寓風記聞

令和世間話 自然災害 ミサイル 【記事不許複製】

心配していた大津波が現実となってしまったこと。

2012-08-19 17:02:35 | 災害
 「千年に一度の未曾有の大震災」などと言うが、それは違う。
 1923年(大正12年)の関東大震災では10万人以上の人が亡くなり、神奈川を中心とした関東全域が甚大な被害を蒙った。

 このことを忘れて、マスコミは「千年に一度の未曾有の大災害」などと前置きをして報道してきた。誰の発案か知らないが、「それは違うだろう。」と思う。
 マグニチュード9.0の地震は千年に一度の大規模地震ではあったかもしれないが、客観的にみると被災規模は関東大震災の方が大きかった。

 余談だが関東大震災発災後二日にして、現岩手県奥州市(旧水沢市)出身の後藤新平が帝都復興院総裁として復興事業に当った(但し4ヶ月で退任)ことと、現在の政局の間に何か因縁めいたものを感じないわけにゆかない。
 多くの岩手県民が同じ水沢出身の小沢一郎氏に現代の後藤新平たらんことを期待したに違いない。
 小沢一郎氏のこの大震災への対処が彼の評価の最後の分かれ目となったのではないだろうか。
 明治29年三陸大津波の際は、時の内務大臣板垣退助が盛岡から人力車、駕籠を乗り継いで三陸宮古に駆けつけていることなどを知るにつけ、小沢氏あるいは側近の人心掌握術の限界だったのだろうかと思う。

 2005年以来、このブログで語ってきたが、三陸地方の津波の歴史については、多くの人々が文章や石碑、写真などを通じ、その事実を伝えてきていたのだ。
 7年前に「今後20年以内に99%発生の危険」を心配していた大津波が昨年本当に襲ってきて、自分が少しも役に立てなかったことが悔しく、腹立たしくもあった。
 親族や家屋敷、仕事を失った人々の苦悩、苦労はいかばかりか。

 東日本大震災に続発した福島第一原発事故は現在進行形で、放射性物質とともに被害は拡散している。収束に向けた関係者の作業も果てしない戦いのように思える。

 米国はわが国口蹄疫発生以来の牛肉の輸入制限を更に延期した。
 農林水産物への影響は計り知れない。

 オリンピック開会式における日本選手団の退場問題の本当の理由は知る由もないが、一部に語られる原子力災害がもたらした差別の可能性も否定できないような気もする。

 津波は三陸(陸前、陸中、陸奥)の宿命、いや日本の宿命である。
 [tsunami]が国際語として定着したわけはここにある。
 津波の歴史を乗り越えて、これまで再生を繰り返してきたのだから、それは大変な努力だったに違いない。

 しかし、これまでは津波被害からの再生の過程に原子力災害が存在したことはなかった。
 自然災害の前に人は無力だが、せめて人災は防ぎたい。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« SPEEDI緊急時迅速放射... | トップ | 政局に気をとられている間に... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

災害」カテゴリの最新記事