LD (学習障害) 主に学習面の障害
ADHD (注意欠陥・多動性障害) 主に行動面の障害
高機能自閉症 主に社会性・コミュニケーション・想像力の障害
アスペルガー症候群 高機能自閉症のうち、特に知能の高い場合
従来の特殊教育を特別支援教育として、こうした軽度発達障害に対する支援の流れができつつあります。
こうした中で今日、発達障害児研修会に参加しました。軽度発達障害の子どもたちに具体的にどのような支援を行うかという研修でした。
(愛知県教育委員会主催・発達障害児研修会)
◆小中学校において、特別支援教育はどう変わるのか
これまでの特殊教育は、
①特殊学級…特殊学級に籍を置いて。
②通級指導…軽度の障害(情緒障害、言語障害、聴覚障害)の児童生徒は、通常の学級に在籍し、通級によって。
③盲・聾・養護学校に入学して。
の3つ形で行われていました。
これを、今後、LD、ADHD、高機能自閉症の児童生徒も対象にしていこうというものです。対策としては、
①通常の学級と特殊学級との交流促進
②特殊学級担任の活用による通常学級在籍のLD、ADHDの児童への支援
③通級指導の拡大によるLD、ADHDの児童への支援
④盲・聾・養の教員による巡回指導
などがありました。
◆大切にしたい考え方
・脳の障害は、叱責・注意では治らない。
・彼らは「困らせる子どもたち」なのではなく、「困っている子どもたち」
・軽度発達障害の最も有害な点は「自尊心を失うこと」
・診断は「生きにくさ」を抱えた子どもに「生きやすく」なってもらうためにある
◆具体的な方策
・頭ごなしにおこらない。行動の意味や原因をさぐる。まず理由を聞く。
・言葉だけの指示は残らない。眼で見えるカード、掲示の工夫。
・達成可能な目標を立てる。「3行かけたらいいよ」
・自分の気持ちをコントロールする訓練をする。
・予定、見通しをあきらかにする。
◆「成功体験を持たせてほしい」
こうした子にとって「失敗は成功のもと」とはならない。失敗の体験はトラウマになる。周囲の反応に敏感な子も多い。ほめられるとやろうとう意欲につながる。こういうことをしたらほめられるというパターンを理解させることが、指導の一歩。よい循環をつくり出す。
また、力でねじ伏せる指導でなく、その子を理解する立場にたってというお話がありました。
パニックに陥った子どもに対して、教師が優しい態度で接することによって、学級の雰囲気がその子に対して優しくなる。力でその子をねじ伏せる指導は、学級のその子に対する態度を冷たいものにする。パニックに陥った子どもは、そうした周りの子の反応を感じてさらにエスカレートする。
今回のお話のベースは、
教師が、変わることで、「困っている子ども」を手助けすることができる。
どういう支援をすればいいか、目の前の子どもとともに生活しながら実践していく。
ということにあった感じました。
これは、特別支援にかかわらず、われわれ教師が常に心がけることと感じました。
<おまけ>
会場で、ブログで時々お話する"ガク爺様"にお会いしました。お元気そうでした。
<関連サイト>
▼愛知県教育総合センター・特別な教育的ニーズにある子どもの教育に関するコンテンツ
http://www.aichi-c.ed.jp/contents/shien/index.htm