映画でお喋り♪猫とひなたぼっこ

もと映画少女の”猫”のお喋りです♪

『 カポーティ 』

2006年10月22日 | 映画感想(欧米)
予告を観たときから
すっごいなぁ~と 感じた。 
そっか・・ アカデミ主演男優賞受賞したんだっけ・・・
これは 受賞するの当然だね・・・・
予告で チラッと観ただけだったけど
そこにいたのは
ご贔屓の フィリップ・シーモア・ホフマンではなく
知らない人だった。
カポーティの本は読んだことはないし
「ティファニーで朝食を」の 原作者だということしか知らないけれど
これは ホフマンの演技を観に行くだけでも 絶対に価値があるぞ。 と思った。


     映画の感想の前に 嬉しいことがひとつ!
     平日 20:00からの上映で 観客は私一人!
     つまり 貸切だったのですぅ~~~~♪ 

     ちなみに 貸切体験は 2回目。
     1回目は 平日お昼の(大人向け→成人向けじゃ ないよ!)アニメ。


さて 感想です。
冒頭にも書いたけれど
まずは
ホフマンが 完全に 「彼」を脱して カポーティになりきっている(であろう)
ことに脱帽。
ちょっと 聞き取りにくい話し方もそうだけど
あれ? ホフマンって こんなに小柄だったっけ・・? 
   いくらなんでも 身長は削れないよね~・・・(^_^;)
今までの 
    『 マグノリア 』しかり 『 パッチ・アダムス 』 しかり 『 ハピネス 』 しかり 『 フローレス 』しかり・・
    近いところでは 『 Mi:3 』 しかり・・・・

役者 フィリップ・シーモア・ホフマン が 見事に消え去っているのです。


最初は 自分の「本」の 「ネタ」ため に興味を持った事件。
すでに 名声を得ていた地位をフル活用し 取材をしていく・・
その姿は
ちょっと うがった 見方をすると 死者に群がる ”ハイエナ” のようでもある。
     でも 多分 そういう貪欲さ や 気力・集中力・好奇心がなければ
     名のある 小説家 になんぞ なれないのだろう・・・

死刑囚に 近づくうちに
「彼」から 自分と同じようなものを感じる
映画の中で カポーティは
    ”同じ家で育ったけれど
    「彼は 裏口から出て」 「僕は 表玄関から出たんだ」” と話す。
「彼」に シンパシーを感じながらも
もう一つの 顔で するりと 嘘をつく
    「題名は まだ決まっていないんだ・・」


執筆が進むうちに 葛藤が始まる・・・
助けたいけれども 死んでくれないと 本が書き終えれない。 結末が書けない。

   宣伝のキャッチコピー
     ”何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む ” は 
   見事に その心境を言い表していた。

「彼」は自分にとって ただの「素材」なのか?
自分は 「人間」を 「モノ」 として 扱う人間なのか・・?
冷血なのは むしろ自分の方なのではないか??

突然の処刑が決まり ホッと胸をなでおろす自分への 嫌悪感。
だがしかし 「彼」は
最後の最後で カポーティに感謝し そして多分 カポーティを赦した。


トルーマン・カポーティが 「冷血」を発表してから
筆を折った・・
その理由が この映画で明かされたように思う。

とりあえず その葛藤の元に書かれた 傑作!
「冷血」を 読書の秋 に一番に読もうと思った。


  2006.10.17  「カポーティ」  中川コロナワールドにて鑑賞  ★★★★


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (平賀太一)
2006-10-22 21:42:42
はじめまして、面白いブログですね。私も映画の最新情報サイトをやってますので、良かったら遊び、来てください。お待ちしてます。
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こんにちは (manimani)
2006-10-23 05:25:39
TBさせていただきました。

私も観た後「冷血」買いました~

いつ読もうかなあ。
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フィリップ (冴子)
2006-10-23 18:48:06
私も「フローレス」でのゲイ役を観て以来の彼のファンです。

