“戊辰戦争で薩長軍が掲げた「錦の御旗」はニセモノだ”という奇妙なことを言う人達が居るらしい。意味不明と言うしかない。
「錦の御旗」というのは天皇配下の軍団であることを示す旗印である。戊辰戦争時の薩長軍は仁和寺宮嘉彰(にんなじのみや よしあき)親王や有栖川宮熾仁(ありすがわのみや たるひと)親王といった皇族を総大将として戴いた正式な官軍であり、その官軍が朝廷の許可を得た上で「錦の御旗」を掲げたのだから、それは当然“本物の「錦の御旗」”である。
「錦の御旗」には決まった意匠・形式は無く、其れに相応しいと思われる旗を使用する軍団が自分で用意する。その軍団が朝廷から「官軍」認定を受け「錦の御旗」を掲げる許可を得たら、彼らが掲げる「錦の御旗」は“本物の「錦の御旗」”となる。
「錦の御旗」それ自体の意匠がどうであるかとか誰がどういう経緯で準備調製したかといったことは全然関係が無い。例え子供が習字紙に想像で適当に書いた「錦の御旗」であったとしても、もしそれが正式な官軍に「錦の御旗」として正式採用されたら“本物の「錦の御旗」”なのだ。
『薩長軍「錦の御旗」ニセモノ説』を語る人は、肝心な“本物の「錦の御旗」”の定義に言及しない。“本物の「錦の御旗」”の概念が其の頭の中に無いまま口先筆先だけでテキトーなことを言ってるわけだ。
“薩長軍の「錦の御旗」はニセモノである”と言う為には、“実は薩長軍は「官軍」ではない”あるいは“「錦の御旗」を掲げる許可を得ていない”という事を論証するしかない。そんな論証に誰か成功したのか?私は聞いたことない。
以下、ZAKZAKより引用。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141119/dms1411191550001-n1.htm
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【反撃せよ!ニッポン】戦争の真理が凝縮された「勝てば官軍」 戦後GHQが「大東亜戦争」を禁じた理由
2014.11.19
★(2)
日本語の「勝てば官軍」ということわざは見事である。短いフレーズに戦争の「真理」が凝縮されている。両者が戦争に至った経緯や社会背景、その後の経過、戦時中の出来事、勝利を得た手段などにかかわらず、最終的に勝った側が「官軍」、すなわち「正義」を語る権利を得るのだ。恐らくこれは時代や洋の東西を問わず、永遠の真理だと思う。
勝利によって「正義」を得た側は、過去の味方の不正義と、敵の正義を隠蔽する。日本の近代史で言えば戊辰戦争で倒幕軍が掲げた「錦の御旗」は薩摩藩・長州藩が作成した偽物だった。つまり明らかな不正義である。
しかし、これが討幕軍の士気を高め、徳川幕府側の動揺を誘うなど、大いに効果を発揮した。戦争終結後、明治新政府による真実の隠蔽、正当化、情報操作などが行われただろうことは想像に難くないが、今さら徳川家の子孫が文句を言ったところで後の祭りである。
(後略)
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