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有効性
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ヒ ト で の 評 価
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循環器・ 呼吸器
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・亜鉛欠乏症の人における鎌状赤血球症に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。 ・心臓に対する保護作用に関する疫学的科学的根拠はほとんどない (25) 。 ・亜鉛不足の人における、動脈および静脈性下肢潰瘍に、経口摂取で有効性が示唆されている (66) が、亜鉛が十分である人では効果がないとされる 。静脈性下肢潰瘍の治療に対する有益性は不明であるとの見解もある (25) 。 ・健康なボランティア186名 (試験群100名) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、抗酸化物質 (1日にビタミンC 120 mg、ビタミンE 30 mg、β-カロテン 6 mg、セレン 100μg、亜鉛 20 mg) を2年間摂取させたところ、尿中の11-dehydro TXB2/2,3 dinor 6 keto PGF1α (血小板活性化の指標で冠状動脈性心疾患リスクと相関する) が低かったという報告がある 。 ・HIV感染者を含む肺結核患者154名 (試験群77名、平均30歳、南アフリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、レチニルパルミテート (パルミチン酸レチノール) 200,000 IU/日と亜鉛15 mg/日を8週間摂取させたところ、治療成績や体重増加に影響は認められなかったという報告がある 。
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消化系・肝臓
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・栄養失調または亜鉛欠乏症の小児における急性下痢の期間と症状を軽減するのに経口摂取でおそらく有効と思われる (66) 。下痢消耗症のHIV感染者において、ビタミンAおよびEとの併用摂取で、ビタミンの吸収を改善しないことが示唆されている 。 ・急性下痢の小児808名 (6ヶ月~59ヶ月齢、試験群537名) を対象としたインドにおける二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛2 mg/kg/日を2週間、単独もしくは銅0.2 mg/kg/日と併用摂取させたところ、下痢の期間や症状に影響は認められなかったという報告がある 。 ・2009年までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験37報について検討したメタ分析において、小児による亜鉛の摂取は、下痢の罹患率と有病率の低下と関連が認められたが、慢性下痢や赤痢の罹患率、死亡率との関連は認められなかったという報告がある 。しかしながら、試験によるばらつきが大きく、さらなる検証が必要である。 ・消化性潰瘍の治療および予防に有効性が示唆されている (66) 。アセキサム酸亜鉛 (zinc acexamate) はH2受容体拮抗薬と同程度、胃および十二指腸潰瘍を改善する可能性が示唆されているが、他の塩の効果はよく知られていない (66) 。 ・亜鉛が銅の吸収の阻害および排泄を促進するため、経口摂取でウィルソン病の症状改善に有効性が示されている (66) 。 ・亜鉛不足で慢性再発性アフタ (消化管粘膜に浅い小潰瘍を形成する病変) の患者に660 mg/日の亜鉛を摂取させると症状が改善したという報告がある が、亜鉛が十分である人では効果がないとされる 。 ・炎症性腸疾患の治療には、効果がないことが示唆されている (66) 。
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糖尿病・ 内分泌
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調べた文献の中で見当たらない。
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生殖・泌尿器
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・鉄と葉酸のサプリメントを摂取している妊娠中の女性において、亜鉛の経口摂取は鉄状態の改善に対し、効果がないことが示唆されている (66) 。 ・貧血のある妊娠中期 (20.9±1.4週) の妊婦80名 (20~38歳) (試験群24名) を対象に亜鉛 (β-アラニル-L-ヒスチジネイト亜鉛として1日34 mg) を8週間投与したところ、インスリン様成長因子-Iと総鉄結合能が増加し、新生児の出生体重2,500 g未満の例が少なかったという報告がある (2001119808) 。
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脳・神経・ 感覚器