今回もすごいと思いました。

そういえば先日TVで「リプリー」を観たら、あれにも出てましたね。



「冷血」を買おうかどうしようか迷って、本屋でチラッと文庫を見たら、カポーティの写真が出てました。

見事にそっくりでした。

さすがに喋り方は知りませんが、あれもそっくりなんだそうですね。



でも「冷血」やっぱり読む気にはなりませんでした。

完全なノンフィクションだしね…

私も「冷血」はカポーティ自身だ、と感じたわ。



映画観て驚いたのは、あの当時アメリカは絞首刑だったのね。

「グリーン・マイル」の時は電気椅子だったのに…

州によって違うのかな?
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TB&コメントありがとうございました ()
2006-10-24 13:02:05
>平賀さん

貴サイトを覗いてきました。

DVDの発売日などがチェックできて

ありがたいですね。見逃した映画はDVDで後追いで

観れますもんね

(でも 私は新作上映の鑑賞をこなすだけで精一杯!笑)



>manimaniさん

私も欲しがるくせに

なかなか読めないです。

読み出すと きっと一気に読んじゃうんでしょうけど・・

とりあえずBOOKOFFに予約しました~(笑)
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シーモア・ホフマン ()
2006-10-24 13:11:02
冴子さんもファンでした??

彼って凄いでしょ??

そうそう『リプリー』にも出てましたね。

有名な映画では脇役張ってたんだけど

『Mi:3』で 堂々と表に出ましたね。

でも 私は 『マグノリア』のような出方が好きです。

味のある演技派だと思うので。

絞首刑か 電気椅子か??

私もアメリカはみんな電気椅子だと思っていたのですが

昔だからなのか?

地方だからなのか?? 

考えてみたら

こんなに狭い日本だって

ゴミ処理の仕方が 自治体によって違うんだから

(焼却炉が新しい・ふるい・処分する場所がある・ないetc つまりは自治体の財政によって)

死刑方法が違っても当たり前かも?



ちなみに「死刑」は先進国(昨今 この語彙を使うのは抵抗ありますが・・)

では 

アメリカと日本だけみたいですね。

(他国ではあっても 死刑反対論が盛んらしい)
返信する
コメントありがとうございました (nyanco)
2006-10-24 14:46:37
こんにちは!

映画祭の記事にコメントありがとうございました。

私もカポーティにTBさせていただきました。

猫さんのトップページを拝見して、もう虹の女神やプラックダリアもご覧になったのですね。すごい、早いです~。

私も観にいきたいと思っていた作品なので、ぜひ参考にさせてもらいますね。



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こちらこそ♪ ()
2006-10-25 00:17:42
>nyancoさん

「虹の女神」は 試写会だったので。

観られて 題名の意味がおわかりになったら

教えてくださいね。m(__)m

「ブラックダリア」はいろんな意味で 語れる映画だと思います。(笑)

こちらからも「カポーティ」にTBさせて頂きますね♪
返信する
初めまして (とらねこ)
2006-10-25 23:20:42
猫さん、コメント&TBありがとうございました。

こちらでは初めまして

猫仲間ということで、今後もよろしくお願いします

そうですか、猫さんは、やはりホフマン目当てでしたか。

いいですよね、私はリプリーの時、というのは今言われて気づきました。

あの最後に出てくる人ですよね?

カポーティを演じたホフマンは、私には今までの嫌悪感を感じず、影のある天才として、憎めないように思えてしまいました・・・

たぶん、私だけかもしれませんが(汗)



猫さん、今後もどうぞよろしくお願いします。
返信する
コメントありがとうございました ()
2006-10-26 00:48:51
>とらねこさん

さっそくお越しいただきありがとうございました。

そちらにもコメントさせていただきましたが

「冷血」を読んでから・・観たらまた違った見方ができただろうな・・と思いました。

映画の中のカポーティは

人間らしいし 自分のしたことに対して

半分 後悔しつつも 本を書きたいという欲望

(そのために人を利用したという自覚もあった)

が 強かったと思います。

彼に自分を重ねすぎ 苦しんだ部分もあったでしょうね・・

こちらこそ 今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m

ちなみに 今我が家にいるのは キジトラです。(笑)
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