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禁煙始めます。

2012-09-26 17:24:30 | 体に良いもの

昨日から禁煙始めました。

きっかけは朝起きて咳が出てのどにタンがからむのです。

仕事の合間に病院を訪ね禁煙治療御願いしたいと受付を済ませました。

先生の診察をしますので診察室へ御願いしますと言われ診察室の中へ。

何を診察するのかドキドキ・・・

結果は血圧と息を大きく吸って15秒止め紙の筒をくわえて大きく息を吐く二酸化炭素の検査。この2点でし

た。血圧問題ない。肺の中の二酸化炭素の量の中間位で間違いなく喫煙者です。と言われました。

禁煙しますと言う誓約書を書きがんばろうと思いました。

この禁煙の支援者だれかいますか。その方の名前を記入願います。と言われました。

先生に妻の名前を書きたいが禁煙を始めたことを内緒にして後でびっくりさせたい。と伝え一応妻の名前を

記入しました。

思えば40年以上もタバコを吸い続けています。本当にやめられるか自信がありません。

先生いわく一度にやめなくてもいいですよ。少しづつやめるようにしましょう。

禁煙宣言をしたその日にタバコをひと箱買いました。

昨日10本吸い今日も10本吸いました。いつも20本のところ半分に減らしました。

治療方法は薬です。錠剤を2週間分もらいました。

昨日からその錠剤を朝食後1錠水で呑む。それだけです。

この薬は副作用があるので吐き気がします。車の運転は控えましょう。と言われました。

家族には内緒でこっそり薬を飲んでいます。

昨夜は薬のせいだと思いますが11時30分に床につき1時30分3時30分と2回もオシッコに

起きました。ビールを飲んで寝た訳でもないのに何でこんなにオシッコが近いのか・・きっと薬の

せいだと思います。

会社の人にも禁煙はだれにも言っていません。この病院を紹介してくれて禁煙に成功した人が

会社にいます。その人の経験談では禁煙を始めてもタバコは数本吸っていました。

4日目から薬の量が多くなりその薬のためタバコを受付なくなるそうです。

だから私あまえて2日めで10本吸っています。たぶん薬が効いてきた頃には体が受付しなくなるだろう。

このようなダラダラした禁煙宣言です。病院は2週間に1回行き6ヶ月でゴールです。

この苦しい禁煙経過をブログで報告します。

病院でもらった薬もそのうち写真で載せます。


黒酢

2012-02-15 17:35:49 | 体に良いもの
 
 
 

項 目

内 容

名称

黒酢 

概要

一般に、黒酢は静置発酵法で製造された純玄米酢又は純米酢をさし、熟成が進むにつれて黒味が増加しその色調が褐色を呈することから「黒酢」と呼ばれている。鹿児島県福山で約200年前から製造されていることから「福山酢」とも呼ばれている。JAS規格では米酢に分類される。黒酢は米、麹、水をそれぞれ2:1:6(容積比率)の割合で仕込み、糖化→アルコール発酵→酢酸発酵と順次進行させて熟成させる。俗に「疲労回復によい」、「血圧を下げる」、「血流を改善する」、「脂質代謝を改善する」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが十分でない。黒酢を食事以外から一度に過剰摂取するときは注意が必要である。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

 

 

 

主な成分・性質

・醸造酢の日本農林規格の中に米黒酢の規格が定められている。この規格での米黒酢の定義は、「穀物酢のうち、原材料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精白したものを除く)又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180 g以上であつて、かつ、発酵及び熟成によつて褐色又は黒褐色に着色したものをいう。」となっている。
・食品成分表では「黒酢」の一般成分の記載は見当たらない。市販されている黒酢を含む食酢について、酸度、可溶性固形分、アミノ酸量、糖分、ミネラルを分析した報告がある(111)。また、ヒスタミン160 mg/Lを含むという報告(101)、ジヒドロフェルラ酸(DFA)24.8 mg/L、フェルラ酸0.95 mg/L、ジヒドロシナピン酸(DSA)4.68 mg/L、シナピン酸1.15 mg/L、バニリン酸1.44 mg/L、p-ヒドロキシ桂皮酸を含むという報告がある。

分析法

・ジヒドロフェルラ酸(DFA)とジヒドロシナピン酸(DSA)をUV検出器付HPLCで分析したという報告がある
・黒酢中の有機酸を、カーボン充填カラムを用いて電気伝導度検出器付HPLCで分析したという報告がある(109)。

有効性







循環器・
呼吸器

・収縮期血圧130~159 mmHgかつ拡張期血圧85~99 mmHgの成人に15%黒酢含有飲料(34名)又は15%リンゴ酢含有飲料(31名)、プラセボ飲料(33名)を10週間摂取させた二重盲検試験において、黒酢ならびにリンゴ酢含有飲料の摂取により2-10週後の収縮期血圧が低下し、血圧低下作用には黒酢に特徴的な豊富なアミノ酸やペプチドではなく、酢酸であることが示唆されたという予備的な報告がある(108)。

消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当らない。

免疫・がん・
炎症

・慢性血液透析療法を行っている腎不全患者で、長期にわたって頑固なかゆみを感じる18名(36~72歳)に黒酢粕を2.5 g/日、2週間摂取させたところ、摂取前よりもかゆみに対して「効果あり」と感じたのは4名(22.2%)、「やや効果あり」と感じたのは8名(44.4%)、「効果なし」と感じたのは6名(33.3%)であったという予備的な報告がある(106)。この現象についてはさらに検証する必要がある。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