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・神経性食思不振症 (拒食症) に経口摂取で有効性が示唆されている。亜鉛のサプリメントは患者の体重を増加させ、抑うつ状態を改善する可能性がある (66) 。 ・健康な高齢者387名 (55~87歳、試験群257名、イタリア、フランス、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、亜鉛15 mg/日または30 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、気分 (the Positive and Negative Affect Scale) に影響は認められなかったという報告がある。 ・注意欠陥過活動性障害 (ADHA) の児童における、多動、衝動性、社会的不適合の症状の改善に、従来の治療法との併用で有効性が示唆されているが、注意欠陥は改善しないと考えられる (66) 。 1) ADHDの児童 (対照群202名、平均9.61歳) 400名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛150 mg/日を12週間摂取させたところ、多動、衝動性、社会的不適合を改善したが、注意欠陥症状は改善しなかったという報告がある 。 2) 5~11歳のADHA患者44名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛 55 mg/日 (亜鉛量として約15 mg) をメチルフェニデート 1 mg/kg/日と6週間併用させたところ、亜鉛併用群ではメチルフェニデート単独投与群より症状の改善が認められたという報告がある 。 ・ADHDの小児患者では血清中亜鉛濃度が低いという報告 (PMID:8があり、亜鉛濃度の低い患者では刺激薬治療 (デキストロアンフェタミン) が十分な効果を示さないという報告もある 。 ・4~6ヶ月齢の健康な乳児560名 (試験群421名、タイ) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛10 mg/日、鉄10 mg/日を単独または併用で6ヶ月間摂取させたところ、9歳の時点における認知機能 (IQ、WISC-III、学校の成績) に影響は認められなかったという報告がある 。 ・味覚減退 (亜鉛欠乏によるものだけでなく、ガスチン/炭酸脱水酵素VI欠乏症、カプトプリル服用や頭部の放射線療法による味覚障害など) に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。成人尿毒症患者において、経口または透析液による亜鉛補充は味覚を改善するが、小児透析患者ではおそらく効果が無い (66) 。 ・抗酸化作用のあるビタミンとの併用摂取で、加齢性黄斑変性の進行を遅らせるのに有効性が示唆されている (66) 。ただし、亜鉛単独経口摂取では予防に対し、効果がないことが示唆されている (66) 。亜鉛80 mgとビタミンC500 mg、ビタミンE400 IU、βカロテン15 mg (いずれも1日量) を併用摂取したところ、中等症から重症の加齢性黄斑変性患者のうち、27%で視力低下のリスクが低減し、28%で病状進行のリスクが低減した。これは亜鉛単独摂取ではみられない (66) 。大規模疫学調査では、食事からの亜鉛の摂取が多いと加齢性黄斑変性の進行を抑制する可能性が示されている 。 ・2007年2月までを対象に7種のデータベースで検索出来た無作為化臨床試験 (RCT) および前向きコホート試験12報についてのメタアナリシスにおいて、抗酸化物質 (ビタミンA、C、E、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチン、αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン) の食事摂取量と早期加齢性黄斑変性症の発症の間には相関がなかったという報告がある 。 ・頭部外傷直後に非経口投与することにより、神経機能の回復に有効性が示唆されている (66) 。 ・抗酸化作用のあるビタミンとの併用摂取で、白内障には効果がないことが示唆されている (66) 。55~80歳の栄養状態のよい人において亜鉛80 mgとビタミンC500 mg、ビタミンE400 IU、βカロテン15 mg (いずれも1日量) を併用摂取したところ、白内障の発生や進行、手術の必要性について何の効果も見られなかった。ただしもっと早い段階での介入や長い期間のサプリメント投与での効果については不明である (66) 。 ・耳鳴りの治療に対し、効果がないことが示唆されている (66) 。
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免疫・がん・ 炎症
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・単純ヘルペスに対して外用で有効性が示唆されている (66) 。硫酸亜鉛は口唇および性器ヘルペス両方の症状と発症期間を改善するようである (66) 。顔面および口囲ヘルペス患者46名を対象とした無作為化二重盲検臨床試験において、発症から24時間以内に0.3%酸化亜鉛とグリシンのクリームを2時間毎に治癒するまで、もしくは21日間使用したところ、発症期間の短縮および諸症状の緩和が認められたという報告がある 。
・アトピー性皮膚炎には効果がないと考えられる (66) 。アトピー性皮膚炎患者50名 (1~16歳) を対象とした二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛185.4 mg/日を経口摂取させても、表面積、紅斑の重症度、痒み、睡眠障害の軽減や治療薬の減量は見られなかったという報告がある 。 ・湿疹、乾癬およびリウマチに由来する関節炎の治療には経口摂取で効果がないことが示唆されている (66) 。
