウンドで、
「マスターキーが存在する。源次はそれを持っている。それは普段これこれの場所にあるはずだ。そこを探してみたが、それがない」
というこれだけの情報を他の使用人から聞き出し、チェックしたのかもしれません。けど、「自分が奪ったから、マスターキーは紛失されてるよ」という、なめた発言である可能性もあります。
「描写のあるなし」は、ep5以降、どうも細かく問われるものらしいので、このことは意識にとどめておくことにします。
●そもそも封印されてない可能性
幻想法廷でのヱリカの発言から。
「そして、朝。事件が発覚し大騒ぎになった時、私は真っ先に熊沢さんの控え室を確認し、そして封印が健在であることを確認しました。」
これ、おかしいかな、という感じがするんですが、どうでしょうか。
熊沢は、朝、自分で起き出して、厨房に現れました。それで源次が起き出してこないという話になるのですよね?
「事件が発覚し大騒ぎになった」あとで、熊沢は厨房に現れ、郷田たちと楽しげに挨拶したり世間話をした?
熊沢の朝の描写が正しいとするなら、熊沢の部屋の封印は健在であってはならないのです。彼女が、窓から外に出たのでない限りは。
ということで、可能性はふたつ。厨房に現れた熊沢は幻想描写である、か、そもそも封印なんてなかった、か。
後者の場合、郷田、南條の部屋の封印、さらにゲストハウス全体の窓を封印したという話も、疑わしくなってきます。
水着を着て、ハシゴか何かを使って、1階も2階も、外から窓を全部封印したなんて、ウソッパチなのではないか。
どうやって、誰にも不審がられずにそうしたのか。
いつ、どうやって、それを剥がして処分したのか。ゲストハウスの全部の窓にガムテが貼ってあるなんてことを、確かめた人はいません。
●第一の晩・蔵臼と、死体消失
マスターキーさえあれば、蔵臼を殺すのは難しくありません。鍵を開け、蔵臼を縛り上げ、謎の男として夏妃に電話をかけ、蔵臼の声を聞かせ、それから首を切れば良い。
夏妃には、蔵臼が生きていると思わせなければならないので、死体を隠す必要があります。使われていない空き部屋のクローゼットにでも押し込めるくらいでOKと思います。
さて、それ以外の死体。
ヱリカは、これを隠す必要があります。なぜなら、他の5人の死体を消失させない場合、
「蔵臼は死体が確認できない。よって、彼は行方不明。蔵臼が犯人で、逃走したのである」
という可能性が非常に濃厚になってしまい、推理構築にさしつかえます。
でも、全部の死体がその後消えるのなら、
「蔵臼は最初に殺され、最初に死体を移動させられたのだろう」
という印象が、濃厚になります。
5つの死体を発見させ、その後に死体を隠すことにより、「蔵臼だけ死体がない」という不自然さを薄れさせることができます。
ヱリカは、夏妃が娘の死体を確かめたいといって飛び出していったとき、「さあさあみんなで一度ゲストハウスに戻りましょう、戻ったって事態が進展するわけじゃないですけどー」みたいなことを言います。
この推理では、ヱリカは、「死体が消えてる」ことをみんなに見てもらわなければ困るのです。そういう誘導だと見なすことも可能です。
5人の死体隠蔽ですけれど、これはヱリカにそのチャンスがあったのかどうか、難しいところです。描写を見ていくと、シーンは飛んでいますから、その間にやったんだと見なすほかないですね。
源次の死体は、蔵臼同様で良いとして、あとの4人ぶん。
やはり別室に移すか、そうでないのなら、窓から死体を放り捨てる。そして森の中にでもひきずりこんでおく。そんなところでしょうか。
続きます。
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■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
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