調べた文献の中で見当らない。

その他

調べた文献の中で見当たらない。

 

 

 

安全性

危険情報

・黒酢に含まれる酢酸は、高濃度のものを摂取すると中毒を起こす可能性がある。30%酢酸を約100 mL摂取した後、激しい腹痛と嘔吐、著明な溶血尿が認められ、その後無尿、呼吸困難、播種性血管内凝固症候群になったという報告がある(110)。
・アルコール飲用習慣のない43歳男性(日本)が、黒酢を含む健康食品(錠剤)を不定期に3~4ヶ月程度摂取したところ、ALT値、AST値が上昇した。DLST(薬物刺激リンパ球幼若化試験)を行ったところ陽性であり、摂取中止により改善したため、当該製品による薬剤性肝障害と診断されたとの報告がある(2010106474)。
・29歳女性(日本)が、黒酢飲料100 mLを20日間摂取後、200 mLに増量して7日間程度摂取したところ、全身に紅斑が出現した。パッチテストおよびDLST試験で黒酢が陽性であったため、摂取した黒酢による多型紅斑型中毒疹と診断されたとの報告がある(77)。
・59歳女性(日本)が、黒酢を含む製品を毎日摂取していたところ(900 mg/日、摂取期間不明)、加齢性眼瞼下垂症手術時に通常よりも明らかに出血が多く、止血に相当の時間を要した。出血傾向を示す他の病態や抗血栓薬の服用のないことが確認されており、止血困難の原因として黒酢を含む製品の摂取が疑われたとの報告がある(2008275056)。
・黒酢との因果関係が疑われる扁平苔癬の症例報告がある(2009067494)。
1)41歳女性(日本)が、米黒酢エキスなどを含む(含有量不明)健康食品を4カプセル/日、6ヶ月程度摂取したところ、手、上肢、下肢、体幹に痒みを伴う小丘疹が出現した。パッチテストにより当該製品が陽性であり、摂取中止により6ヶ月後に改善したため、黒酢を含む健康食品による扁平苔癬と診断された。
2)慢性甲状腺炎の既往歴がある68歳女性(日本)が、黒酢サプリメント(含有量不明)を3粒/日、3ヶ月摂取したところ、上肢に小丘疹が出現した。黒酢サプリメントのDLSTは陰性であったが、摂取中止により改善したため、黒酢による扁平苔癬と診断された。

 

 

 

 

 

 

 

 

総合評価

安全性

・黒酢を食品として摂取する場合はおそらく安全と思われる。妊娠中・授乳中の摂取における安全性については十分なデータが見当たらないため、食事以外からの過剰摂取は避けたほうがよい。黒酢に含まれる酢酸は、高濃度のものを摂取すると中毒を起こす可能性が示唆されている。

有効性

・黒酢の有効性についてはヒトでの信頼できる十分なデータが見当たらない。

 



 


健康食品 ・・アマチャヅル

2012-02-04 12:44:39 | 体に良いもの

名称

アマチャヅル

概要

アマチャヅルはウリ科に属する多年生、つる性草本植物で、茎は4~5 m、根茎は横走する。花期は8~9月。6~8月に葉を採集して日干しにし、薬用部分として使用する。北海道~九州、朝鮮半島、中国、インド、マレーシアに分布。中国語名は絞股藍で、古くから咳や慢性気管支炎の民間療法に使われていた。アマチャヅルの葉や茎から薬用人参と同じ構造をもつサポニンが多く同定されたため、第二のニンジンと呼ばれその健康効果が注目されている。俗に、「滋養強壮作用がある」、「抗ストレス作用がある」、「胃、十二指腸潰瘍に効果がある」といわれているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。妊娠中の使用は危険性が示唆されているため使用を避けること。アマチャヅル粉末によるアレルギー発症の報告がある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

アマチャヅル (コウコラン) 全草が「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

葉にはダンマラン系サポニンである20 (s) -プロトパナキサジオールを基本骨格とする多くのギペノサイド類を含むことが報告されている。これらはオタネニンジン (Panax ginseng C.A. Meyer) のサポニンに類似し、同一の化学構造のものも数種見出されている(29)。

分析法

数十種類のサポニンが分画、精製、構造決定され、加水分解後に、構成糖であるグルコース、キシロースがガスクロマトグラフィーにより分析されている (101) 。

有効性







循環器・
呼吸器

高コレステロール血症患者に経口摂取させたところ、総コレステロール値を低下させ、HDLコレステロール/総コレステロール比を上昇させたという報告があるが、この現象については更なる検証が必要である (66) 。

消化系・肝臓

調べた文献の中で見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中で見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中で見当たらない。

肥満

調べた文献の中で見当たらない。

その他

調べた文献の中で見当たらない。




試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中で見当たらない。

安全性

危険情報

・アマチャヅルを短期間、適切に経口摂取することは安全性が示唆されている。予備的ではあるが、30日まで安全に使用出来たという報告がある (66) 。
・妊娠中の経口摂取は危険性が示唆されている (66) 。動物モデルにおいて、含有成分ginsenoside Rb1 (gypenoside 3) が催奇形性を有することが示唆されているため使用を避ける (66) 。
・授乳中における信頼できる十分なデータはないため使用を避ける (66) 。
・アマチャヅルの摂取により重篤な吐き気を引き起こし、腸運動が増す可能性がある (64) (66) 。
・糖尿病に罹患している人がアマチャヅルを利用することは危険性が示唆されている (94) 。
・アマチャヅル粉末によるアレルギー発症の報告がある。患者はアマチャヅル粉末と接触した3時間後に、四肢の痛み、倦怠感、頭痛、発熱、のどと鼻の乾燥感、発疹、胸の圧迫感、脈拍の増加などの症状がみられ、治療を受けた後に治癒した。ただし、アマチャヅルサポニンによるアレルギー発症についての報告はなかった (90) 。
・市販のアマチャヅルを含むいわゆる健康食品から変異原性が確認されたという報告がある (1988074137) 。ただし、該当するアマチャヅル製品の成分含量についての詳細は不明である。