・風邪の予防や罹患期間の短縮に対する効果は、成人の罹患期間短縮にトローチ剤摂取の有効性が示唆されている (66) が、小児における亜鉛トローチの効果は成人と一致しない (66) 。経鼻投与の効果は見解が一致せず、亜鉛のスプレー式点鼻薬が症状の軽減と期間を短縮するという報告がある一方で、効果が無いとする報告もある (66) 。また、風邪の予防にはサプリメントからの亜鉛の摂取は効果が無いと考えられる (66) 。いずれにおいても、現時点では、ポジティブな結果とネガティブな結果の両方が存在しており、個々の情報は下記のようになっている。
<風邪に対する有効性が示唆されたという報告> 1) 多くの研究で、成人がグルコン酸亜鉛または酢酸亜鉛のトローチ剤 (亜鉛として9~24 mg含有)を摂取すると、カゼの症状期間が有意に短縮されると報告されている (66) 。この場合、症状が出てから48時間以内にトローチ剤の摂取を始め、日中は2時間おきに摂取する必要がある。この摂取法は小児には有効でない (66) 。 2) 学童496例を対象とした臨床試験において、グルコン酸亜鉛トローチの投与が風邪の期間を短縮した 。 3) 18歳以上の風邪の患者45名 (試験群22名) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛13.3 mg含有トローチを2~3時間おきに摂取させたところ、罹患期間、せき・鼻水の持続期間の短縮と自覚症状スコアの早期改善、炎症マーカー (sIL-1ra、ICAM-1) の減少がみられた 。
<風邪に対する有効性が認められなかったという報告> 1) 2006年12月までを対象に、Medlineデータベースで検索可能な無作為化比較試験14報について検討したところ、風邪に対する亜鉛トローチやスプレー式点鼻薬の効果は確認できなかった 。 2) 成人のライノウィルス感染患者273名および風邪の患者281名 (18~65歳) に酢酸亜鉛5,11.5 mg含有トローチまたはグルコン酸亜鉛13.3 mg含有トローチを日中2~3時間おきに14日まで使用させたが、期間や症状の改善は認められなかった 。 3) 風邪の症状が現れて24時間以内の小児247名 (6~16歳) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、グルコン酸亜鉛 (亜鉛として10 mg含有) のトローチを1日5~6回使用させても回復までの期間に変化は見られなかった 。 4) 成人79,240名 (21~65歳) を対象としたコホート試験において、食事からの亜鉛摂取と風邪の発症には相関が得られなかった 。
・風邪に対して亜鉛が効果を示す上でイオン化が重要な役割を果たしていると考えられるが、クエン酸やマンニトール、ソルビトールなどの香料は亜鉛をキレートし、亜鉛のイオン化を減少させる可能性がある (66) 。 ・上気道感染症に対する亜鉛 (グルコン酸塩) の有益性は不明である (25) 。 ・急性下気道感染症の乳幼児106名 (試験群53名、平均6ヶ月齢、インド) を対象とした三重盲検無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛20 mg/日を5日間摂取させたところ、症状が改善するまでの期間や入院期間に影響は認められなかったという報告がある 。
・高齢者において、硫酸亜鉛25 mg/日の経口摂取により細胞性免疫が向上すると考えられる が、抗体反応およびインフルエンザワクチン後のインフルエンザ感染の発症に対する効果はないと思われる 。血液透析患者では亜鉛欠乏のリスクが高いが、亜鉛を投与してもインフルエンザワクチンへの反応は改善しないと思われる 。 ・経口摂取で免疫機能を向上させるのに、効果がないことが示唆されている (66) 。亜鉛等の血清中濃度が低い、介護施設の高齢者81名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、亜鉛20 mg/日とセレン100μg/日を組み合わせて投与すると感染症の罹患率が減少したという予備的な知見もある が、亜鉛欠乏リスクの無いヒトにおいては亜鉛のサプリメントは免疫機能を向上させないと思われる 。 ・亜鉛は栄養不良の3ヶ月から5歳までの子供の肺炎の発生率を低下させる (66) 。亜鉛は肺炎のリスクを20%まで減少させるが、症状の継続期間は短縮しないという報告がある。 ・2~23ヶ月の入院患者270名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、病院における標準的な抗菌剤投与と併せて20 mg/日の亜鉛を摂取させたところ、重度の肺炎の継続期間が短縮したという報告がある 。また、軽度の呼吸器感染症のリスクを減少させると考えられる 。 ・はしかと肺炎を併発した9ヶ月~15歳の患者に標準的な抗菌剤と100,000 IUのビタミンAに、20 mg/日の亜鉛を6日間併用しても、亜鉛による追加効果は認められない 。 ・急性細菌性肺炎の乳幼児98名 (2ヶ月齢~5歳、試験群49名、インド) を対象とした単盲検無作為化プラセボ比較試験において、抗菌薬の服用と共に亜鉛20 mg/5 mL含有のシロップを、1歳未満は2.5 mL/日、1歳以上は5 mL/日、14日間摂取させたところ、症状の持続期間、治癒率に影響は認められなかったという報告がある 。 ・栄養不足の子供のマラリアの予防や治療に経口摂取で、効果がないことが示唆されている (66) 。
・前立腺がんに対して効果がない、もしくはリスクを上昇させると考えられる (66) 。 1) 男性3,616名を対象とした無作為化臨床試験において、1日に亜鉛20 mg、ビタミンC 120 mg、ビタミンE 30 mg、β-カロテン6 mg、セレン100μgを平均8年間摂取させたところ、前立腺特異抗原 (PSA) が低い人では前立腺がんのリスクを減少するかもしれないが、PSA 3μg/L以上の人ではリスク減少は認められなかった 。 2) 大規模調査においては、亜鉛サプリメントを100 mg/日以上もしくは10年以上摂取している人では前立腺がんの発症リスクが高かった 。 3) マルチビタミンを週7回以上摂取していて、個別に亜鉛も摂取している人では前立腺がんに関連する死亡率が高かった 。
