映画でお喋り♪猫とひなたぼっこ

もと映画少女の”猫”のお喋りです♪

『 愛より強く 』

2006年07月19日 | 映画感想(欧米)
とても骨太で 地に足つけたドイツらしい映画でした。
人生はこの映画のように、
ちょっとした事で道が変わってしまう・・・という事を実感している私には
非常に切なく、そして面白かったです。

もしあの時、彼女がドイツに残っていたら?
もしあの時、ヤケを起こさず 飲み過ぎず 男達にからまずにいたら?
・・・・・
     だけど容赦なく人生は動いていく・・・・

ジャイトにとって シベルは自分を救い 生き甲斐を持たせてくれた人だけど
シベルにとって 娘の父親は 同じように自分を救ってくれた人・・・
・・・・・故に、ジャイトの気持ちは わかるけれど、
どうか彼について行かないで・・・・と願っていました。

シベルは最初、戒律に反発することで 「自分」 を保ち
反発する事が 「自分」 なのだと思っていたけれど
娘を産み 育て 
  家族との穏やかな生活をおくることによって 
新しい
「本当の自分」を持つ事ができたんだと思います。

ハンブルクでの二人のそれぞれの嫉妬シーンは 非常によくわかり
恋愛映画としても よく出来ていたと思います。
もしかしてシベルの娘が成人した後、
またあの二人は 出会うかもしれない・・・・
と思いつつも
「完結する」 からこそ 「美しい 愛の思い出」 になるのかもしれないな・・・
とも思いました。

ちょっとだけ ジャイトを見守る美容師さんが気の毒でした。
きっと彼の事を ずっと支えているだろうに
報われないというか 与えるだけの愛に徹していて・・・
でも
世の中にはそんな風に 支えるだけの愛を注ぐ女(男)も結構いるんだろうな・・・
と推察もします。

ジャイトにも 新しい人生が切り開ける事でしょう。
叔父!(笑) が最初言っていたように
「自殺なんてしなくても人生を終わる事はできる」のですから。


この映画を観る前に
どうも リピートするつもりが 時間を間違えて 
同じ監督の 『 太陽に恋して 』だけを観て映画館を後にした 
初老(70歳前くらい)の男性が
「 次の映画は いいよ! すっごく いいよ! 」
と言っていかれたのが とても印象に残っています。

名演の Sさん曰く
「映画上級者 には いいってことがわかる 映画」
・・・・ というより 人生の甘さも辛さも 喜びも哀しみも
     もちろん 痛い恋をした経験も
     知っている 人への 映画 なんだろうな・・・・と 思います。

  2006.06.10  「愛より強く」  名演小劇場にて鑑賞  ★★★★



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