禁忌対象者

調べた文献の中で見当たらない。

医薬品等との
相互作用

・理論的には、アマチャヅルと抗凝固作用や抗血小板凝集作用のある薬剤を併用すると、紫斑や出血のリスクが高まる可能性がある (64) (66) 。そのため、抗凝血薬や抗血小板薬を服用している人がアマチャヅルを利用することは危険性が示唆されている (94) 。また、血小板凝集を阻害するハーブと併用すると、一部の人に出血のリスクが増す可能性がある (64) 。
・理論的には、アマチャヅルとの併用により免疫抑制剤の治療が妨げられる可能性があるため、併用を避ける (64) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・アマチャヅルエキス (20%サポニン含有) を投与:マウス経口4.5 g/kg (36 g/kgの生薬に換算) (90) 。
・アマチャヅルサポニンを投与:マウス腹腔内755 mg/kg、ラット1.85 g/kg (90) 、マウス経口4,500 mg/kg (91) 。
2.その他
・ラットに8 g/kg/日のアマチャヅルサポニンを30日間毎日経口投与した結果、体重、餌・水摂取量、血液、尿検査および病理的検査に異常はみられなかった (90) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

 

総合評価

安全性

・アマチャヅルを短期間、適切に経口摂取することは安全性が示唆されているが、重篤な吐き気を引き起こし、腸運動が増す可能性がある。
・妊娠中の経口摂取は危険性が示唆されている。
・授乳中における信頼できる十分なデータがないため使用を避ける。
・アマチャヅル粉末によるアレルギー発症の報告がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
ヒトでの有効性については、信頼できる十分なデータは見当たらない。


健康食品 ・・・亜鉛はどうなの

2012-02-04 12:16:24 | 体に良いもの

概要

亜鉛はアルコールデヒドロゲナーゼ等の脱水素酵素、DNAポリメラーゼ等の多くの酵素に含有され、遺伝子発現、タンパク質合成など多くの生体の反応に関わっている。また、免疫機能全般に大きな影響を与えており、亜鉛の欠乏は成長障害、食欲不振、味覚障害などを起こす。一般に「味覚を正常に保つ」、「生活習慣病を予防する」などといわれ、亜鉛欠乏症や栄養失調による病気の治療、味覚減退の改善など、一部にヒトでの有効性が示唆されている。安全性については、適切に摂取すればおそらく安全と思われるが、過剰摂取により神経症状、免疫障害、銅欠乏症などを起こすことがある。亜鉛は保健機能食品 (栄養機能食品) の対象成分となっているが、乳幼児・小児については、あえて錠剤やカプセル剤の形状で補給・補完する必要性がない旨の注意喚起が出されている 。亜鉛を多く含む食品としては、魚介類、肉類などがある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:2.1 mg、上限値:15 mg)。

 

 

成分の特性・品質

 

主な成分・性質

元素記号Zn、原子番号30、原子量65.38、

 

 

分析法

 

 

有効性







循環器・
呼吸器

・亜鉛欠乏症の人における鎌状赤血球症に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。
・心臓に対する保護作用に関する疫学的科学的根拠はほとんどない (25) 。
・亜鉛不足の人における、動脈および静脈性下肢潰瘍に、経口摂取で有効性が示唆されている (66) が、亜鉛が十分である人では効果がないとされる  。静脈性下肢潰瘍の治療に対する有益性は不明であるとの見解もある (25) 。
・健康なボランティア186名 (試験群100名) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、抗酸化物質 (1日にビタミンC 120 mg、ビタミンE 30 mg、β-カロテン 6 mg、セレン 100μg、亜鉛 20 mg) を2年間摂取させたところ、尿中の11-dehydro TXB2/2,3 dinor 6 keto PGF1α (血小板活性化の指標で冠状動脈性心疾患リスクと相関する) が低かったという報告がある 。
・HIV感染者を含む肺結核患者154名 (試験群77名、平均30歳、南アフリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、レチニルパルミテート (パルミチン酸レチノール) 200,000 IU/日と亜鉛15 mg/日を8週間摂取させたところ、治療成績や体重増加に影響は認められなかったという報告がある  。