・腸性先端皮膚炎に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。 ・経口摂取で陽性肢端皮膚炎 (乳幼児期に見られる亜鉛の吸収障害による疾患。進行性の皮疹を主症状とする) の改善に有効である可能性が示唆されている (66) 。アレルギー疾患の既往症がある43歳女性が、壊死性末端紅斑およびC型肝炎の感染が見られ、亜鉛220 mg×2回/日の経口投与とインターフェロンα-2bを3×106 U、3回/週の皮下注射による治療を行ったところ、6ヶ月後に治癒したという報告がある 。 ・歯磨き粉もしくはうがい薬に亜鉛単独もしくはトリクロサン(抗菌剤)との組み合わせで用いた場合、歯垢の蓄積、歯肉炎、歯石の形成を抑制すると考えられる (66) 。 ・ハンセン病に対して、亜鉛の経口摂取は医薬品との併用で有効性が示唆されている (66) 。ハンセン病患者は亜鉛濃度が低いことがわかっている。初期の臨床試験では、薬剤治療に亜鉛を加えたところ、ステロイドの使用量を減らすことができた (66) 。
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骨・筋肉
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・週3回以上筋痙攣 (こむらがえり) がある亜鉛欠乏症の肝硬変患者12名に硫酸亜鉛を220 mg×2回/日 12週間摂取させたところ、筋痙攣が消失あるいは頻度と痛みが減少したという報告がある 。 ・亜鉛摂取量や血清亜鉛濃度の減少と骨ミネラル濃度の減少は男女ともに相関関係がある (66) 。閉経後女性において、銅、マグネシウム、カルシウムとの組み合わせで骨量の減少を抑制する可能性が示唆されている (66) 。
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発育・成長
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・血中の亜鉛濃度が低い妊婦において、胎児の体重および頭周囲の増加に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。また、亜鉛欠乏で成長不良の新生児において、成長促進および健康の向上に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。 ・妊娠10~24週の女性645名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、鉄60 mg/日および葉酸250μgに併せて亜鉛15 mg/日を出産4週間後まで摂取させても鉄の状態を示す指標であるヘモグロビン値および血清フェリチンに変化は見られなかったという報告がある 。 ・1984~2009年を対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、妊娠中の亜鉛投与は子どもの出生時体重に影響を与えないという報告がある 。 ・亜鉛欠乏の子供の成育を促進するのに経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。亜鉛のサプリメントは亜鉛欠乏リスクにさらされた発展途上国の子供の成育促進に有効であるが、サプリメントより栄養強化食品のほうが実践的であるとする研究者もいる (66) 。 ・ビタミンA欠乏症の子供のビタミンA状態を改善するのに有効性が示唆されている。亜鉛はビタミンAと組み合わせる事により、それぞれ単独よりビタミンA充足率を改善するようである 。 ・栄養不足の子供のマラリアの予防や治療に対して、経口摂取で効果がないことが示唆されている (66) 。
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肥満
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調べた文献の中で見当たらない。
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その他
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・脱毛症の治療には、効果がないことが示唆されている (66) 。 ・ニキビの治療に経口摂取で、またエリスロマイシンとの併用で外用でも有効性が示唆されている (66) 。規模が小さいが、ほとんどの結果から、亜鉛がニキビを改善すると思われる (66) 。ただし従来の治療法との比較は明らかでなく、テトラサイクリン系との併用は結果が一致しない (66) 。 ・歯磨き粉もしくはうがい薬に亜鉛単独もしくはトリクロサン (抗菌剤) との組み合わせで用いた場合、歯垢の蓄積、歯肉炎、歯石の形成を抑制すると考えられる (66) 。 ・高齢女性38,772名 (平均61.6歳、アメリカ) を対象に平均19年間の追跡を行ったコホート研究において、カルシウムサプリメント利用者では総死亡リスクの低下が認められたが、マルチビタミン、ビタミンB6、葉酸、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅サプリメントの利用者では死亡リスクの増加が認められたという報告がある。
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