あらすじ
大学教授の川崎(宇野重吉)は、教え子である男子学生(浜田光夫)から或る相談を持ち込まれていた。それは「結婚の仲人になってほしい」という話だったが、学生結婚というものに少々の不安や心配を持つ川崎教授は躊躇を覚える。しかし、その男子学生と将来を誓い合う少女(吉永小百合)が「ダンサー」であることを知った教授の胸に、かつて旅芸人の踊子(吉永小百合)に淡い恋心を寄せた青春の思い出が甦るのだった。若い二人を見守りながら、教授の心は遠い過去へ遡っていく。
踊子・薫:吉永小百合、川崎:高橋英樹(学生時代)、旅芸人一座の主、お芳:浪花千栄子、旅芸人の栄吉:大坂志郎の出番が多くて特に後者二人がこんな役もやるのだとしみじみと観ていた。
全編が絵のよに美しくて見入ってしまったが、初心な?私は演技とストーリーも含めて軽いショックを覚えた。川端康成作品は読んだことがないのだが、これは川端氏の経験から書かれたものではないのかと言う気がした。テレビで何回か加賀まりこさんが川端康成氏とホテルで朝食のデート?を重ねていたことを語っていたことも思いだした(笑)。
wikiにも「映画撮影を見学した原作者の川端康成は、踊子姿の吉永小百合に『なつかしい親しみ』を感じたという。」ともあった。
伊豆の踊子(予告篇)
作品解説
ストーリーテリングが「或る大学教授の回想」という体裁になっている点が、原作小説との大きな相違点である。しかも、その回想シーンのきっかけとなる導入部が「学生結婚」という点もまた現代風な作劇であり、戦後の新教育を受けた若い世代にも馴染みやすい工夫がなされていた。
冒頭の現代の場面はモノクロ(上の予告編ではカラー作品だ)、教授の青春時代の回想(踊子との交流すなわち原作小説のパート)が鮮やかなカラーフィルム、その回想から覚めると再びモノクロ、そして現代の若いカップルが希望を胸に走り出す場面でエンディングという演出になっている。
年老いた現代の主人公は宇野重吉が演じ、若い学生の頃を高橋英樹が演じた。回想シーンに出てくる踊子の薫と現代のダンサーは、吉永小百合が一人で二役を演じている。~ウイキペディア
「伊豆の踊子」の映画化作品6本の内、戦前の田中絹代版を除き、5本を見ていますが、小百合さんの踊子薫が一番聡明な印象でしたね。撮影当時、たしか早稲田の1年でしたから当然なんですけどね。
4年前に他界された大林宣彦監督が「伊豆の踊子」を自ら製作することを念願し、遂にかなわなかったのですが、生前、「原作に忠実に、13、14歳くらいの薫を描きたい」とおっしゃっていたのがわかるような気がします。
小百合さんが踊る「自転車節」が良かったですね!
>個人的には現代版の部分はいらなかったと思いました。
へへへ、私も始まった時あれ~?なんて思いました。
監督や脚本家の創作なんでしょうか?
>「伊豆の踊子」の映画化作品6本の内、戦前の田中絹代版を除き、5本を見ていますが
へ~っ、それは凄いですね。
また、そんなに何度も撮られているんですか?
>大林宣彦監督が「伊豆の踊子」を自ら製作することを念願し・・・13、14歳くらいの薫を描きたい」とおっしゃっていたのがわかるような気がします。
それは監督にとっても、ファンにとっても残念なことでしたね。
>小百合さんが踊る「自転車節」が良かったですね!
そうですか!私が「軽いショックを覚えた」と書いていますのが、そのような場面です。
吉永小百合さんは、大物女優の役のイメージが焼き付いているのか、旅芸人の世界とか、そんな酒宴での出し物まで小娘役で演じていたのかと私の目には痛々しく映りました。
以前、テレビで石坂洋次郎の『若い人』を石原裕次郎と共演した時などは可愛らしく思ったのですが(笑)。
私には知らない世界が多すぎることをまた知りました。
福岡で婆さんだったか?よく私(子供の頃)に、歌手や俳優は、昔は「河原乞食」と言っていたんだと聞かされていました。懐かしい表現です。
ところが、朝ドラ「オードリー」の再放送を今観ていますが、料亭の女将役の大竹しのぶが、主人公のオードリーに、近くにある撮影所のことを「あんな汚くて醜い場所には絶対行ってはいけない!」と繰り返し伝えますが、そんな台詞を大竹しのぶに言わせることに違和感を感じていました。大女優さんが大部屋ほかスタッフをとても見下げている台詞のドラマです。
「年端も行かない子が、酔った客の下卑た視線の前で踊らなくてはならないという現実」でどこかがかぶっていると私は感じたのでしょう。
>既に人気女優だった小百合さんが演じたところに価値があったと思います。
そうですね~、キャストを見たら・・・
1.吉永小百合(主演)、2.高橋英樹、3.浜田光夫、4・南田洋子、5.十朱幸代、6.宇野重吉、7.浪花千栄子、8.大坂志郎.の順ですね。
私には「あんな端役までして大女優になっていったのか」みたいな印象を持ったのでしょうね。
どうも私は冷静に映画を観る目を持っていないようです(汗)。