消化系・肝臓

・栄養失調または亜鉛欠乏症の小児における急性下痢の期間と症状を軽減するのに経口摂取でおそらく有効と思われる (66) 。下痢消耗症のHIV感染者において、ビタミンAおよびEとの併用摂取で、ビタミンの吸収を改善しないことが示唆されている 。
・急性下痢の小児808名 (6ヶ月~59ヶ月齢、試験群537名) を対象としたインドにおける二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛2 mg/kg/日を2週間、単独もしくは銅0.2 mg/kg/日と併用摂取させたところ、下痢の期間や症状に影響は認められなかったという報告がある 。
・2009年までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験37報について検討したメタ分析において、小児による亜鉛の摂取は、下痢の罹患率と有病率の低下と関連が認められたが、慢性下痢や赤痢の罹患率、死亡率との関連は認められなかったという報告がある  。しかしながら、試験によるばらつきが大きく、さらなる検証が必要である。
・消化性潰瘍の治療および予防に有効性が示唆されている (66) 。アセキサム酸亜鉛 (zinc acexamate) はH2受容体拮抗薬と同程度、胃および十二指腸潰瘍を改善する可能性が示唆されているが、他の塩の効果はよく知られていない (66) 。
・亜鉛が銅の吸収の阻害および排泄を促進するため、経口摂取でウィルソン病の症状改善に有効性が示されている (66) 。
・亜鉛不足で慢性再発性アフタ (消化管粘膜に浅い小潰瘍を形成する病変) の患者に660 mg/日の亜鉛を摂取させると症状が改善したという報告がある  が、亜鉛が十分である人では効果がないとされる 。
・炎症性腸疾患の治療には、効果がないことが示唆されている (66) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中で見当たらない。

生殖・泌尿器

・鉄と葉酸のサプリメントを摂取している妊娠中の女性において、亜鉛の経口摂取は鉄状態の改善に対し、効果がないことが示唆されている (66) 。
・貧血のある妊娠中期 (20.9±1.4週) の妊婦80名 (20~38歳) (試験群24名) を対象に亜鉛 (β-アラニル-L-ヒスチジネイト亜鉛として1日34 mg) を8週間投与したところ、インスリン様成長因子-Iと総鉄結合能が増加し、新生児の出生体重2,500 g未満の例が少なかったという報告がある (2001119808) 。

脳・神経・
感覚器

・神経性食思不振症 (拒食症) に経口摂取で有効性が示唆されている。亜鉛のサプリメントは患者の体重を増加させ、抑うつ状態を改善する可能性がある (66) 。
・健康な高齢者387名 (55~87歳、試験群257名、イタリア、フランス、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、亜鉛15 mg/日または30 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、気分 (the Positive and Negative Affect Scale) に影響は認められなかったという報告がある。
・注意欠陥過活動性障害 (ADHA) の児童における、多動、衝動性、社会的不適合の症状の改善に、従来の治療法との併用で有効性が示唆されているが、注意欠陥は改善しないと考えられる (66) 。
 1) ADHDの児童 (対照群202名、平均9.61歳) 400名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛150 mg/日を12週間摂取させたところ、多動、衝動性、社会的不適合を改善したが、注意欠陥症状は改善しなかったという報告がある  。
 2) 5~11歳のADHA患者44名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛 55 mg/日 (亜鉛量として約15 mg) をメチルフェニデート 1 mg/kg/日と6週間併用させたところ、亜鉛併用群ではメチルフェニデート単独投与群より症状の改善が認められたという報告がある  。
・ADHDの小児患者では血清中亜鉛濃度が低いという報告 (PMID:8があり、亜鉛濃度の低い患者では刺激薬治療 (デキストロアンフェタミン) が十分な効果を示さないという報告もある  。
・4~6ヶ月齢の健康な乳児560名 (試験群421名、タイ) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛10 mg/日、鉄10 mg/日を単独または併用で6ヶ月間摂取させたところ、9歳の時点における認知機能 (IQ、WISC-III、学校の成績) に影響は認められなかったという報告がある  。
・味覚減退 (亜鉛欠乏によるものだけでなく、ガスチン/炭酸脱水酵素VI欠乏症、カプトプリル服用や頭部の放射線療法による味覚障害など) に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。成人尿毒症患者において、経口または透析液による亜鉛補充は味覚を改善するが、小児透析患者ではおそらく効果が無い (66) 。
・抗酸化作用のあるビタミンとの併用摂取で、加齢性黄斑変性の進行を遅らせるのに有効性が示唆されている (66) 。ただし、亜鉛単独経口摂取では予防に対し、効果がないことが示唆されている (66) 。亜鉛80 mgとビタミンC500 mg、ビタミンE400 IU、βカロテン15 mg (いずれも1日量) を併用摂取したところ、中等症から重症の加齢性黄斑変性患者のうち、27%で視力低下のリスクが低減し、28%で病状進行のリスクが低減した。これは亜鉛単独摂取ではみられない (66) 。大規模疫学調査では、食事からの亜鉛の摂取が多いと加齢性黄斑変性の進行を抑制する可能性が示されている  。
・2007年2月までを対象に7種のデータベースで検索出来た無作為化臨床試験 (RCT) および前向きコホート試験12報についてのメタアナリシスにおいて、抗酸化物質 (ビタミンA、C、E、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチン、αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン) の食事摂取量と早期加齢性黄斑変性症の発症の間には相関がなかったという報告がある 。
・頭部外傷直後に非経口投与することにより、神経機能の回復に有効性が示唆されている (66) 。
・抗酸化作用のあるビタミンとの併用摂取で、白内障には効果がないことが示唆されている (66) 。55~80歳の栄養状態のよい人において亜鉛80 mgとビタミンC500 mg、ビタミンE400 IU、βカロテン15 mg (いずれも1日量) を併用摂取したところ、白内障の発生や進行、手術の必要性について何の効果も見られなかった。ただしもっと早い段階での介入や長い期間のサプリメント投与での効果については不明である (66) 。
・耳鳴りの治療に対し、効果がないことが示唆されている (66) 。

免疫・がん・
炎症

・単純ヘルペスに対して外用で有効性が示唆されている (66) 。硫酸亜鉛は口唇および性器ヘルペス両方の症状と発症期間を改善するようである (66) 。顔面および口囲ヘルペス患者46名を対象とした無作為化二重盲検臨床試験において、発症から24時間以内に0.3%酸化亜鉛とグリシンのクリームを2時間毎に治癒するまで、もしくは21日間使用したところ、発症期間の短縮および諸症状の緩和が認められたという報告がある  。

・アトピー性皮膚炎には効果がないと考えられる (66) 。アトピー性皮膚炎患者50名 (1~16歳) を対象とした二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛185.4 mg/日を経口摂取させても、表面積、紅斑の重症度、痒み、睡眠障害の軽減や治療薬の減量は見られなかったという報告がある 。
・湿疹、乾癬およびリウマチに由来する関節炎の治療には経口摂取で効果がないことが示唆されている (66) 。

・風邪の予防や罹患期間の短縮に対する効果は、成人の罹患期間短縮にトローチ剤摂取の有効性が示唆されている (66) が、小児における亜鉛トローチの効果は成人と一致しない (66) 。経鼻投与の効果は見解が一致せず、亜鉛のスプレー式点鼻薬が症状の軽減と期間を短縮するという報告がある一方で、効果が無いとする報告もある (66) 。また、風邪の予防にはサプリメントからの亜鉛の摂取は効果が無いと考えられる (66) 。いずれにおいても、現時点では、ポジティブな結果とネガティブな結果の両方が存在しており、個々の情報は下記のようになっている。

<風邪に対する有効性が示唆されたという報告>
 1) 多くの研究で、成人がグルコン酸亜鉛または酢酸亜鉛のトローチ剤 (亜鉛として9~24 mg含有)を摂取すると、カゼの症状期間が有意に短縮されると報告されている (66) 。この場合、症状が出てから48時間以内にトローチ剤の摂取を始め、日中は2時間おきに摂取する必要がある。この摂取法は小児には有効でない (66) 。
 2) 学童496例を対象とした臨床試験において、グルコン酸亜鉛トローチの投与が風邪の期間を短縮した 。
3) 18歳以上の風邪の患者45名 (試験群22名) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛13.3 mg含有トローチを2~3時間おきに摂取させたところ、罹患期間、せき・鼻水の持続期間の短縮と自覚症状スコアの早期改善、炎症マーカー (sIL-1ra、ICAM-1) の減少がみられた 。

<風邪に対する有効性が認められなかったという報告>
 1) 2006年12月までを対象に、Medlineデータベースで検索可能な無作為化比較試験14報について検討したところ、風邪に対する亜鉛トローチやスプレー式点鼻薬の効果は確認できなかった 。
 2) 成人のライノウィルス感染患者273名および風邪の患者281名 (18~65歳) に酢酸亜鉛5,11.5 mg含有トローチまたはグルコン酸亜鉛13.3 mg含有トローチを日中2~3時間おきに14日まで使用させたが、期間や症状の改善は認められなかった 。
 3) 風邪の症状が現れて24時間以内の小児247名 (6~16歳) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、グルコン酸亜鉛 (亜鉛として10 mg含有) のトローチを1日5~6回使用させても回復までの期間に変化は見られなかった  。
 4) 成人79,240名 (21~65歳) を対象としたコホート試験において、食事からの亜鉛摂取と風邪の発症には相関が得られなかった  。

・風邪に対して亜鉛が効果を示す上でイオン化が重要な役割を果たしていると考えられるが、クエン酸やマンニトール、ソルビトールなどの香料は亜鉛をキレートし、亜鉛のイオン化を減少させる可能性がある (66) 。
・上気道感染症に対する亜鉛 (グルコン酸塩) の有益性は不明である (25) 。
・急性下気道感染症の乳幼児106名 (試験群53名、平均6ヶ月齢、インド) を対象とした三重盲検無作為化プラセボ比較試験において、亜鉛20 mg/日を5日間摂取させたところ、症状が改善するまでの期間や入院期間に影響は認められなかったという報告がある  。

・高齢者において、硫酸亜鉛25 mg/日の経口摂取により細胞性免疫が向上すると考えられる  が、抗体反応およびインフルエンザワクチン後のインフルエンザ感染の発症に対する効果はないと思われる  。血液透析患者では亜鉛欠乏のリスクが高いが、亜鉛を投与してもインフルエンザワクチンへの反応は改善しないと思われる  。
・経口摂取で免疫機能を向上させるのに、効果がないことが示唆されている (66) 。亜鉛等の血清中濃度が低い、介護施設の高齢者81名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、亜鉛20 mg/日とセレン100μg/日を組み合わせて投与すると感染症の罹患率が減少したという予備的な知見もある が、亜鉛欠乏リスクの無いヒトにおいては亜鉛のサプリメントは免疫機能を向上させないと思われる 。
・亜鉛は栄養不良の3ヶ月から5歳までの子供の肺炎の発生率を低下させる (66) 。亜鉛は肺炎のリスクを20%まで減少させるが、症状の継続期間は短縮しないという報告がある。
・2~23ヶ月の入院患者270名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、病院における標準的な抗菌剤投与と併せて20 mg/日の亜鉛を摂取させたところ、重度の肺炎の継続期間が短縮したという報告がある  。また、軽度の呼吸器感染症のリスクを減少させると考えられる  。
・はしかと肺炎を併発した9ヶ月~15歳の患者に標準的な抗菌剤と100,000 IUのビタミンAに、20 mg/日の亜鉛を6日間併用しても、亜鉛による追加効果は認められない 。
・急性細菌性肺炎の乳幼児98名 (2ヶ月齢~5歳、試験群49名、インド) を対象とした単盲検無作為化プラセボ比較試験において、抗菌薬の服用と共に亜鉛20 mg/5 mL含有のシロップを、1歳未満は2.5 mL/日、1歳以上は5 mL/日、14日間摂取させたところ、症状の持続期間、治癒率に影響は認められなかったという報告がある 。
・栄養不足の子供のマラリアの予防や治療に経口摂取で、効果がないことが示唆されている (66) 。

・前立腺がんに対して効果がない、もしくはリスクを上昇させると考えられる (66) 。
 1) 男性3,616名を対象とした無作為化臨床試験において、1日に亜鉛20 mg、ビタミンC 120 mg、ビタミンE 30 mg、β-カロテン6 mg、セレン100μgを平均8年間摂取させたところ、前立腺特異抗原 (PSA) が低い人では前立腺がんのリスクを減少するかもしれないが、PSA 3μg/L以上の人ではリスク減少は認められなかった 。
 2) 大規模調査においては、亜鉛サプリメントを100 mg/日以上もしくは10年以上摂取している人では前立腺がんの発症リスクが高かった 。
 3) マルチビタミンを週7回以上摂取していて、個別に亜鉛も摂取している人では前立腺がんに関連する死亡率が高かった 。

・腸性先端皮膚炎に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。
・経口摂取で陽性肢端皮膚炎 (乳幼児期に見られる亜鉛の吸収障害による疾患。進行性の皮疹を主症状とする) の改善に有効である可能性が示唆されている (66) 。アレルギー疾患の既往症がある43歳女性が、壊死性末端紅斑およびC型肝炎の感染が見られ、亜鉛220 mg×2回/日の経口投与とインターフェロンα-2bを3×106 U、3回/週の皮下注射による治療を行ったところ、6ヶ月後に治癒したという報告がある 。
・歯磨き粉もしくはうがい薬に亜鉛単独もしくはトリクロサン(抗菌剤)との組み合わせで用いた場合、歯垢の蓄積、歯肉炎、歯石の形成を抑制すると考えられる (66) 。
・ハンセン病に対して、亜鉛の経口摂取は医薬品との併用で有効性が示唆されている (66) 。ハンセン病患者は亜鉛濃度が低いことがわかっている。初期の臨床試験では、薬剤治療に亜鉛を加えたところ、ステロイドの使用量を減らすことができた (66) 。

骨・筋肉

・週3回以上筋痙攣 (こむらがえり) がある亜鉛欠乏症の肝硬変患者12名に硫酸亜鉛を220 mg×2回/日 12週間摂取させたところ、筋痙攣が消失あるいは頻度と痛みが減少したという報告がある  。
・亜鉛摂取量や血清亜鉛濃度の減少と骨ミネラル濃度の減少は男女ともに相関関係がある (66) 。閉経後女性において、銅、マグネシウム、カルシウムとの組み合わせで骨量の減少を抑制する可能性が示唆されている (66) 。

発育・成長

・血中の亜鉛濃度が低い妊婦において、胎児の体重および頭周囲の増加に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。また、亜鉛欠乏で成長不良の新生児において、成長促進および健康の向上に経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。
・妊娠10~24週の女性645名を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、鉄60 mg/日および葉酸250μgに併せて亜鉛15 mg/日を出産4週間後まで摂取させても鉄の状態を示す指標であるヘモグロビン値および血清フェリチンに変化は見られなかったという報告がある 。
・1984~2009年を対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、妊娠中の亜鉛投与は子どもの出生時体重に影響を与えないという報告がある  。
・亜鉛欠乏の子供の成育を促進するのに経口摂取で有効性が示唆されている (66) 。亜鉛のサプリメントは亜鉛欠乏リスクにさらされた発展途上国の子供の成育促進に有効であるが、サプリメントより栄養強化食品のほうが実践的であるとする研究者もいる (66) 。
・ビタミンA欠乏症の子供のビタミンA状態を改善するのに有効性が示唆されている。亜鉛はビタミンAと組み合わせる事により、それぞれ単独よりビタミンA充足率を改善するようである 。
・栄養不足の子供のマラリアの予防や治療に対して、経口摂取で効果がないことが示唆されている (66) 。

肥満

調べた文献の中で見当たらない。

その他

・脱毛症の治療には、効果がないことが示唆されている (66) 。
・ニキビの治療に経口摂取で、またエリスロマイシンとの併用で外用でも有効性が示唆されている (66) 。規模が小さいが、ほとんどの結果から、亜鉛がニキビを改善すると思われる (66) 。ただし従来の治療法との比較は明らかでなく、テトラサイクリン系との併用は結果が一致しない (66) 。
・歯磨き粉もしくはうがい薬に亜鉛単独もしくはトリクロサン (抗菌剤) との組み合わせで用いた場合、歯垢の蓄積、歯肉炎、歯石の形成を抑制すると考えられる (66) 。
・高齢女性38,772名 (平均61.6歳、アメリカ) を対象に平均19年間の追跡を行ったコホート研究において、カルシウムサプリメント利用者では総死亡リスクの低下が認められたが、マルチビタミン、ビタミンB6、葉酸、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅サプリメントの利用者では死亡リスクの増加が認められたという報告がある。

 

 


アガリクス (ヒメマツタケ)

2012-02-01 17:14:47 | 体に良いもの

アガリクスとは

 

 

概要

アガリクスは、地面から生え、柄が長くて太く、香りが強いキノコの一種である。アカリクス写真現在では「アガリクス」という名称が一般的であるが、日本ではヒメマツタケ(別名:カワリハラタケ)としても知られている。1965年にブラジルより移入されて以来、人工栽培されるようになったが、菌株、栽培条件や産地により、その特性や含有成分が異なる。俗に「抗がん効果がある」、「免疫力を高める」などといわれ、アガリクスと名のつく健康食品も数多くみられるが、ヒトでの有効性と安全性については信頼できるデータが見当たらない。わが国におけるがん患者の多くが代替療法の一つとしてアガリクスを利用していることを報告しているとの調査がある。アガリクスは食経験がなく歴史的に浅い素材であり原材料や製品でかなり品質に差異があるため、厚生労働省から注意喚起されている。アガリクス含有製品には、製品により品質に大きな違いがあることから、厚生労働省のアガリクスには、「製品毎の安全性については、その製品の製造者・販売者に問い合わせるなどしていただき、慎重に判断してください」と記載されている。

法規・制度

別名としてアガリクス・ブラゼイ/ヒメマツタケがある。子実体は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」に区分される(30)。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・他のキノコに比べて粗タンパク質が43%と多い。多糖類、ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、ビオチン、パントテン酸、葉酸、アミノ酸、ビタミンD、マグネシウム、カリウムなどを含むとの報告があるが、成分含量は、菌株、栽培条件や産地によって異なる。
・ヒメマツタケ抽出物や市販アガリクス製品に含まれるβ-グルカン量は製品により差がある(2005215401)。
・ヒメマツタケ中のアガリチン含量は、乾燥重量で500-5,000 mg/kgとの報告がある(102)。
・アガリクス含有製品の品質は、製品により大きく異なるため、自主ガイドラインによりヒトでの過剰摂取試験を義務付ける等が実施された製品もある。

分析法

アガリクスは他のキノコ製品・酵母製品と同様にβ-D-グルカンを含有している。β-D-グルカンの構造特性や分子量分布はキノコの種類により大きく異なり、その構造と活性の関連については一致した見解が得られていない。特異検出キットによるキノコ中β-グルカン総量が測定されている(2005215401)。アガリクス特有のβ-D-グルカンに関しては構造決定に関する報告があるビタミンD前駆物質であるエルゴステロールについてはガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)を用いた分析法の報告がある。

有効性







循環器・
呼吸器

調べた文献の中で見当らない。

消化系・肝臓

調べた文献の中で見当らない。

糖尿病・
内分泌

・II型糖尿病に1年以上罹患しており、グリクラジドおよびメトホルミンを6ヶ月以上摂取している中国人60名(摂取群29名、対照群31名)を対象とした無作為化二重盲検試験において、1,500 mg/日のアガリクス抽出物(含有成分は不明)を12週間摂取させたところ、摂取前と比較して空腹時の血清中HbA1c、インスリン濃度、インスリン抵抗性が低値を示し、血漿アディポネクチン濃度が上昇したという予備的な知見がある。

生殖・泌尿器

調べた文献の中で見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中で見当らない。

免疫・がん・
炎症

健常成人8名(平均22.3歳)を対象とした二重盲検クロスオーバー試験において、アガリクス(A.brasiliensis KA21)を3 g/日、7日間摂取させたところ、摂取前と比較してK562細胞に対するNK活性が増加したという予備的な報告があるが、対象が少人数で検定は摂取前後で実施しておりこの現象については、更なる検証が必要である(107)。
・抗がん剤治療を受けている子宮がん、卵巣がんの女性100名(26-79歳、試験群39名、韓国)を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、品質管理されたアガリクスを摂取させたところ、NK細胞の有意な活性化が認められ、抗がん剤の副作用(食欲不振、脱毛、全身脱力感など)が軽減されたが、他の免疫細胞に影響は認められなかったという報告がある(PMID: 15304151)。この現象については更なる検証が必要である。

骨・筋肉

調べた文献の中で見当らない。

発育・成長

調べた文献の中で見当らない。

肥満

健常成人12名(平均45.3歳)を対象に、アガリクス(A.brasiliensis KA21)を3 g/日、3ヶ月間摂取させたところ、摂取前と比較して体重、BMI、体脂肪率、内臓脂肪率、血糖値の低下がみられたという予備的な報告があるが、この現象については、更なる検証が必要である(107)。

その他

 




試験管内・
動物他での
評価

・Agaricusの熱水抽出物をマウスに経口投与した場合、脾臓細胞中のThy1.2 (pan T cells)、L3T4 (CD4, helper T cells)およびLyt2 (CD8, cytotoxic T cells)陽性の細胞集団の割合が有意に増加した。
・マウスにおいて、double-grafted tumor systemを用い、アガリクス子実体の酸処理画分(ATF)で原発性腫瘍(primary tumor)を処理したところ、抗腫瘍活性の著しく上昇したNK細胞が、腫瘍部位へ浸潤した。また、ATFは、試験管内においてアポトーシス誘導によって腫瘍細胞の増殖を直接抑制した(103)。
・一部のアガリクス製品には、カドミウムの含有量が高いものが見られたが、自主的な基準等を持って対応がはかられている(104)。
・腫瘍モデルマウス(n=10)にアガリクス(A. blasiliensis KA21)の冷水抽出物(2 mg)を35日間経口投与したところ、腫瘍増殖の抑制、TNF-αの増加抑制、GOT上昇の抑制がみられたという予備的な報告がある(107)。

安全性

危険情報

・ヒメマツタケと肝障害の関連を報告した3つの症例報告がある。
症例1:66歳女性の卵巣がん患者(ステージIIIC)(術後シスプラチンとシクロホスファミドの化学療法中、アレルギー歴は不明)がアガリクスを使用し、発熱および肝機能マーカー(AST、ALT、総ビリルビン)の上昇が見られ肝炎と診断され、アガリクス使用中止により肝機能は正常値に回復した。
症例2: 58歳女性の乳がん患者(ステージIIIA)(9ヶ月前に右の乳腺切除を行い3ヶ月前までシクロホスファミド、ドキソルビシン、5FUの化学療法を受診)が入院数日前よりアガリクス抽出物を摂取していたが疲労のため入院し、AST、ALT、総ビリルビン、プロトロンビン時間の上昇が見られ、急性肝炎と診断され、入院後7日間で劇症肝炎のため死亡した。
症例3: 48歳女性の骨転移した乳がん患者(ドキソルビシンとシクロホスファミドの化学療法中、B型肝炎ウイルス保有)が入院数日前よりアガリクス抽出物を摂取し、食欲不振、吐き気及び嘔吐などを訴え、肝機能異常(AST,ALT,総ビリルビン値の上昇)のため入院したが、6日後劇症肝炎のため死亡した。
・アガリクス含有製品摂取との因果関係が疑われる健康被害が多数報告されている。
1)55歳の胃十二指腸潰瘍と鉄欠乏性貧血のある女性がアガリクスを摂取したところ、ALP、γ-GTP値が上昇した(2005013083)。
2)健康食品として3ヶ月間アガリクスを摂取した52歳女性で、全身掻痒感、眼球結膜の黄染と褐色尿を認めた(2004252918)。
3)未承認医薬品や健康食品により肝障害を発症した31名(うち妊婦3名)のうち、アガリクスが原因(服用期間214日間)の症例が1名で確認され、後に悪性胸腺腫により死亡した(2004149979)。
4)40-69歳の胆石患者(性別不明)又は子宮頸がん患者がアガリクスを摂取したところ、肝細胞障害となった(2004263248)。
5)脳梗塞、肺小細胞がん、冬季の皮脂欠乏性皮膚炎の罹患歴のある73歳男性が、肺小細胞癌加療中に激しい掻痒を伴う紅斑をおこし、半年ほど前から継続していた乾燥アガリクス50 gを1.8 Lの焼酎に漬け込んだもの(約30 mL/日)の飲用を中止したところ症状が劇的に改善した(2004276900)。
6)C型慢性肝炎、肝臓がん、慢性甲状腺炎の既往歴がある68歳男性が肝臓癌加療中アガリクスを2週間摂取後に呼吸困難をおこし、アガリクス摂取を中止し、ステロイド剤を投与して初めて、自覚症状が改善した(2004125341)。
7)十二指腸潰瘍、多発脳梗塞の既往歴があり、入院前日よりアガリクスを含むいわゆる健康食品を16日間継続摂取した72歳男性が、肺癌切除後に呼吸困難をおこし、17日目より摂取を中止したところ、徐々に症状が改善した(2005001969)。
8)糖尿病のため経口血糖降下薬を服用していた58歳女性がアガリクス含有食品を1ヶ月程度摂取(アガリクスとして1日量2.91 g)したところ、急激な血糖の上昇と顔面・両上肢に皮疹が出現した(2006138431)。
9)60歳代男性が乾燥アガリクスの煎じ液を約6ヶ月後飲用したところ、口唇に乾燥感・亀裂・落屑性変化・腫脹・小水疱が出現し、アレルギー性接触性口唇炎と診断された(2006209905)。
10)直腸のマントル細胞リンパ腫の既往症のある63歳男性がアガリクスを摂取後、約1ヶ月で両手足の異常感覚が出現し、多発性神経障害と診断された(2006113539)。
11)悪性黒色腫の摘出手術を行った43歳女性が術後からアガリクスを摂取したところ、転移がないにも係わらず血中5-S-CD(メラニン関連代謝物5-S-cysteinyldopaで悪性黒色腫腫瘍マ-カ-)が高値となった(2006035857)。
12)右手指の悪性黒色腫で1年間β-インターフェロン治療中の77歳女性(日本)がアガリクス製品を摂取したところ(摂取量、摂取期間など不明)、他臓器やリンパ節などへの転移や再発はみられないにも係わらず、血中5-S-CD(5-S-cysteinyldopa;メラニン関連代謝物、悪性黒色腫腫瘍マ-カ-)が高値となったが、アガリクス製品摂取中止1ヶ月後に正常値に戻った。
・健常成人11名(平均43.6歳)にアガリクス(A.brasiliensis KA21)を9 g/日、6ヶ月間摂取させたところ、体調、肝機能、腎機能に変化は無く、有害事象は認められなかったという予備的な報告がある(107)。
・72歳男性が高β-D-グルカン血症を呈し、強力な抗真菌薬治療で改善が見られず、飲用していたアガリクス茸抽出液の摂取中止により改善した。また、健常成人9名(24-53歳)にアガリクス茸顆粒2 g×2回/日を3日間摂取させたところ、1名のみが4日目に血中β-D-グルカン濃度の上昇が認められたという報告がある。深在性真菌症の診断と治療法の選択、治療効果の判定のために実施される血液中β-D-グルカン(β-G)の測定に、アガリクス茸成分や他の真菌成分を含む健康食品の服用が影響する可能性がある。